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2014年全国農民工監測調査報告

2014年全国農民工監測調査報告 上

一、農民工の規模
(一)農民工総数は持続的に増加
 国家統計局のサンプリング調査結果によると、2014年、全国農民工総数は2億7395
万人[2億6894万人]で、前年比501万人増[633万人増]、1.9%増[2.4%増]であった。
そのうち、外出農民工は1億6821万人[1億6610万人]で、211万人増[274万人増]、
1.3%増[1.7%増]であった。地元農民工は1億574万人[1億284万人]で、290万人増
[359万人]、2.8%増[3.6%増]であった。
表1 農民工規模(単位:万人)
 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
農民工総数 24223 25278 26261 26894 27395
1.外出農民工 15335 15863 16336 16610 16821
(1)家族一部外出農民工 12264 12584 12961 13085 13243
(2)一家全員外出農民工 3071 3279 3375 3525 3578
2.地元農民工 8888 9415 9925 10284 10574
(二)農民工総数の増加の伸びは引き続き減少
 2010年以降の農民工総数の伸びは持続的に減少している(図1参照)。2011年、
2012年、2013年、2014年の農民工総数の増加の伸びはそれぞれ前年比で1.0%減、
0.5%減、1.5%減、0.5%減であった。2011年、2012年、2013年、2014年の外出農民工
数の伸びはそれぞれ前年比で2.1%減、0.4%減、1.3%減、0.4%減であった。ここ3年
の地元農民工数の増加の伸びは年々減少しているが、外出農民工よりも高くなって
いる。
図1 農民工総数増加の伸び(単位:%)
 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
農民工総数 5.4 4.4 3.9 2.4 1.9
外出農民工 5.5 1.4 3.0 1.7 1.3
地元農民工 5.2 5.9 5.4 3.6 2.8
(三)西部地域の農民工数増加の伸びは他地域よりも高い
 農民工輸出地別では、東部地域の農民工は1億664万人で、前年比210万人増、2.0%
増で、東部地域の農民工は農民工全体の38.9%を占めた。中部地域の農民工は9446
万人で、前年比111万人増、1.2%増で、中部地域の農民工は農民工全体の34.5%を占
めた。西部地域の農民工は7285万人で、前年比180万人増、2.5%増で、西部地域の
農民工は農民工全体の26.6%を占めた。西部地域の農民工の増加の伸びは東部、中
部地域よりもそれぞれ0.5%、1.3%上回った。
二、農民工の基本的な特徴
(一)6割以上が男性農民工
 全農民工中、男性は67.0%、女性は33.0%であった。そのうち、外出農民工では、
男性は69.0%、女性は31.0%であった。地元農民工では、男性は65.1%、女性は34.9%
であった。
(二)若年農民工の割合は年々減少
 年齢別では、農民工は青壮年が主体で、16―20歳は3.5%、21―30歳は30.2%、31
―40歳は22.8%、41―50歳は26.4%、50歳以上の農民工は17.1%を占めた。調査資料
によると、40歳以下の農民工の割合が引き続き減少してきており、2010年の65.9%
から、2014年には56.5%に、農民工の平均年齢も35.5歳から38.3歳に上昇した。
表2 農民工年齢構成(単位:%)
 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
16―20歳 6.5 6.3 4.9 4.7 3.5
21―30歳 35.9 32.7 31.9 30.8 30.2
31―40歳 23.5 22.7 22.5 22.9 22.8
41―50歳 21.2 24.0 25.6 26.4 26.4
50歳以上 12.9 14.3 15.1 15.2 17.1
(三)高卒以上の割合が増加
 高卒以上の農民工は23.8%で、前年比1%増であった。そのうち、外出農民工の高
卒以上は26%で、前年比1.6%増、地元農民工の高卒以上は21.4%で、前年比0.3%増で
あった。
表3 農民工学歴構成(単位:%)
 農民工合計 外出農民工 地元農民工
 2013年 2014年 2013年 2014年 2013年 2014年
未就学 1.2 1.1 0.9 0.9 1.6 1.6
小学 15.4 14.8 11.9 11.5 18.9 18.1
中学 60.6 60.3 62.8 61.6 58.4 58.9
高校 16.1 16.5 16.2 16.7 16.0 16.2
高等専門学校及びそれ以上 6.7 7.3 8.2 9.3 5.1 5.2
(四)技能研修の受講経験割合が向上
 技能研修の受講経験がある農民工は34.8%で、前年比2.1%増であった。そのうち、
農業以外の職業技能研修の受講経験は32%で、前年比1.1%増、農業技能研修の受講
経験は9.5%で、前年比0.2%増、農業及び農業以外の職業技能研修参加経験は6.8%で、
前年比0.4%増であった。性別別では、男性農民工の農業及び農業以外の職業技能研
修の受講経験は36.4%、女性は31.4%であった。年齢別では、各年齢の農民工とも研
修受講割合は向上している。
表4 技能研修受講経験のある農民工の割合(単位:%)
 農業技能研修 農業以外の職業技能研修 技能研修
 2013年 2014年 2013年 2014年 2013年 2014年
合計 9.3 9.5 29.9 32.0 32.7 34.8
20歳以下 5.0 6.0 29.9 31.4 31.0 32.6
21―30歳 5.5 6.0 34.6 37.0 35.9 38.3
31―40歳 9.1 8.8 31.8 34.0 34.1 36.1
41―50歳 12.7 12.6 27.8 29.9 32.1 33.7
50歳以上 12.4 12.7 21.2 24.0 25.9 28.8
三、農民工の流動分布
(一)西部地域の受け入れ能力は引き続き増大
 全農民工のうち、東部地域で働く農民工は1万6425万人で、前年比251万人増、
1.6%増、中部地域で働く農民工は5793万人で、前年比93万人増、1.6%増、西部地域
で働く農民工は5105万人で、前年比154万人増、3.1%増であった。西部地域で働く
農民工の増加の伸びは高いが、主に近接地域からの移転が加速していることによる。
西部地域の地元農民工は前年比4.1%増であった。
(二)省をまたいで流動する農民工の割合が上昇
 外出農民工のうち、省をまたいで流動する農民工は7867万人[7739万人]で、前年
比129万人増、1.7%増で、外出農民工全体の46.8%[46.6%](前年比0.2%増)を占め
た。地域別では、東部地域の外出農民工の18.3%(前年比0.5%増)は省をまたいで
流動し、中部地域の外出農民工の62.8%(前年比0.3%増)は省をまたいで流動し、
西部地域の外出農民工の53.9%(前年比0.2%減)は省をまたいで流動していた。
表5 2014年外出農民工の地域分布及び構成
 外出農民工総数(万人) 構成(%)
 外出農民工 省をまたぐ流動 省内流動 外出農民工 省をまたぐ流動 省内流動
合計 16821 7867 8954 100.0 46.8 53.2
東部地域 5001 916 4085 100.0 18.3 81.7
中部地域 6467 4064 2403 100.0 62.8 37.2
西部地域 5353 2887 2466 100.0 53.9 46.1
(三)地レベル以上都市に流入する農民工の割合は引き続き上昇
 外出農民工のうち、地レベル以上都市に流入する農民工は1万885万人、64.7%
(前年比0.8%増)を占めた。そのうち、直轄市への流入は8.1%で、前年比0.4%減、
省都への流入は22.4%で、前年比0.4%増、地レベル市流入は34.2%で、前年比0.8%増
であった。省をまたいで流動する農民工の77%(前年比0.4%増)は地レベル以上の
大都市に流入し、省内で流動する農民工の53.9%(前年比1%増)は地レベル以上の
大都市に流入した。
表6 2014年外出農民工流動地域分布及び構成
 合計 直轄市 省都 省都 地級市 小都市(小城鎮) その他
外出農民工総数(万人) 16821 1359 3774 5752 5864 72
内訳:省をまたぐ流動 7867 1107 1783 3163 1742 72
   省内、郷外流動 8954 252 1991 2589 4122 0
外出農民工構成(%) 100.0 8.1 22.4 34.2 34.9 0.4
内訳:省をまたぐ流動 100.0 14.1 22.7 40.2 22.1 0.9
   省内、郷外流動 100.0 2.8 22.2 28.9 46.1 0.0
注釈:
1.農民工監測調査概要
 中国の全国農民工規模、流れ、分布、就業、収支、生活、社会保障等状況を正確
に反映するため、国家統計局は2008年、農民監測調査制度を創設し、農民工輸出地
でモニタリング調査を展開している。調査範囲は、全国31省区市の農村地域、1527
調査県区の8930村、23.5万人の農村労働力を抽出し、調査サンプルとしている。イ
ンタビュー調査で、四半期ごとに調査を行った。
2.主要指標解説
農民工:戸籍が農村にあり、地元で非農業に従事しているか、外出就業が6カ月以
上の労働者。
地元農民工:戸籍がある郷鎮地域内で就業している農民工。
外出農民工:戸籍がある郷鎮地域外で就業している農民工。
一家全員出稼ぎ:農村労働力及び家族がもともとの居住地から離れ、郷鎮地域外の
地域に居住すること。
東部地域:北京、天津、河北、遼寧、上海、江蘇、浙江、福建、山東、広東、海南
の11省市。
中部地域:山西、吉林、黒龍江、安徽、江西、河南、湖北、湖南の8省。
西部地域:内モンゴル、広西、重慶、四川、貴州、雲南、チベット、陝西、甘粛、
青海、寧夏、新疆の12省区市。
(次号に続く)
(編集部注:[ ]は、昨年《中国最新情報》で掲載した数値。No.605(2014年5
月27日)、No.606(2014年6月10日))
〔国家統計局2015年4月29日〕
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