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経済成長で生じた地域矛盾の解消

「鎮改市」政策スタートか 6レベルの都市体系で行政課題解決なるか

 現在、沿海の経済発達した地域の幾つかの経済総量は数百億から数千億に達し、
人口が多い鎮は往々にして「窮屈」な状況になっている。そう遠くない将来、この
状況は変わるかもしれない。
 10月11日午後、習近平中央全面改革深化指導グループ組長が主宰する第28回会議
で重要な講話が発表された。会議で審議、通過した意見、方案に「経済発達鎮の行
政管理体制改革推進深化の指導意見」がある。経済が発達した鎮の行政管理改革に
おいて、会議では「経済社会管理権限の拡大、簡素で有能な組織構造の構築模索、
実務的で高効率の人事制度、経済発達鎮の実際の財政管理モデルの適応」が強調さ
れた。
 つまり、経済が発達した「マンモス鎮」の権限拡大が間近に迫っている。「鎮を
市に改める」(以下「鎮改市」)の動きが始まったのかもしれない。専門家の多く
は本紙の取材に対し、「鎮改市」は県級市であり、あるいは既存の計画単列市方式
を参考にして「省が管轄し県が管理する」モデルをとることだとしている。
〈マンモス鎮の権限拡大が続く〉
 経済が発達した鎮の行政管理体制改革の推進深化に言及があったということは、
つまり、将来、竜港、容桂、盛澤等の沿海マンモス鎮が権限拡大の歩みを続けると
いうことである。
 目下の江蘇、浙江、広東の幾つかの特大鎮、例えば仏山の獅山、容林、温州の竜
港、蘇州の盛澤等の鎮、人口は50万以上、工業生産額は中西部地域の多くの県、地
級市のレベルすらもしのぐが、管理体制は依然として鎮級で、ここ数年で委譲でき
る行政管理権限は基本的に委譲されている。鎮級の行政管理体制の枠によって発展
の制約を受けている。
 例えば容桂街道は、末端の行政職員は深刻に不足しており、長期間「ソーシャル
ワーカー」募集という方法で公共サービスを負担してきた。相応の行政権限が欠如
し、「責任はスイカのごとく、権限はゴマのごとく」で、公共サービスは追いつか
ない。同様に、本紙記者が7月に浙江省の織里鎮の調査研究の際に得た情報では、
現地の社会管理任務はとても重いが、既存の業務能力量ではとても日常業務の管理
需要を満たしようがないという。
 南方民間智庫の副主席で、広東省体制改革研究会の彭澎副会長は、ここ数年の特
大鎮の行政管理体制改革は特大鎮に県級の管理権限を付与することであったが、そ
れでも、特大鎮には依然として物足りないという問題が存在すると分析している。
 このような状況に直面し、広東、浙江等では前後して鎮改市が提案されている。
2014年、広東省住房・都市農村建設庁が発表した関連パブリックコメントでは、珠
江デルタ地域の条件が合致する少数の「大型鎮」の鎮改市が提案されている。2010
年2月に、既に浙江省温州は5つの試行大型鎮が鎮級市になるよう努めるべきだと提
案している。
〈いかに鎮改市をするか〉
 鎮改市は小都市育成の最終目標である。しかし、一体、鎮級市にすることは、や
はり一つの県級市を独立して設置する、あるいは他の方法ということなのだろうか?
 鎮級市については支持する声はかなり多いが、反対する声も少なくない。国家行
政学院の竹立家教授は、特大鎮の鎮改市の方向は県級市であるべきだと見ている。
例えば30万、40万の人口の特大鎮であれば県級市設置基準に合致しており、県級市
に改めるべきである。
 「仮に、鎮級市、それ自身が科級部門で、行政管理、治安管理等の構成で制約を
受けるし、いずれにしても管理レベル、方式で大きな問題が存在するままである」
 中国社会科学院の都市発展環境研究センターの牛鳳瑞研究員は、鎮改市の方向は
県級市の直接昇格が当然だと見ている。
 実際に、特大鎮が県級市に直接昇格するという現象は先例がかなりある。しかし、
このようなやり方には同様に多くのハードルがある。それは、県級市となれば多く
の行政管理コストが一気に増加する一方で、このような特大鎮が所在する県がこの
大きなピースを切り離すことを望んでいないということである。
 このように考えると、多くの専門家は、今後、鎮改市は、既存の5つの計画単列
市方式を参考に、「省が管轄し県が管理する」モデルをとり、「計画単列」という
権限を与え、特大鎮の権限を県級相当とし、その管理権限、部門設置、人員配置は
県級市の配置に基づくが、管理はやはり県に属するということを提案している。
 行政レベル別では、既存の深セン、厦門、寧波、青島、大連の5つの計画単列市
は副省級都市として、経済社会の発展で省級の管理権限を持つ。このモデルに照ら
して、特大鎮は今後、計画単列にすれば副県級都市になることも可能で、多くの有
識者はこれが比較的実行可能な方向だと見ている。計画単列後にいかにして財政を
所在県に納付するかは合理的な割合を決められる。
 仮に、計画単列の副県級市ができれば、今後の中国の都市体系において6級の都
市体系となる。直轄市―副省級都市―地級市―副地級市―県級市―副県級市という
都市体系である。
 彭澎副会長は、特大鎮の鎮改市は、目下根拠が定まっておらず、経済、人口、区
画やその他の要素をもとに、最上レベルの設計を急ぎ、試行した上で、経験を総括
して推進を加速する必要があると述べている。
〔第一財経日報2016年10月13日〕

288地級市のうち、健全発展はわずか28市

 9月30日、中国社会科学院都市・環境研究所と社会科学文献出版社が共催した
「都市白書 中国都市発展報告」発表会が北京で開催された。
 白書によると、2015年、全国288地級市のうち、相対的に健全な発展を遂げてい
るのは28都市、やや健全が全国の9割以上を占めた。
 中国の都市の健全発展状況を測定するため、プロジェクトチームはまず、全国の
レベルから経済、文化、社会、環境、管理の5項目の健全性の指数の中央値を試算
し、各都市の具体的な指標との比較を行った。
 もし、ある都市の5項目指標が全国都市の中央値を上回っていたら、中以上の発
展レベルに到達し、当該都市の発展状態は相対的に健全とみなし、そうでなければ
やや健全とみなす。
 この基準に照らし、全国都市を健全、やや健全の2種類に分けた。評価結果では、
全国で28都市が相対的に健全な発展状態だった。
 その都市は、深セン、上海、仏山、蘇州、杭州、寧波、広州、長沙、紹興、東営、
無錫、廈門、鎮江、中山、温州、揚州、龍岩、岳陽、福州、浜州、湘潭、大慶、西
安、昆明、株洲、イ坊、泰安、銀川。
 一部の総合ランキング上位の都市は、環境健全指数が全国都市の中央値を下回り、
健全都市にならなかった。
 全体的には、目下、全国288地級市で健全発展状態にある都市は10分の1に満たず、
やや健全な都市は全国都市の9割以上を占めた。
 全国レベルで見ると、目下の中国の都市管理は依然として立ちおくれている。経
済指数ランキング上位50都市を例にとると、健全管理指数が中央値を下回る都市は
半分近くを占めた。
 白書では、目下の段階で、都市管理効率が高くないことや都市安全問題が中国の
都市の健全発展を制約する重要な弱点だと指摘している。
〔京華時報(北京)2016年10月1日〕

あなたが農村の女性だったら、都市化はあなたの命を救える

 2016年8月26日、甘粛省康楽県の楊改蘭は自分の4人の子供を殺した後、農薬をあ
おって自殺し、彼女の夫の李克英は葬式を済ませた後、同様に自殺した。これはあ
る農村家庭の悲劇の事件だが、レアな話ということでもない。農村事情を知る人に
言わせれば、農薬をあおって自殺することは農村では珍しいことではない。
 農村住民の自殺率は長期的には都市住民を大きく上回り、1990年代では都市住民
の自殺率の4、5倍あった。中国は当時、世界でも少数派の女性の自殺率が男性を上
回る国家であり、その主な原因は農村女性の自殺率の高どまりである。
 エコノミスト誌の報道によると、中国の自殺率は過去10年間で約半減し、中でも
最も大きく変わったのは、35歳以下の農村女性の自殺率が90%減少したことである。
 歴年の中国衛生統計年鑑によると、1999年当時、農村女性10万人当たり20.26人
が自殺という方法でみずからの命を終わらせており、自殺率は都市女性の8倍だっ
た。過去長い間、政府が自殺率の集計をしっかりやってこなかったということがな
かったとしても、自殺を選択する農民女性数はもっと多かったはずで、このほかに
大量の自殺未遂事件も起きている。
 農薬は農村で入手可能であるため、農薬の服毒自殺は農村の人の最もよくある自
殺方法で、北京心理危機研究及び介入センターが2004年に行った調査によると、当
年の案件中95%の農村の人は致死性が高い方法の自殺を選択しており、そのうち65%
が農薬または殺鼠剤で自殺していた。
 自殺の原因は家庭問題、経済困窮、病気等に多く集中している。多くの農村地域
では男尊女卑がいまだに深刻で、農村女性は家庭生活において往々にして都市女性
以上の負担を引き受けざるを得ず、家庭内暴力に遭遇することも珍しくなく、負担
を解消したり、問題を解決する方途は少なく、積もり積もって自殺という方法での
離脱を求め、自身の抗議を表現している。
 喜ばしいことに、中国の都市化水準が飛躍的に向上し、農村住民の自殺率も急減
している。
 1999年の中国の都市化率は34.78%で、出稼ぎ人口は農村人口の6.39%だった。そ
れが2014年、都市化率54.77%、出稼ぎ人口率は27.19%まで上昇した。
 大量の農村住民が都市へ移動して生活を始めたことで、経済状況がはっきりと好
転したほか、若い農村女性が両親や姑とのあつれきや複雑な家庭問題から離れ、農
薬も入手しにくくなったことで、自殺の衝動が起きたとしても、農村にいたときの
ようにはたやすくはできなくなった。
 都市化は農村の人々にチャンスと新しい生活を与えたが、その効力も限られてい
て、急速な都市化に伴って新たな社会問題が多く起きている。若い農村の男女が都
市で仕事をした後でも、大量の独居高齢者や留守児童は環境が劣悪な農村に残って
いるし、都市ではよく差別に遭遇する。都市と農村の格差拡大に伴って、いつも区
別させられている農村の人々は依然として生きるのが苦しい。
〈農村女性の自殺率は減少傾向〉
▽自殺率(10万人当たりの自殺者数)
 1999年 2003年 2007年 2011年 2014年
農村女性 20.26% 17.44% 9.64% 8.58% 7.51%
農村男性 19.31% 15.07% 10.97% 9.95% 9.65%
都市女性 3.22% 11.05% 4.30% 4.77% 4.29%
都市男性 4.72% 10.09% 5.46% 5.78% 5.71%
▽年々都市化し、大量の農村労働力が都市労働者に
 1999年 2003年 2007年 2011年 2014年
都市人口 437.48 523.76 606.33 690.79 749.16
農村人口 820.38 768.51 714.96 656.56 618.66
農村出稼ぎ労働人口 52.4 113.9 114.8 158.6 168.2
都市化率 34.78% 40.53% 45.89% 51.27% 54.77%
農村出稼ぎ労働人口の農村人口に占める割合 6.39% 14.82% 16.06% 24.16% 27.19%
▽農村でよく見られる自殺方法
農薬あるいは殺鼠剤 65%
その他致死性が高い毒物 3%
首つりまたは飛びおり 20%
その他 12%
〔網易2016年9月29日〕
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