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電子マガジン・中国最新情報
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一人っ子世代をめぐる家族関係と価値観

社会のためをもって子供の出産は1人 老後は介護場所を見つけられず

 終わったばかりの両会で介護の議題が再度社会の関心の焦点となったのは予想外
のことではない。一人っ子世代が社会の中流支柱となり、両親は徐々に高齢化し、
介護問題に直面することとなったのだ。
 これまで大事にされてきた「老後のための子育てをした」という言葉のとおり、
中国人は一般的に介護を自身の子供に託したいのだが、一人っ子家庭においては4
人の高齢者を扶養せねばならない。
 メディア報道によると、現在、中国の一人っ子人口は既に計1.45億を超過し、国
務院発行の「「第13次5カ年計画」国家高齢事業発展と介護体系建設プラン」では、
2020年までに、全国の60歳以上の高齢者人口は2.55億人前後まで増加し、そのうち
一人暮らしもしくは子供と離れ孤独な生活をする高齢家庭は1.18億人まで増加する
と推測されている。
 この厳しい数字の背景には、20年来増加を続けた中国の扶養高齢者の割合がある。
1997年、中国の扶養高齢者率は9.5%、平均して100人の労働力が9.7人の高齢者を扶
養していた。それが2015年になると、100人の労働者で扶養すべき高齢者は143人に
増加した。この数字は将来、長きにわたり上昇だけを続け、下降することはないと
見込まれる。
 年齢が上がるにつれ、人類の身体機能と自分で対応できる能力は急速に衰え、多
くの高齢者が晩年生活で介護が必要となる。
 中国保険業界協会の発行した「2016中国長期介護調査研究報告」によると、中国
の7%の家庭が長期的に高齢者を介護する必要があり、介護行為の多くはその家庭に
いる者が行っている。79.9%の家庭の主要な介護者は配偶者か子供もしくは親戚で
ある。第三者サービスの選択はわずか21.1%である。
 介護費用負担では、毎月1000元未満が31%を占め、1000元から3000元の間は28%、
3000元超はわずか18%であった。このような費用水準は決して高くはない。
 多くは高齢者本人もしくはその子供が支払っており、公共保障と商業保険等、第
三者の支払う割合はとても低い。中国保険業界協会の調査によれば、高齢者のうち
基本医療あるいは社会保険により介護費用を賄われているのはわずか21%、商業ベ
ースの介護保険を購入している割合は4%と低い。
 家族愛を頼り、高齢者の多くは家での介護を選択するが、二人っ子を提唱される
一人っ子家庭が子育てと介護を両立させるのは困難で、第三者に介護を委託するニ
ーズが上昇しているのは紛れもない事実である。
 上述により、2020年には全国の半分近い高齢者が一人暮らし、あるいは子供と離
れ孤独な生活をする状態になり、第三者介護ニーズは焦眉の急である。
 第三者による介護を希望するには支払いが必須となってくる。しかし、高齢者が
介護サービスの支払う意欲を持つために重要な要素の一つは収入レベルである。
 1カ月の可処分所得が2000元を下回る人では、41.1%は介護費用の支払いを望んで
いない。それに対し、5000元を上回る人では、40.7%が1000元から3000元の介護費
用を支払うとしている。これはまた、稼げば稼ぐほど介護への支出を望むと言える。
 しかし、中国全体が低い収入レベルに置かれ、大多数の人にはより多くの介護費
用を支払う能力はない。さらに、伝統観念が根強い中国人は、各種理由により商業
保険を購入することを望まない。
 通常であれば、サービスの質と価格は正比例である。しかし、中国の第三者介護
専門サービスの全体レベルは楽観できるものではなく、介護の仕組みや設備は整っ
ておらず、介護者の専門知識は乏しく、心のこもったケアも行われていない。介護
を必要とする高齢者に言わせれば、ニーズを満たすにはほど遠い。介護ベッドを求
めるのさえ難しく、介護サービスは置いておらず、高齢者は最終的に自宅で介護し
てもらうしかないのである。
 4人の高齢者と2人の子供。かつて家庭から一心に寵愛を受けた一人っ子たちは、
自分たちの世代がまさかここまで大変だとは夢にも思わなかったであろう。
〈1世帯4人の高齢者を中国人は介護できるのか〉
▽中国の高齢者介護比率は上昇傾向
 1999年 9.5%    2009年 11.6%
 2013年 10.7%    2015年 14.3%
〈高齢者の介護は家庭頼り 介護出費低い〉
▽介護支出状況
 3000元超 18%    1000元未満 31%
 1000―3000元 28%  家族介護 22%
▽介護費用の支弁者
 自己負担 100%       他の政府や社会の支援 8%
 子供や親族 100%      商業保険 5%
 医療や養老社会保障 21%   その他 1%
 現地政府 12%
▽所得が高ければ介護支出意向が高い
  月間可処分所得 0元 1―1000元 1001―3000元 3000元超
 2000未満 41.1% 39.7% 13.7% 5.5%
 2000―5000元 24.6% 40.6% 24.6% 10.2%
 5000元超 9.3% 38.4% 40.7% 11.6%
〈家族愛のほか、高齢者が在宅介護を選択する〉
▽商業ベースの長期介護保険を利用しない理由
 若いので、介護問題を考えるには早過ぎるから 24.2%
 健康なので、将来介護サービスは必要ないから 17.3%
 よくある介護保険は高額で購入できないから 16.2%
 将来は社会福祉や子供の介護や不動産を売却するから 14.3%
 よくある介護保険はコスパが大変低いから 9.2%
▽在宅介護サービスの満足度が低い理由
 費用が高過ぎる 28%
 ケアスタッフの専門知識が足りない 25.5%
 ケアスタッフのケアが足りない 25.3%
 ケア設備が整っていない 19.6%
 その他 1.6%
〔網易2017年3月14日〕

先進国をはるかに超える結婚率をどう考えるか?

 春節がやってくるたびに結婚をせっつかれるのは何も中国の特色というわけでは
なく、現代日本でも、結婚適齢期を過ぎた未婚の女性は売れ残りとして皮肉られる
プレッシャーに直面している。
 2年前の日本メディアの調査によると、若者が帰省して聞くのが最も嫌な話の第1
位は「いつ、結婚するのか」、第2位は「相手はいるのか」だが、相手を探すのは
大抵の場合、本人が心配すべき私的な事柄である。
 比較してみると、中国人のように、子供の結婚に干渉することに心を砕く民族は
少ない。上海人民広場のお見合いコーナーの壮観な光景は世界でも非常に珍しく、
両親が直接テレビに出て正々堂々、自信を持って子供の結婚に介入する場面は前代
未聞だ。
 メディアがいかに未婚男女の現象について書き立てようとも、事実は、英国、フ
ランス、ドイツ、日本の先進国と比べて、中国人の結婚率は驚くほど高い。
 30―34歳の中国の未婚女性は5%に満たず、同年齢の男性の結婚率もその数字が最
も高いフランスより20%近く高く、日本よりさらに30%高く、しかも25―29歳の若者
の結婚率は日本の2倍高い。
 大まかに考えてみると、一国が成熟した現代社会に入ったかどうかを判断するに
は、その国民の結婚率を見ればいい。それは、都市化プロセス、高等教育の普及率、
社会環境の多様化と個人の選択の寛容さなどの要素が結婚率に影響を及ぼすからで
ある。
 2010年の人口センサスでは、中国の都市住民の平均初婚年齢は30年前よりわずか
1歳遅いだけだった。国連統計では、英国、フランス、ドイツ、日本の人口の結婚
年齢は全体に既に30歳以降におくれており、25、6歳早々に結婚する中国人は根本
的に晩婚に入らない。
 上述の背景設定を踏まえてもう一度中国人の結婚を見ると、なぜますます遅くな
ったのかよく理解できる。人口政策以外に、大学の募集人員拡大が恐らく最大の立
役者である。
 研究によると、2000―2010年の10年間に高学歴女性人口の割合は25%増加した。
1999年後半の大規模な大学募集人員拡大活動がなければ、2010年の25―28歳の女性
の既婚率は10―17%高かったろう。
 中国婚姻市場の暗黙のマッチングルールによると、男性は下方を探し、女性は上
方を探すので、高学歴男性が相手を探す範囲は同等の学歴の女性より明らかに広い。
 人口センサスによると、25―44歳の夫婦のうち、夫の学歴が高校の家庭では、妻
の学歴がさらに低い割合は5割に近く、夫の学歴が大学院生なら、教育水準が同等
の配偶者を探すのは2割のみである。
 少なくとも統計データでは、高学歴の女性が婚姻市場で直面する状況は厳しく、
女性については、教育水準への投資は労働力市場での成功率を高めるが、婚姻市場
では失敗を招くと見る研究者さえいる。
 しかし、先に述べた高級インテリ女性の結婚難に対する心配は明らかに現実を軽
視している。中国の結婚適齢期を過ぎた未婚の男性が相手を選ぶ競争のプレッシャ
ーは女性よりはるかに大きい。
 第6回人口センサスによると、25―29歳の未婚の男女の割合は166:100で、30―39
歳の未婚の男女の割合は279:100、つまり、100人の未婚女性は279人の未婚男性に
相当する。
 そのほか、結婚をせっつく気持ちが切迫している家長たちには明確な事実が必要
である。中国人の初婚崩壊のリスクもますます高くなっており、初婚の離婚率もだ
んだん高まっている。
 北京大学が主管する中国の家庭動態の追跡調査によると、戸籍、性別、教育程度
などの影響要因を調整した後、2010年の中国人の初婚崩壊のリスク率は30年前より
6.9倍増加し、離婚夫妻の平均婚姻存続時間は1980年以前の16.8年から3.8年に下降
し、既に離婚した夫婦のうち、初婚の維持時間は平均4年を満たずに終わっている。
 その大部分は社会と経済的地位の向上が中国の女性により自主的な選択を与えた
ことによって、離婚は一生をかけた重要なことではなくなっている。
 以上を読み終わって、現代の中国の若者が人生が幸福かどうかを決める要因にお
いて、結婚は切実で全てに優先する事だと思うだろうか?
〈晩婚化しているが離婚は早まる〉
▽先進国では30歳でも結婚が早い 国別平均初婚年齢の変化
  1980年 2010年
  男性 女性 男性 女性
 中国   25.5歳 23.9歳 26.9歳 25.1歳
 ドイツ  28歳 26歳 34.2歳 32歳
 イギリス 25.8歳 23.4歳 33.2歳 31.8歳
 日本   28.7歳 25.1歳 31.2歳 29.7歳
 フランス 25.1歳 23歳 33.6歳 32歳
▽年ごろの未婚男女の性別比は3:1に近づく 2010年全国各年齢層の未婚男女人口数
  男女比 男性 女性
 25―29歳 166:100 167.4万人 100.9万人
 30―34歳 239:100 57.2万人 23.9万人
 35―39歳 377:100 36.2万人 9.6万人
▽大学募集人員拡大後、相手探しが困難に 教育水準が高くなると結婚率も下がる
  男性 女性
  2000年 2010年 2000年 2010年
 高校    90.40% 86.70% 87.40% 82.90%
 大学    85.60% 77.30% 82.30% 75.20%
 大学院以上 76.50% 61.80% 77.80% 65.00%
▽ここ30年で中国人の離婚は早まった 中国離婚夫妻の初婚の維持期間の変化
  平均初婚維持年数 初婚崩壊リスク率の伸び
 1980年以前  16.8年
 1981―1990年 12.3年 2.6倍
 1991―2000年 8.1年 5.3倍
 2001―2010年 3.8年 6.9倍
〔網易2017年1月24日〕

95後世代は愛国主義? 社会が公平で住みやすい

 各国メディアでは、現下の若者は高い失業率や不動産価格に直面し、社会保障や
社会的に成功できる確率が低くなっていると報じている。
 しかし、中国では、インターネットの中で育ってきた95後は前向きなエネルギー
を持っている世代である。では、外国に比べ、中国の若者の考え方は何が違うのだ
ろうか?
 今日の95後の若者の考え方を知るため、バーキー財団が世界20カ国の若者(15―
21歳)を対象に調査を行い、彼らの幸福度、生活状態、価値観等について対比分析
を行った。
 全体的に見て、中国の若者の70%は自分の生活が幸せだと思っており、この割合
に欧米先進国との差はなく、1―5%高かった。生活状態でも、中国の95後は先進国
の若者より3―7%高かった。
 世界で知られていることは、中国の若者は先進国の同世代に比べて楽観的で、半
数以上の回答者は世界はよくなっていくと考えている。一方、英米の楽観的に見る
割合は2割に満たず、1桁にさえもなっており、半数前後の回答者は世界はさらに悪
い方向へと進んでいくと考えている。
 自分の国は住みやすいかという質問では、中国の若者では住みにくいとの回答は
わずか1%で、66%が住みやすいと考えていた。
 国の楽観度はカナダ、ドイツ、インドより低いが、フランス、イタリアよりも高
かった。ロシアとブラジルでは住みやすいと回答したのは46%で、韓国では23%と低
かった。
 具体的にどう住みやすいかについて、中国の若者の選択は先進国と異なっていた。
 欧米先進国では、5割前後の若者が、自国が住みやすい理由は自由によるもので、
「自分が好きな生活様式を自分で自由に選択できる」としたが、中国では、自由な
生活を回答した割合はわずか2割で、6割近い回答者は「どんな人でも努力すれば成
功できる国」、「政府やサービスやインフラがいい」とした。
 表面的には、中国の若者は米国の同世代の人よりもこの種のアメリカンドリーム
の公平な報いを信じており、しかも、人々の連帯に影響する要素として、中国の95
後の4割は「貧富差」としたが、先進国では多くの若者は「偏見と差別」と回答した。
 このほか、この一連の調査の結論において、エコノミスト誌は、若者の価値観が
分かれていることに関心を寄せた。新しい世代の若者は、例えば同性結婚、男女平
等、安全な中絶など見解が分かれる話題について普遍的に寛容だが、言論の自由で
は上の世代より保守的になっている。
 先進国だけでなく、非暴力の言論の自由を支持する割合は他の議論の支持の割合
より大幅に下回った。中国では特に、「世の中には絶対ということはない」という
世界を信じており、「他人を傷つけてもいい表現の自由」を支持する割合は3割に
満たず、先進国より普遍的に20―30%低く、調査した20カ国中最低だった。
 エコノミストはこの種の現象を「この世代の若者は傷つけられたくないから主張
が減っても構わない」と総括した。
〈各国の若者は自国をどう評価しているのか〉
▽自国が住みやすいか?
 1 カナダ 87%       7 イギリス 67%
 2 ニュージーランド 83%  8 中国 66%
 3 オーストラリア 80%   9 アメリカ 76%
 4 インド 78%       10 フランス 51%
 5 ドイツ 75%       11 ロシア 46%
 6 日本 69%        12 韓国 23%
▽自国が住みやすい理由
 自由な生活ができる 自然環境がいい 努力すれば成功する 政府サービスがいい
 国が豊か 信仰が尊重される その他
 カナダ      50% 13% 10% 18% 5% 2% 2%
 ニュージーランド 42% 30% 9% 11% 2% 2% 4%
 オーストラリア  50% 11% 14% 14% 4% 3% 4%
 インド      44% 12% 15% 7% 8% 13% 1%
 ドイツ      54% 4% 9% 20% 7% 2% 4%
 日本       28% 13% 8% 12% 33% 1% 5%
 イギリス     46% 8% 16% 15% 9% 3% 3%
 中国       22% 10% 29% 26% 4% 7% 2%
 アメリカ     52% 5% 19% 9% 6% 5% 4%
 フランス     50% 14% 8% 12% 9% 2% 5%
 ロシア      32% 22% 24% 7% 6% 4% 5%
 韓国       32% 7% 17% 19% 6% 6% 13%
〔網易2017年2月23日〕
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