うわさから始まる中国ニュースのでき方
1元札は流通停止せず、正常に流通している
中国人民銀行が今年から一部の省で1元硬貨投入量を着実にふやしていることに
より、「1元札が流通停止になる」といううわさが流れた。中国人民銀行造幣局は12
日、1元札と1元硬貨は長期的に流通させると明確に回答した。
中国人民銀行造幣局の関連部門責任者によると、硬貨は紙幣よりも寿命が長く、
清潔で、環境保全の面から見てもメリットがあり、機械処理する際に都合がよい。
世界各国の少額貨幣はほとんど硬貨である。
1992年から中国人民銀行は少額貨幣の硬貨への切りかえを進めている。しかし、
中国は広く、人口も多いため、違いも多く、要求もさまざまである。少額貨幣の硬
貨への切りかえの過程で、多様化する要求と群衆の習慣を十分に考慮しなければな
らず、硬貨への切りかえを強制することはできない。
1992年から、中国人民銀行は上海、江蘇、浙江、深セン等の地区で少額硬貨の流
通を試験的に開始した。
今のところ、辺境地区以外では1角、5角は硬貨への切りかえが実現し、1角、5角
は硬貨で供給されている。(1角、5角札も正常に流通している。) 上海、江蘇、浙
江、安徽、深センではほぼ1元札の硬貨への切り替えが実現している。(1元札も正
常に流通している。)
今年から福建、江西全省と山東一部地域でも1元硬貨への切りかえを始め、1元は
硬貨で供給されている。(1元札は正常に流通している。)
中国人民銀行造幣局責任者によると、2015年の使用量から、1元札の使用量は1元
硬貨の3倍以上となっている。1元札は長期的に大量供給され、1元札と1元硬貨は共
存し、短期間で流通停止になることはないという。〔中国新聞網2016年4月13日〕
中国から台湾への旅行客が激減 茶葉卵は売れず、港はがらあき
2016年の総統選挙前後、中国大陸から台湾への旅行客が減少するという情報が台
湾の観光業者の間で流れていた。台湾観光局は中国方面から確実な情報は得ていな
いとしていたが、台湾各地の旅行業者は中国からの旅行客が大幅に減少していると
話している。
〈中国からの旅行客は3分の1減少（高雄旅行協会）〉
高雄市旅行商業同業協会の呉盈良理事長は、3月22日インタビューを受けた際、
率直に、旅行業界は最近中国からの旅行客減少の雰囲気を感じているとし、既に約
3分の1が減少しており、4月にはさらに状況が悪化するおそれがあると答えた。
昨年の中国の訪台旅行客は延べ423万人であり、訪台旅行客の4割余りを占めてい
た。東南アジア、東北アジアからの旅行客を誘致しようとしているものの、失った
中国からの旅行客数を補うことは全くできない。
3月22日、呉盈良理事長は、高雄市旅行商業同業協会等の理事、業界関係者を率
いて高雄市政府を訪問し、高雄市の陳菊市長に対し、政府がこの状況に対する注意
喚起を行うよう要望した。
観光スポットの商店は中国人旅行客の減少による最も直接的な影響を受けている。
今年73歳の黄伍来春さんは、中国人旅行客によく知られる高雄の観光スポットで
ある西子湾中山大学、イギリス領事館文化園区で茶葉卵、イカ団子、緑豆ジュース
を販売している。
彼女の話によると、中国人旅行客は既に半減しており、朝から煮た茶葉卵（茶で
ゆでた卵）は全く動かされないまま鍋の中に残っている。一般庶民は、政治は政治
として、双方が互いにののしり合うことをやめるよう希望しており、このような状
況は庶民を嘆かせるだけであると語る。
〈「現状維持」はうそ（日月潭遊覧船業者）〉
日月潭は中国人旅行客が必ず訪れる場所である。日月潭遊覧船組合の黄勝輝常務
理事によると、日月潭遊覧船業者は20社余りで、合計で120隻の船を運営している。
一般的な運営モデルは、団体客による貸し切りと、個人客による定期船利用の2種
類となっている。うち、団体による貸し切りは中国人旅行客が8割以上を占めている。
日月潭では既に中国人旅行客減少の状況があらわれ、遊覧船業者は値引き合戦を
開始している。今後の1年において、うわさのような中国人旅行客減少傾向の波が
来るのではないかと業者たちは非常に心配している。
黄勝輝常務理事によると、中国人旅行客の減少は政治的要素の影響を受けたもの
であり、かつ、その決定権は先方にあり、台湾側がコントロールできるものではない。
台湾の政治家が選挙の際に言っていた「中国人旅行客の台湾旅行には変化は生じ
ない」、「現状維持」は庶民をだますためのものでしかなく、実際にそうできるか
どうかについては旅行業者が最もよく理解している。
また、黄勝輝常務理事は、蔡英文次期総統が5月20日の就任演説において中国へ
善意を示せば、台湾経済がよくなり、民衆もやっと生活の糧を得られるようになる、
当局のハイレベルが業者の生計をおもんぱかることこそが最も実際の状況に即すも
のとなるとしている。
〈中国人旅行客が来なくなり台中の美人魚埠頭はがらがらに〉
中国人旅行客の観光スポットとして台中市が立ち上げに注力をした台中港梧栖観
光漁港「美人魚埠頭」の新設工事は完了したものの、中国人旅行客の激減により業
績は2割ほど減り、商売が非常に難しくなったと関係者はこぼしている。
台中港は中台両岸の客船直行便の最大港であり、中国西岸の重要港からの距離が
近く、湾内が広くなっていることが最も有利な点となっている。昨年1年間の海外
からの旅行客は計6万3875人であり、うち、中国人旅行客がその大部分を占めていた。
しかし、昨年末に中国人旅行客の台湾旅行熱の低下が言われて以来、今年1、2月
の海外からの旅行客は4650人にすぎず、同期比6割にまで減っている。特に1月の旅
行客数は689人で、中台両岸の客船直行便の前途を憂慮させるものとなっている。
中台禅寺も中国人旅行客の台中における遊覧スポットとして初めに選ばれる地で
あるが、中台禅寺の見允法師によると、寺を訪れる参拝客は毎日平均1万人だった
ところ、ここ2カ月の車両数の流れから1.5から2割減となり、毎日8000人余りにし
かなっていない。
高価な視察団においても同様の減少傾向が見られ、特に中国の省長レベルの視察
団に至っては2016年の選挙以来受け入れがなくなっている。
中台禅寺への団体旅行客ガイドの蘇さんによると、中国人旅行団は本当に減って
おり、以前は駐車場が観光バスでいっぱいだったが、現在はいっぱいになることが
ないとのことである。
〔央視網2016年3月24日〕
地下水汚染対策5年 いまだ8割が飲用不可
中国水利部は2016年1月の「地下水動態月報」において、2015年に全国2103カ所
で実施された井戸の水質調査結果を公開し、水質5標準のうち4類が全体の32.9%、5
類が47.3%に及ぶことを明らかにした。
中国の水質標準は、飲用が可能とされる1―3類、工業用水及び人体に直接接触し
ない娯楽用水である4類、農業用水及び景観用水である5類の5つに分類されている。
よって、上記の調査結果は中国の地下水の8割以上が深刻に汚染されていることを
意味している。
汚染状況が最も深刻なのは寧夏回族自治区で、地下水は100%飲用不可だった。内
モンゴル、遼寧、黒龍江、河南、湖北各省においても飲用可能とされるものは1割
にも満たない。
地下水汚染が世間の注目を集めたのは今回が初めてではない。既に2011年には、
中国の都市、農村部の地下水の半数以上が汚染されている事実に注目が集まり、環
境保護部は「全国地下水汚染防治計画（2011―2020）」を制定し、汚染対策を強化
した。
しかし、国土資源部の声明によると、この5年で状況は悪化の一途をたどってお
り、2014年から2015年の1年間で地下水汚染は61.5%から80.2%にまで拡大した。
水利部水資源局は「全国4748都市の飲用水の86%は飲用水としての水質基準に達
しており、同報の数値は浅層地下水を対象としたもので、飲用水を深層地下水から
引く都市に大きな影響はない」としている。
しかし、衛生部が農村の飲用水を対象に行った調査によると、農村では生活用水
の75%を地下水で賄っており、地下水汚染によって中国6億農村人口の水の安全は危
機に瀕している。
水利部の統計によれば、中国農村部では1.9億人の飲用水に基準値を超える有害
物質が含まれている。6300万人の飲用水には基準値を超える弗素が、また約200万
人の飲用水には基準値を超える砒素が含まれており、約3800万人は塩水を飲用して
いる。飲用に適さないこれらの地下水を長期間摂取することは、人体の骨格や皮膚、
内臓に深刻なダメージを与える。また、住血吸虫症の流行地域では1100万人が水質
の汚染問題に直面している。
水質汚染は地下水資源問題の氷山の一角にすぎず、水源不足による地下水の過剰
採取問題も日増しに深刻化している。過剰採取による地下水位の急速な減少は河川
の枯渇や地盤沈下等多くの問題をもたらし、北京、上海、天津を初めとする中大規
模都市では、既に地下水の過剰採取による地盤沈下が発生している。
▽2015年各省区地下水水質評価
5類 4類
寧夏 66.7 33.3 山西 48.4 34.2
内蒙古 63.8 31.9 吉林 48.2 33.5
遼寧 68.3 24.6 山東 49.8 27.1
河南 44.6 47.7 甘粛 51.7 22.4
河北 63.6 27.3 江蘇 27.5 40
黒龍江 61.9 28.9 陝西 36.2 30.3
天津 55.6 30.2 新疆 33.3 22.2
河北 49.3 36.5 北京 23.4 23.4
安徽 18.3 66.2 青海 20 6.7
▽2011―2015年全国地下水水質不合格状況
不合格率 うち5類 うち4類
2011年 55.1% 40.3% 14.8%
2012年 57.4% 40.6% 16.8%
2013年 59.6% 43.9% 15.7%
2014年 61.5% 45.4% 16.1%
2015年 80.2% 32.9% 47.3%
▽農村地域における地下水の主要問題点
弗素 6300万
塩水 3800万
寄生虫 1100万
砒素 200万
〔網易2016年4月14日〕
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