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加速する海外投資と着実な資産の海外流出

米国が最大の投資先 中国の今年の海外不動産投資額は235億米ドル

 世界をリードする不動産サービス組織のDTZが発表した「中国対外投資市場報
告」で、今年以降、中国人投資家が海外不動産市場で累計235億米ドルを投資し、
史上最高を更新したことが明らかになった。
 2016年1―8月、中国の海外不動産投資の大口取引総額は235億米ドルに達し、既
に2015年全年の257億米ドルの投資額に近づいている。中国国内の一線都市に高品
質な購入可能な資産が不足し、主要資産の利益率が圧縮され、中国人国内投資家は
ますます海外への投資チャンスを求めるようになっている。
 米リアル・キャピタル・アナルシスのデータによると、キャッシュフローが比較
的安定しているオフィスビルが中国人投資家に最も選ばれている。8月末現在、今
年の中国の海外取引額のうちオフィスビルは51%、、ホテル投資は33%を占めた。
 今年1―8月、米国経済の回復とドルの力強い動きにより、米国は中国人不動産投
資家の最大の投資先になり、投資額は海外投資総額の57%を占めた。香港、オース
トラリア、イギリス、カナダも今年の人気投資先となった。この5市場は今年の不
動産投資先の97%を占め、前年に比べ、投資先は先進国の拠点都市に集中し、中国
人投資家の比較的保守的な投資傾向を体現するものとなった。
 DTZの予測によると、2016年全年で、中国の対外大口取引は前年比37%増、投資額
はこれまでの記録を更新する350億米ドルが見込まれる。今年の海外資本投資は成
熟した不動産市場や拠点都市に集中し、当面は、アメリカ、オーストラリア、イギ
リス等の先進国が中国海外投資の人気投資先となる。〔中国新聞網2016年10月20日〕

海外投資がとまらない なぜ外国人からの受けが悪いのか

 2016年10月18日、商務部は定例記者会見において今年1―9月にかけての中国ビジ
ネスの全体状況を報告した。
 今年1―9月において中国全国で使用された外資は計951億米ドルである一方、国
内投資者は世界160カ国・地域の6535社の海外企業に対して非金融型の直接投資を
行った。その累計投資額は1342.2億米ドルとなり、同期に吸い寄せた外資金額をは
るかに超過することとなった。
 海外投資は近年徐々に過熱状況にあり、今年はよりその勢いがとどまることがな
く、映画館チェーンからヨーロッパサッカー強豪チームまでと、中国ビジネスマン
たちはまるで世界を購入しようとするかのような勢いである。
 今年の海外投資は果たしてどこまで過熱していくのだろうか。
 商務部データによると、2016年1―9月の非金融型の対外直接投資は既に2015年の
前年の投資額を上回っており、2011年の2倍以上だという。
 英フィナンシャル・タイムズの統計によれば、過去20年間、中国の海外投資はま
ず石油と天然ガスが投資の26.2%を占めていた。その次が採鉱と金融領域で、それ
ぞれ12.9%、11.2%を占めていた。住宅を熱狂的に購入していた中国の富裕層は当然
不動産業を放ってはおかず、4.1%の投資割合は科学技術業に次いだ。
 「一帯一路」の政策実施が中国の海外投資を後押しする作用はあったものの、中
国企業の投資の重点は依然として経済の発展した最先端技術を持つ北米やヨーロッ
パにあった。経済構造の転換とグレードアップのニーズに伴い、中国企業の主要M&A
目標も資源企業からハイテク企業へと変わっていった。
 転換ニーズを除き、海外投資が急激に伸びたもう一つの原因は、潤沢な資金にある。
 経済鈍化に伴い、中央銀行は金融緩和を行い、一部企業は大量に低コストの融資
を得た。中国国内の良質の資産は少なく、また、国家政策が海外投資を支持する状
況下において、資金に困らない中国企業は海外で大量の購入が可能だった。
 このほか、人民元の持続的な貨幣価値の下落も、資本を海外に回すことでリスク
を減らすという適当な方法を企業が探すことになった理由である。
 中国の海外投資の激増は外国政府の神経に触れたばかりでなく、多くの外国民衆
にも不満を持たせることとなった。
 大多数の中国人の意識において、外資が参入し投資することはよいことで、先進
技術をもたらすだけでなく、経済にとっても最大のプラスとして考えられているが、
なぜ中国が他国に投資をすることが現地の人々から歓迎されないのだろうか。
 カナダ・アジア太平洋基金が以前行った調査によると、西欧の人々は、日本、韓
国、インド、中国の4大アジア大国による投資においては、日本を最も歓迎し、中
国の投資に最も反対するという。
 半分近くの人が、中国の投資後、本国が資源のコントロールを失うことを心配し、
42%の人が中国企業の労働水準が非常に低いと考え、40%の人が中国企業による現地
の環境破壊を心配している。このほか、企業腐敗と安全問題も西欧の人々が心配す
る重点だという。
 実際、これらの心配には筋が通っていないわけではない。上述の基準から見た際、
多くの中国企業は国内でよいパフォーマンスを行っておらず、その上、一部企業は
過去に海外現地の法律を守らず、環境破壊等の行為を働き、海外に対しよくない印
象を与えた。
 このほか、中国企業には長期にわたり透明度が足りないという問題があり、融資
と全ての権利情報が曖昧で、政府の企業経営に対する介入もとても多く、外国の管
理部門に中国投資者に対する審査への力加減を強めさせている。また、中国企業の
M&A成功後の管理方法と経営状況もたびたび不安視される。中国投資は歓迎され尊
重されるべきであるが、お金があるだけでは足りない。
〈中国の対外投資空前の人気〉
▽非金融類対外直接投資額(億米ドル)
 2011年 600.7
 2012年 772.2
 2013年 901.7
 2014年 1028.9
 2015年 1180.2
 2016年1―9月 1342.2
▽中国投資はカナダで最も歓迎されていない
  投資に賛成 投資に反対
 中国  42% 49%
 インド 59% 30%
 韓国  77% 14%
 日本  78% 13%
▽中国の投資を歓迎しない理由
 本国が資源のコントロールを失う48% 労働水準が低い42% 環境被害40%
 企業腐敗30% 安全問題29%
▽1995―2015年中国対外投資分布
 石油・ガス26.2% その他19.0% 採鉱12.9% 金融11.2% 公共事業・エネルギー7.7%
 科学技術6.8% 不動産4.1% 自動車3.7% 交通3.6% 食料・飲料2.7% 保険 2.1%
〔網易2016年10月27日〕

中国で9万人の資産が億に 60%が海外資産

 10月21日、平安証券有限責任公司(平安証券)の第1回家族資産運用サミットが
海南省三亜市で行われた。
 平安証券公益事業部の楊敬東総経理は先日のインタビューの際、国内富裕層の中
で60%が海外資産を保有しているが、海外資産は制限があったり、余り親しみがな
いため、金額的には決して高くなく、総資産の10%程度になっていると答えた。
 楊敬東総経理は、富裕層の投資の重点は「貯蓄に重点を置き、投資はほどほど、
非金融資産が多くを占め、投資の種類が偏っている」と指摘する。
 平安証券は、中国平安(保険)集団股フェン有限公司子公司の平安信託有限責任
公司の子会社であり、総合金融企業である。平安証券は今年に入ってから、家族資
産運用システムの準備を始めたばかりで、5チームが参加し、現在管理している資
産規模は120億以上になる。
 平安証券は富裕層に対しさまざまなレベルを設けており、その中で、富裕層の個
人顧客の年間1日平均の管理額は3000万元に上り、投資の専門家や企業顧客は6000
万元に上る。
 胡潤財富が報告した最新のデータによると、平安証券の目標投資資産である3000
万元以上に達する中国富裕層顧客は1.7万人以上に上り、総資産は31兆元、平均で
は18億元程度である。
 「数億、十数億の資産がある人間のみが数千万の投資が可能である」楊敬東総経
理は解釈する。
 胡潤研究院最新報告によると、2011年から現在に至るまで中国の富裕層は増加し
続けており、2016年5月には、中国で1000万の資産を持つ富裕層は134万人となり、
昨年に比べて13万人、10.7%の増加となっている。1億以上の資産を持つ富裕層は8.96
万人で、昨年に比べて1.1万人、14.1%の増加となっている。
 地域ごとで見ると、華東地区の富裕層が一番多く43%、華北地区が23%と2番目に
多い。華南が19%で3位となり、西南、華中、東北、西北の4地域を合わせて15%とな
っている。
 省ごとで見ると、2016年は広東省が北京にかわって最も富裕層が多い地域となっ
た。広東省の富裕層が24万人となり、大きく増加した。2位は北京で23.8万人、昨
年に比べ2.4万人増加した。3位は上海で20.5万人、昨年に比べ2.4万人増加した。4
位は浙江で16万人、昨年に比べて1.4万人増加した。
 注目すべき部分は、この4省の富裕層は84.3万人になり、全体の63%を占めている
ことである。
 胡潤のさらに詳しい報告によると、中国の1000万の富裕層は4種類に分類される。
企業が55%、エリート層が20%、土地ころがしが15%、トレーダーが10%となっている。
 その中で、エリート層の主な構成は大企業やグローバル企業の上層部の人間にな
っている。また、その4種類の分類の中で、企業とエリート層の人数は比較的に安
定している。
 今年から都市部の土地価格が爆発的に上昇した。土地ころがしの富裕層は昨年に
比べ5%増加した。統計によると、土地投資において彼らの持っている資産が占める
割合は89%になる。それと同時に、昨年からのA株の調整によって、富裕層の中のト
レーダーはA株の暴落とともに減少している。
 家庭状況で見ると、富裕層は核家族が中心で77%、次に3世代同居が13%、独身が1%
になっている。
 財テク方法の選択では、富裕層は依然として貯金、不動産、保険に頼っている。
 胡潤富財の報告では、これらの部分の中国富裕層顧客の投資傾向では、98%の資
産は貯金と不動産になっており、単一的である。90%の顧客は保険を買う習慣があ
り、たった20%の顧客のみPE/VC(非上場企業に投資するリスク投資)に投資している。
 しかし、ノーリスク投資の利率が下がるにつれて、富裕層の投資要求も多様化し
ている。
 「中国の家庭資産運用の概念は比較的新しい。ヨーロッパの発達した市場の家族
資産運用領域は既に100年以上の歴史がある。モルガン・スタンレー、スイス銀行、
ゴールドマンサックスは既にすばらしい家族資産運用の商品を確立している」と中
金公司資産運用部責任者の孫冬青氏は指摘する。
 地球規模で見ると、中国の個人資産運用市場は既に世界2位の市場になっている。
 ボストン・コンサルティング・グループの予測では、2020年末に、中国富裕層家
庭は2015年の207万から388万世帯にふえ、年平均13%の増加となり、金融資産は100
兆元となり、年成長率は15%になる。
〔澎湃2016年10月23日〕
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