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給与は上昇継続中 ICT進展で働き方が変わる
中国32都市平均給与6070元 6割の雇用主は6%以上の昇給を検討
2015年冬、全国32主要都市の平均給与は6070元だった。北京が9227元でトップ、
次が上海(8664元)、深セン(7728元)で、杭州は7097元と伝統的な一線都市であ
る広州を抜いて4位だった。
2016年に入ったばかりの段階で、中国の60%の雇用主が6%以上の昇給を計画して
いることが明らかになった。さらに、これとは対照的に、日本の63%の雇用主は3%
未満、香港、シンガポール、マレーシア等の大部分の雇用主は3―6%の昇給を計画
している。
〈杭州の平均給与が広州を上回る〉
智聯招聘オンラインデータによると、2015年冬季の全国32主要都市の平均給与は
6070元だった。北京が全国主要都市月給でトップにあり9227元、上海が2位で8664
元だった。深センは7728元の平均月給で3位だったが、北京、上海の平均給与レベ
ルとの差は拡大している。
杭州は月給7097元で、伝統的な一線都市である広州を上回り4位となり、広州は
6913元で杭州の後塵を拝した。伝統的な意味での北京、上海、広州、深センのうち、
広州は他の3都市と同じ歩調で発展しているわけではないことがあらわれた。
それぞれの地域分布で見ると、一貫して発展状況が良好な北京、上海、広州、深
センの一線都市を除き、杭州、蘇州、寧波、南京等の東部沿海都市、経済成長が目
覚ましい西南部の成都、重慶の給与水準が全国上位10都市に入った。
長江デルタ、珠江デルタ都市圏内の都市の給与水準は非常に目立つ一方、ハルピ
ン、長春、瀋陽等東北都市の給与水準はランキングの最下位にあり、東北地域の経
済転換が比較的困難であることがあらわれた。
2015年冬季の給与水準ランキング上位10業界のうち、専門サービス、コンサルテ
ィング(経理、法律、人的資源)が1万634元の月給でトップ、ファンド、証券、先
物、投資業が9204元で第2位、仲介サービスが8658元だった。
2015年冬季の企業タイプ別平均給与では、民間企業が最も高く7322元、その次が
合資企業で7134元、その後が外商独資企業で6400元、国有企業が最も低かった。
全体的に見ると、民間企業の発展は徐々に大きくなっており、給与水準でも相対
的に競争力を有している。外資企業は中国での発展にくすぶっており、給与水準の
伸び幅は往年の断トツとないかなくなっている。
〈中国の6割の雇用主が6%以上の昇給を計画〉
大手人的資源会社ヘイズのアジア給与ガイドによると、中国市場の給与上昇幅は
依然としてアジアの他の4カ国・地域をリードしている。中国の44%の雇用主が6―10%、
29%は3―6%、15%は10%以上の昇給を計画している。4%が昇給しない、3%は未定とし
ている。
中国は、60%の雇用主が6%以上の昇給を計画している。アジア各国では、日本で
は、63%の雇用主が3%を超えないとしている。香港、シンガポール、マレーシアで
は、大部分の雇用主は3―6%としている。
84%のアジアの雇用主は給与、ボーナスのほか、従業員に福利厚生として健康・
医療を提供することが普遍的な福利で(78%の雇用主が提供)、次が生命保険(同42%)、
3位が通勤手当や通勤車、退職金(33%)だった。
2016年、63%の雇用主が従業員にボーナスを支給することを計画している。雇用
主にボーナスに影響する要素について聞いたところ、会社の業績が95%、個人の成
績が92%、グループの成績が37%とした。ボーナスを保障するとの回答は10%に満た
なかった。
ボーナス支給額については、従業員の給与の10%以下が33%、11―50%が44%、51―99%
が13%、100%が10%だった。
さらに、中国における管理者層に占める女性の割合は32%で、アジアではマレー
シア(37%)に次ぎ、香港(28%)、シンガポール(27%)、日本(19%)をリードした。
しかし、中国の企業はアジア諸国と比較して、最もダイバーシティーに欠け、外
国人によって担われているポストはわずか8%で、シンガポールの28%、香港の18%、
マレーシアの15%、日本の9%と比較して最も低い。
〔澎湃2016年1月20日〕
ネットバンク給与 全面的に銀行を上回る
風当たりの強いネットバンク業界だが、給与面では伝統的金融機関を上回っている。
コンサルティング企業であるエーオンヒューイットの公開したネットバンクの給
与に関する統計によれば、中間管理職の年収は、リスク管理部門で平均113万元、
生産部門で109万元、開発部門で108万元、販売部門で86万元であった。
ネットバンクは中間管理職の給与レベルが高いのみならず、給与の増加スピード
も他の業界を圧倒している。
ネットバンク業界において、新入社員の平均年収は10万元前後、2―3年の実務経
験で年収は50%上昇し、中堅職員の年収は25―35万元前後、スーパーバイザーの年
収は約45万元である。一般職員から二級部門責任者に昇格すると年収はほぼ倍近い
65万元前後となり、一級部門の次席となれば年収は100万元、一級部門の責任者と
もなればその2.5倍に当たる250万元の平均年収が得られる。
都市商業銀行をネットバンクと比較すると、ネットバンク業界の各職員の給与は
全体的に銀行を上回っており、中でも一級部門責任者の年収には大きな差がある。
伝統的金融業、例えば銀行をめぐる状況は最悪だ。
国際的人材コンサルティング企業モーガンマッキンリーが公開した「2016中国給
与ガイド」によると、世界的な景気減速と金利自由化のあおりを受け、多くの外国
銀行が業務再編を迫られている。
大多数の銀行が内部組織の再編や人員削減を初めとするコストの削減に努め、海
外部門をアウトソーシングに切りかえたり、中国において人員整理をするものもある。
モーガンマッキンリー中国の代表取締役社長であるリオ・ゴー氏によれば、中国
の管理監督部門による業界法規改訂後、銀行業の自身に対するコーポレートガバナ
ンス、リスク管理、不正管理に対する期待が高まっていることから、大手銀行の求
める人材は中間管理職とコンプライアンス専門職員に集中している。
〔インターネット金融電訊2016年1月26日〕
春節後のホワイトカラー転職意向 上位3省は北京、上海、天津
先日、智聯招聘が発表した調査研究データによると、春節期間においてユーザー
は1人当たり8.62部の履歴書を送った。転職意向が最も強い業界は不動産、建築・
建材、工事で、履歴書を送った人数全体の15.8%を占め、他の業界従事者と比較し
て転職の意向が明らかにはっきり出た。職業別では、販売、財務、監査、税務の転
職意向が最も強く、それぞれ31.4%と26.1%を占めた。
年齢別では、90後の52%は既に転職の準備を始めているが、70後は3.9%が転職の
意向を示しているだけで、安定志向がより強い。このほか、民間企業、4年制大学
卒業の学歴を持つホワイトカラーも転職意向が強く、それぞれ47%と46.9%を占めた。
給与では、転職意向が最も強いホワイトカラーの月給は2001―4000元で、36.9%
占めた。すぐその後に続くのが4001−6000元で、28.6%を占めた。3000元以下のホ
ワイトカラーは月給3000―5000元に上がることを期待しており、期待する伸び幅は
平均で167%増に達する。
このほか、都市ホワイトカラー転職意向統計結果によると、転職意向が最も強い
都市の上位3都市は北京、上海、天津だった。働きたい都市では、第一希望は今働
いている都市だが、第二希望は北京、上海、広州、深センといった一線都市に集中
した。
転職が多いシーズンにおいて、平均給与が最も高い業界上位3業界は、サービス、
コンサルティング(経理、法律、人的資源)が1万629元、ファンド、証券、先物、
投資が1万101元、信託、保証、オークション、質屋が1万64元だった。
平均給与が最も高い上位3職種では、高級管理が2万2109元、IT管理、プロジェク
トコーディネーターが1万4138元、証券、先物、投資管理、サービスが1万1361元だ
った。〔上海金融報2016年3月1日〕
ロボット化で、珠江デルタ工員の給与とスキルが向上
珠江デルタの製造業に「機械化」の波が押し寄せ、大量のロボットを導入したAI
による生産が行われている。このことにより企業が効率を上げると同時に、工員の
給与も増加し、工員自身がスキル向上にも積極的になることで着実に利益を獲得し
ている。
<給与と効率をともに向上>
若手の陸湘さんは、並んで慌ただしく仕事するロボットの前をゆっくり歩いてい
る。彼は、ロボットのセッティングをした後に、ロボットの監視を行う。流し台の
生産ラインを歩いても、鼻を刺す粉じんのにおいを感じることもなく、集まって作
業する工員の姿を見ることはない。技工1人と運搬工1人にロボット6台を加えれば、
50人分の工員の働きをすることができる。
広東櫻奥厨具有限公司の陳従漢行政副総経理は、4年前からロボットの導入を開
始し、自動化生産を実現した。工員は当時600人ほどいたが、現在で260人まで減っ
た。主力商品であるステンレス流し台の生産量は下がるどころか上昇し、品質の向
上を実現すると同時に、商品ごとのコストを5元下げることができたと話す。
効率の向上は昇給への前提条件である。4年前、陸湘さんが入社したときの月給
は2000元程度であったが、現在は6000元近くまで増加している。他の部署に配属さ
れ歩合制で働く工員は、ロボットの使用による生産効率向上のおかげで、業務時間
内に片づけられる仕事量が増えたため、給料も増加した。
広東松下環境システム有限公司の譚峰理事兼工場長は、ロボットを導入してから
3年の間、毎年工員の給与は10%増加しているが、労働生産率も年平均で15%増加し
ており、雇用コストをカバーしていると話す。
<勉強が工員の切実な希望となる>
「当時、会社がロボット導入を通達した際、私は興味を持つ一方で、ロボットを
扱える自信がなく受け入れがたい気持ちがあった」広東松下環境システム有限公司
で16年務めた鄒翠儀さんはこう話す。
自動化製造ラインの業務に対応するため、高卒の鄒翠儀さんは、仕事をしながら、
会社と順徳職業技術学院が共同で運営する「松下大学班」で勉強をした。1年前、
鄒翠儀さんは学院工商管理専攻を卒業し、大卒の資格を取った。
現在、会社でモーター部の係長に就任し、自動生産ラインの人員管理、コスト削
減と品質管理を担当し、給与は20%増加した。
「一つの技能を得ることは昇進の可能性につながる。今の時代、勉強しなければ
淘汰される」順徳区朴田電気有限公司の技工の莫燦金さんはこう話す。彼は、会社
が新しく導入したロボットの生産ラインを管理している。既に大学を卒業している
が、スキル向上へのプレッシャーを感じている。
「同じロボット操作員でも、ある人はセッティングしかできないが、ある人はセ
ッティングもできて修理もできる。こうなると、後者の方がよい給与がもらえる」
陳従漢さんはこう話す。
既に4年のロボット操作経験のある技工士である陸湘さんは、現在成人向けの高
校に在学し、今年中に本科の卒業証明書がもらえるように努力している。
「ロボットの大規模運用以来、工員の勉強意欲が非常に高い」順徳区民政・人力
資源社会保障局の招彬副局長は「区政府も相応の奨励政策を実行した」と話す。
「順徳区緊欠技能人材職業(工種)目録」内の国家資格を取れば、相応の補助を
受けることができる。例えば、NC旋盤でマネージャークラスの技師は3500元を受け
取れる。2年の間で、順徳では2.2万人ほどが1500万元の「補助金」を受け取った。
<工員は一番の資源である>
順徳区にある朴田電気有限公司のラインの壁には「科学技術は一番の生産力、工
員は一番の資源」と書かれた標語が張られていた。珠江デルタの製造業が構造転換
と高度化する中で、自動化が進む企業ほど、より工員を重視するようになった。
朴田電気の郭輝総経理は、企業が構造転換と高度化する中で、例えば管理意識の
向上や生産の流れの改革、実用的な新型アイデア等新しい発想はどこにでもある。
それぞれの分野で利益を出せるが、それぞれの分野には高いスキルを持った人材が
必要になると話す。
佛山市高明区に位置する広東溢達紡績有限公司は、伝統的な紡績工場から、全員
のイノベーションにより最先端の科学技術を持った工場へと変貌した会社である。
羅暁輝さんは溢達アパレル製品工場自動ライン織物縫製の一般工員である。2年
前に彼女が提出した設備改善意見書が採用され、技術革新後、1人で2つの機械を操
作できるようになった。
そのおかげで1時間500枚以上の製造が可能になり、製造効率は5倍アップした。
でき上がった製品の品質もとても安定しており、彼女の給与も2倍になった。
「ロボットを使用することにより効率を向上させることはできるが、完璧に人の
かわりができるわけではない」溢達公司グループ卓越工程部の毛志剛総監は「人の
スキルが向上すればより難しい仕事をこなすことができるようになる」と話す。ロ
ボットを使用していく中で、溢達の工員は創造性を駆使して設計し、小さな部品285
アイテムを生産し、183個の特許を取った。
溢達公司の馬偉萍総経理は「会社が多額の費用を使って公開大学を実施し、個々
のレベルアップを後押しすることにより、工員は既に一般工員から多技能技工員へ
と変貌を遂げた。グループ内の海外工場と比べると、国内工場の生産効率は30%高
く、高い給与をもらう中国人が溢達にいることはかえって有利になっている」と話す。
〔新華網2016年2月29日〕
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