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2015年全国農民工監測調査報告

2015年全国農民工監測調査報告(上)

一、農民工の規模
(一)農民工総数は増加、伸び率は引き続き減少
 国家統計局のサンプリング調査結果によると、2015年、全国農民工総数は2億7747
万人[2億7395万人]で、前年比352万人増[501万人増]、1.3%増[1.9%増]だった。2011
年以降の農民工総数の伸びは持続的に減少している。2012年、2013年、2014年、2015
年の農民工総数の増加の伸びはそれぞれ前年比0.5%減、1.5%減、0.5%減、0.6%減だ
った。
▽農民工総数及び伸び率
 農民工総数(万人) 伸び率(%)
2011年 25278 4.4
2012年 26261 3.9
2013年 26894 2.4
2014年 27395 1.9
2015年 27747 1.3
(二)地元農民工の増加の伸びが速く、シェア向上
 農民工の構成では、地元農民工は1億863万人[1億574万人]で、前年比289万人増
[290万人増]、2.7%増[2.8%増]だった。外出農民工は1億6884万人[1億6821万人]で、
前年比63万人増[211万人増]、0.4%増[1.3%増]だった。地元農民工が農民工全体に
占める割合は39.2%で、前年比0.6%増だった。
表1 農民工総数及び伸び率(単位:万人、%)
 2015年 2014年 増減 伸び率
農民工総数 27747 27395 352 1.3
内訳
外出農民工 16884 16821 63 0.4
地元農民工 10863 10574 289 2.7
(三)中部地域の農民工数増加の伸びは他地域よりも高い
 農民工供給元別では、中部地域の農民工は9609万人[9446万人]で、前年比163万
人増[111万人増]、1.7%増[1.2%増]で、農民工全体の34.6%[34.5%]を占めた。東部
地域の農民工は1億760万人[1億664万人]で、前年比96万人増[210万人増]、0.9%増
[2.0%]で、農民工全体の38.8%[38.9%]を占めた。西部地域の農民工は7378万人[7285
万人]で、前年比93万人増[180万人増]、1.3%増[2.5%増]で、農民工全体の26.6%[26.6%]
を占めた。中部地域の農民工の増加の伸びは東部、西部地域よりもそれぞれ0.8%、
0.4%上回った。
二、農民工の基本的な特徴
(一)女性農民工の割合が高いところも
 全農民工中、男性は66.4%[67.0%]、女性は33.6%[33.0%]だった。そのうち、外出
農民工では、男性は68.8%[69.0%]、女性は31.2%[31.0%]だった。地元農民工では、
男性は64.1%[65.1%]、女性は 35.9%[34.9%]だった。農民工のうち女性の割合が前
年比0.6%増となった主な要因は、地元農民工が農民工総数に占める割合が高く、ま
た地元農民工の女性割合が高いためである。
(二)青壮年農民工の割合は年々減少
 農民工は依然として青壮年が主体であるが、その割合は引き続き減少し、農民工
の平均年齢の上昇が続いている。平均年齢で見ると、農民工の平均年齢は38.6歳[38.3歳]
で、前年比0.3歳増だった。年齢構造では、40歳以下の農民工は55.2%で、前年比1.3%減
だった。50歳以上の農民工は17.9%で、前年比0.8%増だった。
表2 農民工年齢構成(単位:%)
 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
16―20歳 6.3 4.9 4.7 3.5 3.7
21―30歳 32.7 31.9 30.8 30.2 29.2
31―40歳 22.7 22.5 22.9 22.8 22.3
41―50歳 24.0 25.6 26.4 26.4 26.9
50歳以上 14.3 15.1 15.2 17.1 17.9
(三)農民工の教育レベルは引き続き上昇
 農民工のうち、未就学は1.1%、小学卒以上は14%、中学卒以上は59.7%、高校卒程
度は16.9%、高等専門学校及びそれ以上は8.3%だった。高校卒程度の教育水準の農
民工が占める割合は前年比1.4%増だった。外出農民工のうち高卒以上の教育水準は
27.9%で、前年比1.9%増だった。地元農民工のうち高卒以上の教育水準は22.6%で、
前年比1.2%増だった。
表3 農民工教育水準構成(単位:%)
 農民工合計 外出農民工 地元農民工
 2014年 2015年 2014年 2015年 2014年 2015年
未就学 1.1 1.1 0.9 0.8 1.6 1.4
小学 14.8 14.0 11.5 10.9 18.1 17.1
中学 60.3 59.7 61.6 60.5 58.9 58.9
高校 16.5 16.9 16.7 17.2 16.2 16.6
高等専門学校及びそれ以上 7.3 8.3 9.3 10.7 5.2 6.0
三、農民工の流動分布
(一)中部地域で働く農民工の割合が上昇
 供給地から見ると、中部地域で働く農民工は5977万人[5793万人]で、前年比184
万人増[93万人増]、3.2%増[1.6%増]で、農民工全体の21.5%を占め、前年比0.4%増
だった。東部地域で働く農民工は1億6489万人[1億6425万人]で、前年比64万人増
[251万人増]、0.4%増[1.6%増]で、農民工全体の59.4%、前年比0.5%増だった。西部
地域で働く農民工は5209万人[5105万人]で、前年比104万人増[154万人増]、前年比
2%増[3.1%増]で、農民工全体の18.8%、前年比0.1%増だった。
(二)省都またいで流動する農民工の割合が前年比減
 外出農民工のうち、省をまたいで流動する農民工は7745万人[7867万人]で、前年
比122万人減[129万人増]、1.5%減[1.7%増]で、外出農民工全体の45.9%[46.8%]を占
め、前年比0.9%減[0.2%増]だった。地域別では、東部地域の外出農民工の17.3%[18.3%]
(前年比1%減[0.5%増])が省をまたいで流動し、中部地域の外出農民工の61.1%[62.8%]
(前年比1.7%減[0.3%増])は省をまたいで流動し、西部地域の外出農民工の53.5%[53.9%]
(前年比0.4%減[0.2%減])は省をまたいで流動していた。
表4 :2015年外出農民工の地域分布及び構成
 供給元 外出農民工総数(万人) 比率(%)
 外出農民工 省をまたぐ流動 省内流動 外出農民工 省をまたぐ流動 省内流動
合計 16884 7745 9139 100.0 45.9 54.1
東部地域 4944 858 4086 ―― 17.3 82.7
中部地域 6592 4024 2568 ―― 61.1 38.9
西部地域 5348 2863 2485 ―― 53.5 46.5
(三)地レベル以上都市に流入する農民工の割合は引き続き上昇
 外出農民工のうち、地レベル以上都市に流入する農民工は1億1190万人[1億885万
人]で、外出農民工総数の66.3%を占め、前年比2%増だった。そのうち、直轄市への
流入は8.6%[8.1%]で、前年比0.5%増[0.4%減]、省都への流入は22.6%[22.4%]で、前
年比0.2%増[0.4%増]、地レベル市流入は35.1%[34.2%]で、前年比0.9%増[0.8%増]だ
った。省をまたいで流動する農民工の80%[77%](前年比3%増[0.4%増])は地レベル
以上の大中都市に流入し、省内で流動する農民工の54.6%[53.9%](前年比0.7%増
[1%増])は地レベル以上の大中都市に流入した。
表5 :2115年外出農民工の地域分布及び構成
 合計 直轄市 省都 地級市 小都市 その他
外出農民工総数(万人) 16884 1460 3811 5919 5621 73
内訳:省をまたぐ流動 7745 1188 1752 3258 1473 73
   省内流動 9139 272 2059 2660 4148 0
外出農民工構成(%)  8.6 22.6 35.1 33.3 0.4
内訳:省をまたぐ流動 15.3 22.6 42.1 19.0 0.9
   省内流動 3.0 22.5 29.1 45.4 0.0
注釈:
1.農民工監測調査概要
 中国の全国農民工規模、流動、分布等状況を正確に反映するため、国家統計局は
2008年、農民監測調査制度を創設し、農民工供給元でモニタリング調査を展開して
いる。調査範囲は、全国31省区市の農村地域、1527調査県区の8906村、23.6万人の
農村労働力を抽出し、調査サンプルとしている。インタビュー調査で、四半期ごと
に調査を行う。
2.主要指標解説
農民工:戸籍が農村にあり、地元で非農業に従事しているか、外出就業が6カ月以
上の労働者。
地元農民工:戸籍がある郷鎮地域内で就業している農民工。
外出農民工:戸籍がある郷鎮地域外で就業している農民工。
東部地域:北京、天津、河北、遼寧、上海、江蘇、浙江、福建、山東、広東、海南
の11省市。
中部地域:山西、吉林、黒龍江、安徽、江西、河南、湖北、湖南の8省。
西部地域:内モンゴル、広西、重慶、四川、貴州、雲南、チベット、陝西、甘粛、
青海、寧夏、新疆の12省区市。
3.説明
 本報告は、国家統計局が農民工の供給元(農村地域)で展開した農民工のモニタ
リング調査である。この調査は、農村世帯を調査対象にし、農村世帯の家主や状況
を知る家族が得た農民工に関連する状況のインタビューを通じて、農民工の総数及
び流動分布を正しく反映できている。
 ただし、外出農民工本人の仕事や生活の各種状況の反映については、一定程度の
誤差が存在する可能性がある。農民工市民化の現状を正確の反映するため、2015年、
国家統計局は都市地域において農民工市民化プロセス動態モニタリング調査を展開
している。この調査は、農民工を調査対象として、農民工の市民化を中心的な内容
とし、直接農民工に関連する状況を調査している。農民工の社会保険加入状況も、
農民工市民化プロセス動態モニタリング調査結果と一緒に発表される。
(次号に続く)
(編集部注:[ ]は、昨年《中国最新情報》で掲載した数値。No.629(2015年6
月9日)、No.630(2015年6月23日))
〔国家統計局2016年4月28日〕
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