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中国経済生活大調査で見る新常態後

2015年中国経済生活大調査 富、チャンス、幸福はどこへ行っちゃった?

 3月2日、中央テレビ財経チャンネルは「中国経済生活大調査」という国民的ビッ
グデータを初めて発表した。
 中国における最大規模のメディアによる国民生活調査活動「中国経済生活大調
査」は、変化する時代の中で、中国の世帯に深く入り込み、9年間、毎年10万サン
プル、累計で1000万の国民生活基礎データをもとに、人々の真の生活感覚を伝える
ものである。
 この「中国経済大調査」の発表により、2015年のチャンス、富、時間、幸せとい
った重要なトレンドデータが明かされた。さらに多くの2015年国民データは、中央
財経チャンネルの3月9日18:50に放映される「中国経済生活大調査」データ発表パ
ーティーを注目してほしい。
(一)2015年、お金はどこへ行っちゃった?
〈経済が新常態で、中国人の収入増への期待が下がる〉
 67.6%――これは、CCTV「中国経済生活大調査」による2015年中国家庭収入信頼
感指数である。
 注目したいのは、この調査は既に連続9年実施されており、毎年10万世帯の中国
の家庭収入状況のデータを調査しており、これをもとに「住民収入信頼感指数」を
出していることである。
 今回の大調査の収入信頼感指数はこの4年来で低く、経済が新常態に突入し、今
後は収入が高くなるという期待が下がるというトレンドがはっきりしている。
 2015年、中国のどの地方が収入信頼感を持っているか。
 ランキングトップは、江西人(収入信頼感指数74.4%)。以後、吉林(71.8%)、
山東(70.8%)、安徽(70.8%)、湖北(70.0%)でも全国平均水準(67.6%)より高
かった。
▽収入信頼感指数の推移
2007年 74.6%   2010年 75.4%   2013年 71.1%
2008年 70.3%   2011年 67.4%   2014年 75.4%
2009年 58.0%   2012年 70.1%   2015年 67.6%
〈2015年、ファンドは冷え込み、理財商品がホットに〉
 4年連続で人々の投資先のトップはファンドが選ばれているが、2015年は冷え込
むかもしれない。
 中国の家庭でファンド投資を検討しているという回答は10%に満たず、全ての投
資品目中最下位となった。ぱっと見て大したことがないような理財商品(2013年5
位、2014年4位)が逆転し、人々の人気のトップとなっている。
▽当てにしたい投資は何か
理財商品  31.18%   金・貴金属 14.54%
国債    21.21%   不動産   14.23%
保険    19.94%   先物    10.67%
株式    17.16%   ファンド  9.76%
〈2015年、中国の若い女性の投資熱が年配女性を上回る〉
 中年、年配層では投資縮小意欲が強いのに対し、若い女性は全体の中で投資熱が
最も高く、年配女性を上回った。
▽誰が最も投資熱心なのか
若い女性 63%   中年女性 59.6%  年配女性 54%
若い男性 62.8%  中年男性 57.8%  年配男性 53.7%
(二)2015年、チャンスはどこへ行っちゃった?
〈2015年、中国の家庭の5分の1に起業意欲〉
 2014年、実質的に起業にかかわった回答者は13.6%だったが、2015年、起業する
意向のある回答者は20.5%へと激増し、5分の1を超える家庭が起業意欲を示している。
▽働き続けるべきか
2014年既に起業している 13.6%
2015年起業予定     20.5%
〈ネット通販が最も有望で、製造業が最下位〉
 どのような業界が、目下人々に有望視されているのだろうか?
 上位3業界は、ネット通販、健康医療、金融業であった。中国は製造大国である
が、製造業の前途が有望であるとの回答は2.5%で最下位であり、これは深く考える
必要がありそうだ。
▽有望な業界は何か
ネット通販 19.9%   不動産   10.6%   文化創造  2.8%
健康医療  18.9%   エネルギー 8.4%   製造業   2.5%
金融    14.0%   農業    8.5%
物流    12.3%   その他   5.1%
〈都市在住の一般男性に最も創業志向〉
 中国の創業者の主力は、我々が思っているような金持ちではなく、我々の身近に
いる庶民である。学歴が高いほど創業意欲は低くなっており、中学校や中等専門学
校卒業の回答者の創業意欲が最も高い。
 都市に居住している方が農村よりも創業意欲が高い。既婚者の方が独身より創業
意欲が高い。男性の方が女性より創業意欲が高い。特に、26―35歳の男性では33.5%
が創業意欲を示し、年収が1―6万元の家庭の創業意欲が突出している。
▽創業の主力は誰か
既婚(62.3%)、都市常住(66.40%)、男性(56%)、中卒(41.1%)、26―35歳(33.5%)
(三)時間はどこはどこへ行っちゃった?
 半数以上の中国人の1日当たりの休息時間は2時間未満である。
 仕事や睡眠を除き、休息時間が1日1時間未満の中国人はほぼ4分の1で、1―2時間
は2割以上、さらに1割近い人には休息時間はない。つまり、半数以上の中国人にと
って、休息とは一種のぜいたくである。
▽ほかの人より忙しいか
休息時間なし 8.38%    3―4時間   12.55%
1時間以下   24.54%   4―5時間   7.7%
1―2時間   22.22%   5時間以上   7.33%
2―3時間   16.73%
〈抬頭族は低頭族よりも収入が高い!〉
 携帯電話、スマホ等の電子製品の普及に伴い、60%の人がネットで遊び始め、
「低頭族」となっている。一方、40%の人はオフラインでの娯楽もあり、「抬頭
族」を堅持している。
 抬頭族は低頭族よりも平均4000元多く稼いでおり、低頭族よりも健康管理、教育
訓練に15%多くお金をかけている。低頭族は抬頭族より10%多く旅行や家電にかけて
いる。
〈出勤時間が最も長いのは長春〉
 勤め人のうち10人に1人は片道通勤時間が2時間を超え、往復に4時間以上かかっ
ている。
 中国の現在の都市就業人口は4億人であるから、これをもとに推計すると、約3000
万人以上は、勤務先にいなければ、勤務先との往復の途上にいることになる。
 出勤時間が最も長い上位10都市のうち、省都及び直轄市が4都市で、残りの6都市
は地レベル市である。その分布は非常に広範で、東北から西南部まで人口が密集し
ている主要な地域を網羅している。しかし、北京、上海、広州、深センは上位10都
市に入っていない。
▽通勤時間はどこが長いのか
長春市(吉林) 73.2   武漢市(湖北) 68.6
衢州市(浙江) 72.3   営口市(遼寧) 68.2
重慶市     69.5   亳州市(安徽) 68.0
周口市(河南) 69.4   〓州市(福建) 67.6
昭通市(雲南) 69.3   貴陽市(貴州) 67.4
(四)幸福はどこへ行っちゃった?
〈中国家庭の4割は幸福〉
 2015年、全国の40%の回答者の家庭では幸福を感じている。そのうち、とても幸
福は10.6%、やや幸福が29.4%であった。
〈幸福都市上位10都市〉
 大調査が行われた104都市、300県のサンプルのうち、住民が幸福を感じている5
省都と5地レベル市は以下のとおり。
 安徽省合肥市、山西省太原市、海南省海口市、湖南省長沙市、河北省石家荘市、
山東省泰安市、遼寧省遼陽市、江蘇省連雲港市、河北省衡水市、安徽省黄山市。
〈環境改善は何を優先するか?ずばり大気汚染〉
 環境について、最も改善を望むものは何だろうか?
 我々が提示した6つの選択肢のうち、全国10万家庭で比較的意見が集中したのは、
大気汚染、都市緑化、水道水の水質である。
▽何が人々を悩ます環境問題か
河川・湖沼の水質汚濁 6.63%    都市緑化      17.52%
大気汚染       35.20%   水道水の水質    17.28%
ごみ処理       14.94%   騒音        7.39%
 「中国経済生活大調査」は中央電視台財経チャンネル、国家統計局、中国郵政集
団公司共同による年次調査ブランドで、毎年10万通のはがきアンケートを発送し、
全国31省市区、104都市、300県をカバーし、毎年10万戸の中国の家庭の生活感覚、
経済状況、消費投資予測、生活での困難、幸福感等を調査した。今回の調査アンケ
ート回収率は86.6%であった。
 2006年から開始されてから今日まで、「中国経済生活大調査」は既に9回を数え、
第11次五カ年計画、第12次5カ年計画時期の人々の生活の軌跡を完全に記録してい
る。これは国内一の大規模な国民幸福感調査であり、住民収入信頼感指数等オリジ
ナルビッグデータである。
 「中国経済生活大調査」の影響力はビッグデータ時代の到来とともに上昇してお
り、大調査データ報告は既にアジア最大の図書館である国家図書館に所蔵され、調
査データ結果は公開され、世界的影響力のある調査活動の一つとなっている。
注)〓は、さんずいに「章」
〔中央電視台2015年3月2日〕
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