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90後消費トレンド報告

90後消費トレンド報告 下 新消費4つのトレンド

(前号より続く)
三、90後の新消費トレンド
前述の7つのほか、今の90後には4つの新消費トレンドがある。
(1)ニッチ消費
 ニッチ消費は、共通の趣味、価値観、生活感覚を持つ異なる次元の人たちが集まっ
たコミュニティーを核にした消費グループによってつくられる。SNSの出現がニッチ
なコミュニティーの形成に利便を提供し、インターネットが人々のコミュニケーショ
ン方法を変え、微簿、豆瓣、貼〓等のコミュニケーションツールの出現がネットを通
じた共通の趣味を持つ人を結びつけさせた。90後はSNSを多用している。
 90後のSNS利用は「志を同じくする仲間を探す」傾向があり、興味を中心に話せる
ことが重要である。90後が「一緒に遊ぶことができるパートナー」を選ぶ際に最も注
目するのは、相手が同じものを好むかどうかである。
(2)レージーエコノミー
 比較的物質に豊かに囲まれている、ハイパーなネット環境がある、単純で手早いも
のを追求する等の要素は、90後の「引きこもり」の属性をつくり出している。調査研
究によると、90後の自己評価中1位は「引きこもり」で、家で音楽を聴いたり、動画
を見たり、寝たりするのが90後の休暇の過ごし方である。
 「引きこもり」はレージーエコノミーと関連している。社区O2O(生活サービス)、
食事O2O(食事の宅配)、旅行O2O(旅程の提案)は90後に人気で、家を出ずにサービスを
受けたり、出前を注文したりと、とても快適な日々を送っている。
(3)プロダクトストーリー
 生活の質を重視し、それまでとは違うことを追求する90後にとり、実用性はもはや
その消費の意思決定に影響を与える主要な要素ではなく、「プロダクトストーリーが
あるもの」が若い消費者により人気がある。
 実用性ということのほか、気持ちを満たすものについて、商品を見て、使って、体
験するプロセスで、自分の内なる欲求に気づき、自分の価値観に合うものを見つけて
いる。
 言いかえれば、90後の心の欲求は機能的なものより大きく、商品がもたらす癒やし
を見ている。ストーリー、コンテンツ、心がある商品は90後の注目を集め、財布のひ
もを開かせている。
(4)収入を上回る消費
 収入を上回る消費をすることは90後にはよくある。2018年、中国の90後の短期消費
ローンは3兆を超え、年間短期ローンの総規模の約3分の1を占めた。90後が消費金融
商品を選ぶ原因として最も多いのは、お金がなく、収入を上回る消費を満たすためで
ある。
 このほか、90後には資産運用の意識があり、消費金融を利用して資産投資を行い、
消費金融によって利子を免れている。これも、彼らが消費金融商品を選択する重要な
原因である。各種の消費者金融商品は、このような90後に利便を提供しているが、貸
借プロセスで、プラットフォームを理性的かつ慎重に選択することが90後には非常に
重要である。
四、ど派手な消費の背後に潜む危機
 90後は思い切りを持ってお金を使うのが好きだが、財産は少ない。フィデリティ・
インターナショナルとアントフォーチュンが共同発表した2018年「中国養老前景調査
報告」によると、中国の新世代の若者(35歳以下)のうち、56%は貯蓄をしていない。
貯蓄を始めた44%の平均月間貯蓄額は1339元にすぎなかった。
 収入を上回る消費への没頭により、90後は消費ローンの主力層となっている。融360
の調査によると、年齢別では、ローン利用者のうち、90後(95後を含む)の占める割合
が49.31%と最も高く、アジアの同世代の中でトップとなった。消費ローン利用者のう
ち、半分近くが90後である。
 90後は借金を持つ人が多いだけでなく、その額にも驚かされる。HSBC銀行が最近行
った調査によると、中国の90後の収入に占める負債の割合は1850%に達し、未返済の
各種ローンやクレジットカードの1人当たりの負債額は1万7433米ドルを超える。つま
り、90後は1人当たりの12万元の負債を負っていることになる。
注)〓は、くちへんに「巴」
〔蘇寧財富資訊2019年10月23日〕