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経済発展で追いつけない制度の網の目

全国各地で過剰生産能力調整の虚偽報告 奨励金をだまし取る

 全国各地で過剰生産能力調整の虚偽報告で奨励金をだまし取る事案が発生してい
る。審査の過程で、末端の労働者が巨額の恩恵を求めたり、ルールにのっとらない
現場チェックで別人の審査のサインを使ったりすることが起きている。
 新華社の9月27日の報道によると、現在、石家荘市の多くの幹部が過剰生産能力
調整の奨励金をだまし取ったとして取り締まりを受けている。
 石家荘市高邑県のある製鉄企業の担当者によると、2012年に企業は、300立方メ
ートル以下の溶鉱炉を淘汰するよう通知を受けていた。この企業は、当時使用して
いた179立方メートルの高炉は使用年限が到来していたので、手順にのっとり淘汰
の申告をする準備をするつもりだった。しかし、工業情報化局の職員のやりとりか
ら300立方メートル高炉で申告し、巨額の奨励金を得た。かくして、この企業は虚
偽の内容で2013年3月に680万元の奨励金を受け取った。
 ここ数年、全国各地では過剰生産能力調整の奨励金をだまし取る事案の取り締ま
りが行われている。
 河南省工業情報化庁産業処の姚中民元処長は過剰生産能力調整業務において業務
の職責を誠実に履行せず、賄賂を受け、関連部門は国家の過剰生産能力調整の奨励
金4000万元以上をだまし取った。
 蘭州のある企業の担当者は関連公文書を偽造し、奨励金572万元を違法に申告し
ていた。この申請を順調に通すため、この企業は甘粛省工業情報化委のある指導者
に80万元の賄賂を支払った。
 国家の関連規定に基づき、奨励金の申告は工業情報化局等の部門の審査が必要で、
かつ財政、会計検査等部門によるチェックがある。しかし、調査したところ、実際
の審査プロセスでは、幾つかの段階で効果的な審査はされていなかった。
 以前、過剰生産能力調整の審査に携わっていた専門家によると、過剰生産能力の
多くは現地政府の重要な税源であり、どのように調整を奨励したとしても、それは
地方政府の財政を動かすことになる。したがって、地方政府は積極性に欠け、奨励
政策の実行も研究や監督管理がおろそかになる。
 過剰生産能力調整は、発展改革、工業情報化、エネルギー、財政、会計検査等多
くの部門に業務が及ぶ。
 「現在、各関連部門は監督管理責任はあるが、有効な相互協力に欠け、ばらばら
である。責任をはっきりさせ、制御がきく監督管理メカニズムをつくるべきだ」河
北省冶金業界協会の宋継軍副会長は話す。
 業界関係者によると、奨励金の支給は申告、支給、使用の3段階に分かれる。目
下、3段階はどれも緻密性、規範性に欠け、特に事後チェックに欠けている。この
ような状況は必然的に資金の実際の効用に影響し、国家資源の浪費となる。
 業界関係者は、段階的な審査、段階を追ってのチェックを提案する。例えば、公
開での聴取、現場検証、メディア公開といった審査規定の厳格化で透明度を高め、
真実性や権威性を担保することや、このほか、資金使用チェックでは、県、市の2
つの行政レベルの財政をそれぞれチェックすることを規定し、資金プール、流用現
象を防止し、奨励金の有効利用を担保すべきであるとしている。
〔証券時報網2016年9月27日〕

北京・天津・河北消費者協会 60%のツアーは強制消費あり

 観光旅行は多くの人々の休日の選択肢だが、そのうち体験はいつも人々を不快に
させている。
 京津冀(北京・天津・河北)の3地域の消費者協会が共同で発表した観光消費体
験式調査結果によると、57.14%の旅行サイト、旅行会社には旅行契約が規範から外
れている問題が存在し、60%の体験ツアーには強制消費が存在した。
 今回の京津冀旅行調査は7月から3カ月に及び、有効な57ツアーのサンプルを収集
した。調査対象には旅行サイトや旅行会社、景勝地が含まれる。
 調査結果によると、旅行会社は消費者の体験ツアーでは、旅行契約が規範から外
れ、一部ガイドの責任意識の欠如、暗黙の強制消費を含む問題が存在するなど相対
的に立ちおくれてしている。中でも、旅行サイトや旅行会社の各旅行契約締結率は
57.14%、また、60%の体験ツアーは暗に強制消費を求められていた。
 旅行サイトにも多くの問題がある。情報発表では提供される交通手段、ホテルの
情報が曖昧であったり、旅行サイト、旅行代理店、現地旅行会社の連携がとれてお
らず、情報が不透明で不一致となっていたりしている。
 また、調査に関連した旅行会社の多くはサイトを通じた注文であるため、旅行会
社の説明がひどいことで、旅行サイトのネットサービス管理や一部機能が弱いとい
う問題を間接的に露呈させていた。
 今回の調査で存在する問題に対し、京津冀3地域の消費者協会は共同で、政府の
各部門が共同で管理し、市場監督をさらに強化し、旅行に従事する組織の規範、サ
ービス意識を高めることを望むと提案している。
 北京市消費者協会の楊暁軍秘書長は、昨年の北京市消費者協会による旅行紛争調
停件数は2000件に満たないが、旅行サイトの紛争が多くを占めており、主管部門は
旅行サイトの監督細則をさらに定めるべきであるし、旅行サイト自身も自律性を高
め、みずからの規範遵守を強化すべきだと提案している。
 中国インターネット情報センター(CNNIC)が先日発表した第38回「中国インタ
ーネット発展状況統計報告」によると、今年6月現在、ネットを通じた航空券、ホ
テル、列車の切符、旅行商品の予約は2.64億件と前期比1.6%増だった。このほか、
中国のネットユーザーがスマホを使ってネット経由で旅行予約をした割合は33.9%
から35.4%に上昇した。
 市消費者協会の提案は以下のとおり。
 中国は2013年10月から旅行法を施行しており、旅行業の乱れを規範化するために
法整備を行ったが、旅行サイトについての管理、消費者保護等に対するはっきりし
た記述は一切ない。現在、旅行サイトは既に消費者の旅行の重要な情報ソースであ
り、取引ルートである。
 長期的には、国家の関連行政監督部門は関連法律等をさらに手直しし、旅行サイ
トの監督細則を定める。
 短期的には、各地方政府は旅行会社のネットを通じた旅行業務経営に対しパッケ
ージツアーの契約内容の届け出、明示を規定し、かつまた旅行産業の情報管理サイ
ト管理や使用に対し禁止規定を設け、旅行サイトの商品情報発表を規範化する。
〔北京商報2016年9月22日〕

人口流出の悪循環 東北振興に直面する課題

 東北の人口流出は、不景気、人口流入不足といった悪循環に陥りつつあり、一方
で人口の外部流出、特に労働年齢人口の純流出が経済発展の足かせとなっている。
 人口流動の純流出の現状に加え、長期的に低出生率がもたらした青壮年人口比率
の減少は、東北振興が直面、解決すべき難題の一つになっている。
〈純流入から純流出へ〉
 かつて、東北は重要な人口流入地で、「闖関東」という言葉は今でも多くの人々
に深く記憶されている。しかし、人口の純流入は今や歴史となってしまった。
 遼寧省社会科学院が発表した「遼寧白書 2016年遼寧経済社会形勢分析と予測」
によると、2000年の第5回人口センサス当時、東北3省の人口純流入は36万だったが、
10年後の第6回センサスでは人口純流出が200万人となった。
 中国社会科学院人口・労働経済研究所の人口学者の王広州氏が実施した推計でも、
東北地域の外来人口の吸引力は弱いことが明らかになった。
 王広州氏は外来人口浸透率を指標として用い、浸透率が1であれば、全国の人口
流動構造において、当該地域の現地人口規模に相当する人口が純流入水準にあると
した。浸透率が高いほど、当該地域の外来人口の吸引力が高い。
 この推計によると、2000年の黒龍江省の外部流出人口浸透率は0.32、吉林省は0.35、
遼寧省は0.7だった。一方、2010年ではこのデータは0.63、0.21、0.26に減少した。
 ある地域の外来人口の吸引力が減少するということは、現地人口の吸引力が減少
したということであり、これはまさに人口の外部流出を直接的にあらわしている。
 黒龍江省社会科学院社会学所の羅丹丹助理研究員は、長期の追跡調査の結果とし
て、東北3省の人口流出はここ数年加速しており、人口純流出地域となっていると
している。
 羅丹丹助理研究員は、社会が平和な時期の人口流動の主要因は経済であり、地域
経済発展のアンバランスにより、労働力は雇用機会がさらに良好で所得水準がさら
に高い地域へと流れる結果になっていると見ている。
 国家統計局「全国都市就業人員2015年平均賃金」によると、2015年の東北地域の
都市の非私営部門の就業人員の平均年収は5万1064元で、全国の6万2029元の平均水
準を下回る。都市の私営部門の就業人員の平均年収は3万2176元で、中国全国の3万
9589元の平均水準を下回り、東部、西部、中部地域の後塵を拝している。
 これほどはっきりした所得水準格差は、多くの青年や技術者に「孔雀東南飛」、
南東へ移動することを選択させている。
 黒龍江省のある人力資源・社会保障関係の幹部によると、大学生の流出に憂うつ
になるという。毎年1―5、6月の卒業時期に、ハルビン工業大学等の大学近くのホ
テルは浙江等沿海省からの人事関係者でいっぱいになる。
 具体的に各市に言及すれば、人口純流出の傾向がとてもはっきりする。チチハル
市統計局のデータによると、2014年のチチハル市の純流出数は3万7779人、2013年
は2万5381人で、流出速度が加速傾向にある。
〈東北の人口の外部流出先はまず北京〉
 東北の人口の外部流出状況は各界の注目を集めている。
 昨年11月、国家衛生計画出産委員会流動人口司の王謙司長は、目下、組織内で東
北3省の人口流動の調査研究を行っていると述べた。
 「東北はここ数年、我々が知る範囲でも人口が外部流出している。どのような人
が流出し、この種の流出が現地の経済社会の発展に一体どのような影響を与えるの
か、これが我々の今年の調査研究の内容である」
 この報告は既に完成しており、流動人口報告の一部として今年10月に発表される
予定である。
 この報告はまだ発表されていないが、黒龍江社会科学院、中国社会科学院等機関
の調査研究は東北の人口流出のルートの大まかな輪郭を描いている。
 王広州氏によると、人口流動は、所得水準、社会統合、社会距離といった3大要
素の影響を受けるという。
 この3つの要素に基づき、東北の人口の外部流出者はまず北京へ向かう。北京市
の人口集積力は持続的に増加している。2015年の北京市の従業員の平均賃金は8万
5038元で、東北3省よりはるかに高い。
 羅丹丹助理研究員の研究によると、東北の人口の外部流出先は、珠海デルタ、長
江デルタ、京津冀(北京・天津・河北)の三大都市圏である。
 外部での就業のほか、東北の人口の外部流出には新しい傾向があらわれてきてい
る。それは、南で老後を過ごすことである。
 東北地域は相対的に緯度が高く、冬季が寒冷であり、多くの高齢者、特に心筋梗
塞等に罹患する高齢者は南で老後を過ごすことを選択している。三亜(海南省)異
郷余生高齢者協会の2014年の統計によると、三亜で老後を過ごすハルピンの高齢者
は約20万人いる。広西チワン族自治区の防城港市でも、東北の高齢者が現地で不動
産を買ったり賃貸で住んでいることも少なくなく、一家移住もいる。
 中国社会科学院人口・労働経済研究所学者の鄭真真氏は、1970、80年代から、東
北の出生率は全国で最も低かったと分析している。東北の人口が直面する問題は、
若年人口の外部流出であり、出生率の低下であり、これは既に経済に多くのマイナ
スの影響を与えている。
 東北の人口に長期的に関心を持ってきた学者は、東北が直面する人口問題は、人
口の外部流出というよりも、出生率の低さが青年人口の比率の低さを招いたと見て
いる。
 仮に、現地の若年人口が出稼ぎに行き、彼らが送金したり帰省すれば、各種の方
法で郷里の内需と経済に貢献することになる。しかし、青壮年人口の減少により、
東北には四川のような出稼ぎ人口の送金や帰省、経済構造の変化による人口回帰現
象があらわれていないはずである。
〔第一財経日報2016年9月30日〕
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