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世界に影響を与える中国式の新経済様式

海外旅行 時事問題に影響 ミレニアル世代が主力

 ことし5月、カンボジア旅行から帰ってきたばかりの易樺さん(仮名)は、黄金
周の旅行を計画し始めた。4カ月前にスイス行きの航空券を購入したが、これが彼
女にとって11回目の海外旅行である。
 中国人の海外旅行がますます増加している。
 旅行サイト「途牛」の国慶節旅行の予約のうち、海外旅行は52%、国内の長距離
旅行は36%、短距離旅行は12%を占めた。
 「投資参考」のデータ予測では、2017年、中国観光客の海外旅行中における総支
出は前期比11.8%増の2.3兆元に達する。
 1991―1997年、海外旅行者数は年平均17.25%成長だったが、1997―2000年は30%
成長になった。中国経済の高度成長に鑑み、多くの人は中国人の海外旅行に楽観的
な予測をしていたが、実際の成長はもっと速かった。
 2013年の世界観光機関(UNWTO)の予想では、2020年、中国の年間海外旅行者数
は延べ1億人に達し、観光客数は世界で4番目の規模となる。実際には、このデータ
は2014年に実現した。少し前には、世界観光機関は、今後5年で中国は延べ7億人が
海外旅行をすると予想している。
〈旅行目的地シフト〉
 各旅行会社が発表する「住民旅行報告」を見ると、今年の人気の目的地は、タイ、
インドネシア、ベトナム、フィリピン、日本、シンガポール、米国など、やはり聞
きなれていてよく知られている都市が主体である。
 中国人は「旅行するほど賢くなる」。中国人の海外旅行がますます普通になり、
一部の若年消費者層の海外旅行の目的地は既に次の段階へ進み、ニッチ化される傾
向が顕著である。
 携程観光事業部の施聿〓(*1)CMOによると、「彼らは、観光客が少ないところに
行きたいとか、数日間住んで現地の生活や文化を深く知りたいと思っている」、も
し、その国が気に入れば、一度の旅行では足りないので、二度、三度と行く。例え
ば、日本は、中国人の多くが5年のマルチビザを取得している。そして、ベトナム
のニャチャン、タイのチェンマイなどでは、多くの「文学青年」が海外旅行する人
気の場所となっている。
 易樺さんはこれまで、日本、韓国、シンガポール、タイなどの周辺国に行った。
その理由は、「これらの地域の生活習慣、言語、時差等が中国に近く、適応しやす
いから」。今回スイスを選んだのは、美しい環境に引かれたのと、比較的マイナー
な場所を選んで、団体旅行客を避けたいからである。
 若年消費者層では、似たような考え方を持つ人が多い。
 旅行予約サイト「飛猪旅行」が発表した「若者層の世界旅行の特徴と傾向報告」
(以下、報告)によると、2017年現在、6カ国以上に行ったことがある若年消費者
は前期比7%増だった。
 一方、日本やヨーロッパはこれまでよりさらに人気が出ている。
 携程観光、華遠国際旅行社の取引データ及びヨーロッパ目的地データによると、
2017年上半期、ヨーロッパへの旅行者数は前期比65%増で、そのうちパック旅行は
81%増だった。業界関係者は、これは主に2016年の為替レートが低いこと、ヨーロ
ッパの新路線開通、人民元高によるものと見ている。
 旅行口コミサイト「〓(*2)蜂窩」のユーザーがお気に入り登録する観光目的地の
回数を統計したところ、中国人観光客は日本に夢中になっている。2017年7月、日
本の大阪、東京、京都は、韓国、タイ、アメリカ、フランスの人気エリアより上位
で、中国人の最初の選択肢となっている。
 興味深いのは、時事ニュースは往々にして海外旅行先を選択する重要な参考にな
ることである。
 昨年と比べて、韓国は2位から10位圏外に下がった。事実、韓国は昨年、2015年
以来の「中国観光客に最も選択された目的地」のランキングトップから落ちた。
 2015年にひどく扱われていたのはフィリピン、ベトナムで、世界旅行情報サービ
スサイト「トラベルズー」によると、2015年の中国人観光客に最も人気があったの
は日本とアメリカ旅行だった。
 このほかでも、観光目的国で起こるマイナスの事件が選択に影響を与えていた。
〈ミレニアム世代が新しいサービスを動かす〉
 注目すべきこととして、ミレニアム世代は海外旅行の消費の主力となっているこ
とである。2015年のデータによると、18―34歳の若年者は海外旅行者延べ総数の約
60%を占めた。
 「飛猪旅行」が発表した「報告」によると、80後、90後は海外旅行消費者の78.8%
を占め、そのうち90後は39%を占めた。ここ3年、若年層の海外旅行者数(延べ人
数)の年平均成長率は50%だった。
 「報告」によると、ミレニアム世代の消費習慣、消費行為は、はっきりした時代
特性を有している。例えば、個人旅行を好んだり、体験を重視したり、マイナーな
ものを追求し、お金を惜しまないことである。
 旅行市場研究を行うフォーカスライト社の調査によると、中国には約4億人のミ
レニアム世代がおり、観光市場の主要な消費者になると見られている。
 また、これら新興層がモバイル決済、オーダーメード旅行、ホテルでの事後決済、
ワンストップ型旅行カスタマイズサービスなどの新たな旅行サービスを後押しして
いる。
 6月1日、「飛猪旅行」は、ホテルの事後のクレジット消費、南極路線、北極のオ
ーロラ路線2.0などの5つの新しい旅行商品を発売した。
 芝麻信用、アリペイの全面開通で、消費者はホテルにいるときもお金を支払った
り、デポジットを納める必要はなく、チェックアウト後24時間でアリペイのアカウ
ントから自動的に決済される。
 このほか、2016年から、大手ネット旅行会社がオーダーメード旅行商品を発売し、
国家観光局に「オーダーメード旅行元年」と言わしめた。
 若年層の人気のあるモバイル決済が海外で急速に拡張している。
 現在、アリペイは海外の10万のオフライン店舗とつながり、北は北極圏から南は
ニュージーランドまで、中国人海外旅行者層の60%をカバーしている。中国人観光
客を引きつけるために、世界の数十万の海外店舗が、今年の国慶節黄金周期間、中
国人観光客向けにアリペイ価格を出す計画である。
 しかし、中国の海外旅行の波は喜ばれているわけではない。
 「よく考えて行動すればうまくいく」、海外の高級個人オーダーメード旅行専門
の香港旅行公司の創業者の謝成思氏が以前発表した文章によると、中国人の消費力、
購買力は海外のお店を喜ばせると同時に、中国人特有の行動や考え方が全く新しい
衝撃を与えている。
 「中国市場を注意深く見ていたが、突然やってくる中国人の大群を怖がり、これ
までと態度を変えたところもある」
注)〓(*1)は「端」の「立」がないもの、〓(*2)はむしへんに「馬」
〔時代週報2017年9月30日〕

中国人の半分以上がシェアリング経済に参加 2億人がネットで出前

 国家発展改革委員会のウエブサイトで9月29日に発表されたデータによると、中
国のデジタル経済の発展は急激で、2016年の電子商取引額は26兆元に達し、ネット
小売額は5.1兆元、配車アプリユーザーは2.25億人に達し、シェアリング経済市場
の取引額は約3.45兆元、6億人以上がシェアリング経済に参加している。
〈昨年のネット通販取引額26兆元 2000億元の税収増〉
 国家発展改革委員会のデータによると、中国の電子商取引額は2011年の6兆元か
ら2016年の26兆元に達し、年平均成長率は約34%、ネット小売額は2011年の約0.8兆
元から、2016年の5.1兆元に達し、年平均成長率は50%を上回った。
 推計によると、2016年の電子商取引が生み出した消費増が製造、卸売、物流増を
もたらし、そのことで生み出された税収額は既に2000億元を上回った。
 中国のモバイル決済規模は全世界をリードしている。
 2016年の中国の銀行業金融機関のモバイル決済業務は257.1億件に達し、金額は
157.55兆元に達した。非銀行決済機関のネット決済業務発生件数は累計で8.2兆件、
金額は約99.3兆元だった。2013―2016年、中国国内の非銀行決済機関のモバイル決
済件数は33.77億件から970.51億件に増加し、年複合成長率は195%を上回った。
〈シェアリング経済年間取引額3.4兆 参加者6億人〉
 モバイルネットワークの普及に伴い、ネットワーク経済、シェアリング経済等の
新しい形態、モデルが、交通手段、宿泊、宅配物流等の分野で浸透している。
 国家情報センターの統計によると、2016年、中国のシェアリング経済市場取引額
は約3.45兆元で、前期比103%増だった。シェアリング経済への参加者数は6億人を
上回り、前年より約1億人増加した。サービス提供者数は約6000万人、シェアリン
グ経済プラットフォームの就業者数は約585万人だった。
 予測では、今後数年、中国のシェアリング経済は年平均40%前後の高度成長を維
持し、2020年のシェアリング経済取引規模の対GDP比は10%以上に達する。
〈2億人以上がネットで出前 配車アプリユーザー2.25億人〉
 デジタル経済と伝統的な分野の深い融合により、2016年、中国のオンライン教育
ユーザー規模は1.38億人に達した。ネット医療ユーザー規模は1.95億人に達した。
ネット出前ユーザー規模は2.09億人に達した。配車アプリユーザー規模は2.25億人、
ネット旅行予約ユーザー規模は2.99億人だった。
 市場規模では、2016年、中国の現地生活サービスのO2O取引額は7291億元に達し、
前期比64.2%増だった。
 デジタル経済の発展は国民全体の創業促進の新たなエネルギーにもなる。
 アリババ、京東等を代表とするネットワーク企業大手が提供する重要プラットフ
ォームの支援によって、零細企業のイノベーション創業コストが大きく減少し、社
会全体の創業熱をかき立てている。今年上半期、全国で新たに登記された市場主体
は887万戸で、前期比13.2%増、そのうち企業は1日平均1.6万戸増加している。
〈中国ネットユーザーは7.51億 4Gユーザーは8.88億人〉
 デジタル経済のインフラ建設も目立った成果をおさめている。
 2017年の上半期現在、中国の光ファイバーユーザーシェアは75%を上回り、世界
トップであり、4Gユーザーは8.88億人を上回り、世界4Gユーザーシェアの50%を上
回った中国のネットユーザー規模は7.51億人に達し、インターネット普及率は54.3%
に達した。中国のICT産業規模、国際輸出は世界トップである。
〔21世紀経済報道搶鮮報2017年9月29日〕
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