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モバイルゲームで楽しむもう一つの人生

毎日7億人がモバイルゲームでもう一つの人生を体験

 多くの中高年が、「ゲームを理解できなければ若者の輪に溶け込めないし、若い
友人をつくることなんて到底できない。特に、大衆モバイルゲームは、今や誰もが
楽しむものになっている」と話す。
 そのデータあるいは、より直接的な証明がある。Mob研究院が発行した「2021年
中国モバイルゲーム業界における深層洞察報告」によると、2020年、中国モバイル
ゲームユーザー規模は7億人近くに達した。2020年、中国ゲーム市場全体の実質売
上収入は2800億元近くで、そのうちモバイルゲーム市場の増加速度が鮮明だ。その
シェアは年々上昇し75%に達し、ゲーム業界において多大な影響力を持つ。
 10年前、スマホネットユーザーはわずか1.9億人であったが、今日では、中国に
おける半数の人口がモバイルゲームを利用する。
 幾人かの若者からすると、ゲームは現在、彼らにとってのソーシャルツールとな
っている。彼らに言わせれば、ゲームでは戦略を研究でき、知育にもなる。ゲーム
を通じて、集団名誉感、家族帰属感を得られるという。「これは一種の代替なんだ。
一種の娯楽であり、精神的代替なんだ」
 若者世代のゲームに対する姿勢は非常にオープンで、両親や子供も巻き込んで、
一緒にプレイするほどだ。ある若者はこう話す。「昔は、多くの家長が子供のゲー
ム遊びに反対していた。子供が外でコミュニケーションをとらないことになり、正
常な生活に影響を及ぼすのを心配したからだ。今は、多くの人々がゲームでコミュ
ニケーションをとっていて、反対する声は徐々に減ってきた」
〈携帯が大衆ゲームを促進〉
 ゲームに対する大衆の偏見は徐々に減り、また一方でゲーム産業の体系化が進ん
でいる。
 クアルコムやメディアテックなどICチップメーカーは皆、モバイルゲーマー向け
ICチップを特に売り出すようになったが、これは、この市場に多くのユーザーがい
ることを証明している。
 携帯メーカーであれば、Black SharkやRed Magic、Lenovo Legionなどゲーミン
グスマートフォンがあり、iQOO、OPPO Aceシリーズ、realme X50 Proゲーマー版、
Redme K40ゲーム増強版などゲームのラベリングを持つ大衆携帯もある。
 多くのゲーム愛好者は「総合力が高い携帯こそがよいゲーミングスマートフォン
である」という概念を持ち、だからこそ携帯メーカーは若者の歩調に絶えずついて
いこうとする。ゲーミングスマートフォンの意図とは少し異なるが、一部のメーカ
ーは大衆ゲームの属性を強化し始めた。OPPOが最近発表したReno6シリーズはこの
一例だ。
 先日、Reno6新作発表会で、プロダクトマネージャーの王以恒氏が示したデータ
によると、今年1月、OPPOの全機種ユーザーのうち毎月約3500万人が、Renoユーザ
ーでは約1500万人が「王者栄耀」をプレイしていた。
 アイリサーチ・コンサルティングの報告によれば、中国ゲーム市場にはカジュア
ルユーザーが多く存在し、カジュアルゲームやテーブルゲームが1位、2位を保持す
るが、「和平精鋭」と「王者栄耀」を始めとするシューティングゲームやMOBAは大
多数の浸透率に支えられている。
 多重の要因が重なり合う中で、いかにカジュアルユーザーと日常的な携帯需要と
のバランスをとっていくか。これが大衆ゲーム路線の携帯メーカーが考慮しなけれ
ばならない点である。
〈ゲームの中で友達をつくりビジネスを行い、もう一つの生活を送る〉
 中国ゲーム市場において、モバイルゲームは一貫として支配的立場を持ち、市場
規模、ユーザー数、アクティブユーザー数のどれをとっても高い数値を保っている。
 Mob研究院の発表した「2021年中国モバイルゲーム業界における深層洞察報告」
によれば、2020年、中国モバイルゲーム市場は2000億を突破し、ゲーム業界全体に
おけるシェアは年々上昇し75%に達した。また、国内モバイルゲームユーザー浸透
率は比較的高く、そのユーザー規模は7億人に近いという。
 過去のプレイヤーは物語性を求めたが、現在は女性や年齢の低いプレイヤーがふ
え続けており、メーカーは日本路線でゲームデザインを進めている。画風を重視し、
「原神」のような二次元大型作品を誕生させた。
 「魂斗羅」や「超級馬里奥」のような過去のゲームは、どれもゲームをクリアす
る方法が単一で、プレイヤーは筋書きに沿ってゲームを進める必要があったが、若
者が好むゲームの多くは自由なゲーム世界になっていて、タイミングや地点によっ
て異なるストーリーが展開されたり、自由度や持続可能度がより高くなる。もちろ
ん、自由なゲーム世界は難易度もより高くなる。
 過去にプレイヤーがゲームで表現したのはテクニックであったが、現在はコミュ
ニケーションをできるか、美的感覚を表現できるか、ゲーム内のコミュニティーを
通したものであるかになっている。それらの背景に共通しているのは、ゲームが生
活に入り込み、若者の新たなコミュニケーションツールになったことに加え、若者
に対し、より多くの個人的価値、集団的価値をもたらしていることである。
 ゲームで友達づくりをするプレイヤーもいる。
 「大型モバイルゲームは、基本的には既に若者の出会い系ソフトになっており、
単純な楽しさ以上のものを与えている。それはゲームで人間性を見ることだ」、こ
れは余暁氏の処世哲学である。
 余暁氏の経験によると、市場にあるゲームは人を「自動的に分類」できている。
PUBGが好きな人は短気かもしれないし、一人プレイがメーンの人は穏やかな性格、
RPGが好きなら感情が繊細といったように、一度のプレイで、誰がリーダー、楽観
的、言い訳が多いか、さらにトラブルメーカーかを見ることができる。
 ゲームでビジネスパートナーづくりをするプレイヤーもいる。
 汪芸樺氏にとって、ゲームをやる最大の価値は、見知らぬ人との話題がある、別
の展開の可能性があることである。「新しく人が加わっても、話したことがない人
にビジネスの声をかけにくいが、よく一緒にゲームをしていれば、ビジネスの声を
かけやすくなる」、ゲーム内で「相手がトップになるようにアシストすることは、
形を変えた生死の交わりのような気がするが、現実生活でこのような感覚は見つけ
にくい」。
 ソーシャル属性が加わり、ゲームの楽しさは、ゲーム自体だけでなく、やりとり
を「一緒にする」という双方向性もある。「一人プレイでは自分自身の楽しさだが、
チームメイトとともに勝利する達成感は2倍の楽しさ、ゲーム仲間がビジネス仲間
になれば3倍の楽しさ、ゲームがタイムラグやフリーズしなければ4倍の楽しさがあ
る。
 たくさんの世代のプレイヤーがゲーム内で成長しているが、現在の若者のモバイ
ルゲーム浸透率は想像を超えるものがあり、複数のプレイヤーが自分の好きなゲー
ムについて紹介してくれる。
 ある心理学者は、ゲームがもたらすものについて、第1段階は暇つぶし、楽しさ、
ストレス解消、第2段階は精神的支え、美的感覚の進化、第3段階は文化普及、人生
体験の豊かさと説明する。
 携帯ゲームはもはや娯楽ツールや社交ツールではなく、若者の精神的なよりどこ
ろ、第二の人生なのかもしれない。
〔聯商網2021年6月2日〕