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高騰する中国不動産市場の階層別対応

北京の家賃負担は世界一

 イギリスの非営利組織グローバル都市企業連合が全世界15都市に対して行った調
査で、北京の家賃負担は世界一となり、その平均家賃は平均給与の1.2倍以上に上
った。この報告では、北京の家賃の包括的な増長を憂慮している。
 一方、別の調査では、北京は既にニューヨークを超え、世界的な億万長者の都市
となっている。
 2016年3月現在、北京の今年の家賃は既に18%アップしている。不動産価格の高騰
に加え、非北京戸籍が部屋を買う場合、北京での5年連続の納税が必要となるため、
部屋の賃貸は北京で暮らす多くの若者及び外地からの労働者の唯一の選択肢となっ
ている。
 中金公司(CICC)シニアエコノミストの梁紅氏によると、「都市計画の角度から
見て、北京は中国で最も効率性のない都市である。その問題は土地の供給にあらわ
れており、ゴールデン地帯の大部分の土地は中央政府機構、例えば部隊及び国有企
業により占められてしまっている」
 この調査によると、北京の家賃は第2位のアブダビの約2倍となっている。
 高い家賃と都市発展の不均衡は、そこで働く労働者たちの通勤時間を延長させて
いる。看護師、小学校教師、バス運転手の家賃は彼らの収入の1.1倍から1.5倍とな
っている。
 北京の通勤時間の長さは全世界第2位で、平均往復時間は104分である。第1位は
メキシコで、その平均時間は113分である。
 グローバル都市企業連合のライスリー・サビレCEOは「富のある労働者は常に大
都市に住むことができるが、危険なのは、多くの業界において、仕事についたばか
りの優秀な労働者が家賃が高過ぎて払えないことに気づくことだ」としている。
 農村人口が都市に移動し、特に北京北部の近隣の省が石炭・鉄鋼等の伝統的産業
を失ったことは北京の賃貸市場に大きなストレスをもたらした。過去20年で北京都
市区の人口は2倍となった。
 4月20日に公布された2015年人口調査統計データでは、中国の流動人口は2010年
調査時から12%増加となった。
 当該報告は、高い家賃は消費能力を制限し、経済に損害をもたらしており、家賃
がさらに10%上がった場合、消費は35億米ドル減少する可能性があると見ている。
〔和訊網2016年4月22日〕

中国商業不動産総規模は8000億米ドルを超えアメリカに迫る

 国内資本に後押しされ、中国商業不動産に投資の新たなピークがあらわれている。
 JLL(ジョーンズ・ラング・ラサール)は、20日に北京で発表した最新の研究報
告「中国資本は力をためチャンスを待つ 投資が切り開く全く新しい時代」で、20
15年中国商業不動産投資は記録を更新し、取引の完了した資産総額は約1500億元に
なった。
 この報告では、2015年末までの中国商業不動産総規模は全世界第2位、8060億米
ドルとなり、アメリカに迫ると予測している。
 JLL北京・華北投資部の秦子凡総監は「中国商業不動産取引量の増加、規模の拡
大の背後には国内資本の大きな後押しがある」と指摘する。中国国内資本は昨年の
中国商業不動産投資の主要シェアを占め、「4分の3に達している」という。
 中国資本が国内商業不動産投資に占める割合は外資を大きく上回り、その柱は、
プライベートエクイティーファンド、民間企業、国有企業、保険会社等多くの日々
成熟しつつある中国投資者層に支えられている。中国投資は過去8年において強力
に拡張し、年間複合成長率は15.4%に達している。
 報告の総括では、中国投資には次の5大傾向があらわれているとしている。
1) 国有企業が投資市場における重要な売り手となる
2) 中国保険会社が国内外投資市場の最大の買い手の一つとなる可能性がある
3) 中国プライベートエクイティーファンドはその投資ルートを拡大する
4) 資産証券化は次の投資ピークをもたらす一助となる
5) 金融イノベーションは主流投資ルートを補完する
 この5大傾向は、中国投資者の商業不動産で行う投資活動が新たな高度に達する
ことを継続的に支援するものである。
 しかし、報告データによると、中国平安保険を除く、中国人寿、中国太平洋保険、
泰康人寿等が管理する資産規模に占める中国の上記保険会社の不動産投資配分比率
は0.5―1%にとどまっている。これに対し、ヨーロッパ・アメリカの大手保険会社
の不動産投資配分比率は4―8%に達している。
 秦子凡総監は、先進国と比べ、中国保険会社の不動産分野への投資は依然として
低く、将来的に大きな資金空間があるとしている。
 また、報告では、今後の商業不動産投資方面において、投資に習熟していく中国
投資者は国内外の投資チャンスをとらえることが次第にうまくなる一方、国外投資
者も間違いなく中国への投資を引き続き強めていくと予測する。
 JLLの中国投資部Anthony Couse総監は「ただし、中国投資家が依然として総投資
量の主な部分を占めているため、中国資本は疑いもなく最も重要な推進力となる」
と語る。〔中国新聞網2016年4月21日〕

不動産市場をめぐる動き 貧乏人は買いたいが、金持ちは……

 2016年に入って以来、一線、二線都市の不動産市場は引き続き数量、時間などを
限定した特売などで急騰している。統計によると、3月24日、上海では1日のうちに
1700軒以上の新築住宅が成約し、南京の3月26日の新築住宅の購入承諾数は1325軒
にまでなった。
 他方、三線、四線都市の在庫調整もずっと人々の関心の的で、瀋陽では現在、大
学生家庭を単位として、父母が積立金を住宅頭金補助として活用できるよう検討し
ている。「頭金ゼロ」の住宅が実現すれば、国の住宅積立金は農民工に希望を与え、
住宅購入需求を拡大することになる。
 しかし、見るからに激烈な国内不動産市場は、数千、数百万元の純資産を握る人
を引きつけていない。データによると、彼らは徐々に国内不動産市場での投資を取
りやめ、海外投資の比重をふやすことで人民元投資のリスク分散を考え始めている。
 「中国大衆富裕層財産白書」は2013年から毎年発表され、投資可能資産60―600
万元の大衆富裕層に対する分析を行っている。
 不動産は大衆富裕層に最も人気のある投資製品の一つだが、2015年の統計ではわ
ずか41.3%が支持するのみで、30%超は将来不動産資産の一部を取りやめる計画があ
ると表明している。
 諾亜財富が年初めに発表した「2016年高級財産白書」によると、持ち株の比率を
減らすことを計画している、投資可能資産1000万元以上の富裕層は45%に増加した。
2015年から上昇が続き、今年の狂乱的な不動産市場は、中流、上流収入の富裕層に
は歓迎されていない。
 海外不動産投資は昨年からブームとなっている。2015年中国の海外不動産投資は
300億元に達し、2014年の2倍であるが、この数値は今年さらに更新されるだろう。
 諾亜財富の統計によると、80%の富裕層は今年、みずからの海外投資をふやすと
表明している。みずからの資産を合理的に配置することで、存在し得るリスクを回
避する策としている。
 海外不動産は富裕層の重要な選択肢の一つで、そのうち37%は海外不動産を購入
することで一族の財産を自分の次の世代に受け継ごうとしている。
 しかし、中国の一般の消費者からいえば、海外投資の敷居はとても高く、一般人
が投資金額を負担できるとは限らず、不動産市場の狂乱的な「神話」に巻き込まれ
てジレンマに陥るのみだ。
▽大衆富裕層の不動産投資割合
 2013年 53.90%
 2014年 54.90%
 2015年 41.30%
▽中高所得者層の今後の不動産投資計画投資
  可処分所得 減少 増加
 1000万以上 14.60% 45.00%
 300―600万 10.80% 31.20%
 60―300万 12.50% 30.20%
▽高所得者層の海外投資増加計画の目的
 リスク分散 76.00%
 家族への承継 21.30%
 合理的な税回避 17.10%
 移民 15.60%
 老後準備 14.40%
 資産の機密強化 10.50%
 海外投資をしない 8.80%
 その他 5.50%
▽中国の海外不動産投資額
 2009年 0.6億米ドル  2013年 12.8億米ドル
 2010年 1.5億米ドル  2014年 15億米ドル
 2011年 3.2億米ドル  2015年 30億米ドル
 2012年 4.8億米ドル
〔網易2016年3月29日〕
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