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大都市と小都市が抱える住みにくさの問題

2022年卒業生の都市選択ランキング

 2022年卒業生の都市選択ランキングでは、杭州は一線都市に次ぐ5位だった。上
海が依然としてトップである。
 学生は当該地域の教育発展や就職状況に与える影響を考慮するため、大学入試で
の大学選びは都市選びとなる。北京、上海、広州の大学が青海や新疆などの遠隔地
よりも人気がある。
 2022年の新卒採用需要ランキング上位15都市によると、北京、深セン、広州が予
想どおり上位だ。大都市は卒業生がチャレンジする豊富な機会があるからだ。
 しかし、2022年の新卒者の就職都市選択ランキングでは、例年とやや異なり、大
学生は一線都市だけを見ているわけではなくなった。
 北京、広州、深センの順位は低下し、杭州が上昇するとともに、3位重慶、4位成
都だった。この2都市はいずれも庶民的で、住宅価格が余り高くなく、食べ物がお
いしく、景色もきれいで、今どきの卒業生の心理的な期待に合致している。
 このほか、珠江デルタの都市も大量の人材を集めており、仏山と東莞にも卒業生
の注目が集まっている。
〔熙熙説教2022年6月16日〕

なぜ大都市から逃げて故郷に帰る若者が息苦しさを感じるのか

 大都市の激しい競争、交通渋滞から、多くの若者が次々と脱出している。一方、
小都市に帰ってきたとしても、結局また次々と北京、上海、広州へと脱出する。
 それはなぜだろうか。若者にとって、小都市での人的環境や生活習慣が受け入れ
にくいためである。
一、小都市は人情社会
 中国各地の小都市は、長い年月の中で、その小都市に属する自然法則が形成され
ている。そこでは、知り合いとしての度合いや人情と世故が重んじられ、完全な人
間関係ネットワークが存在する。これらのネットワークの多くは小都市の少数のエ
リートが握っていて、一般の子弟がこれらのネットワークに入ることはできない。
 このような人情社会では、非エリートの子弟のステップアップはない。大都市が
個人の能力を重視しているのなら、小都市は「誰と知り合いか」「誰と親戚か」が
重視される。
二、小都市でのチャンスはより少ない
 ここ数年、中国の小都市は急速な発展を遂げたが、産業構造は単一的である。企
業は伝統的な食品加工や製造などの業界に集中している。新しいタイプの企業や仕
事は中国の小さな町にはほとんどなく、これも大都市から帰ってきた多くの若者に
職がないという状況に直面させている。
三、小さな町では人間関係が「親密」過ぎて、プライバシーの維持が困難
 大都市が冷ややかであることは外部から批判されるが、実際には、多くの若者は
この冷ややかさを好んでいる。それは、自分の思うように自分の生活を送れるから
である。しかし、小さな町での知り合いに囲まれた社会では、小都市なりのライフ
スタイルが求められる。
 例えば、大都市では、結婚をせず子育てをしなくても、それは個人な選択である。
しかし小都市では、地元の人々からは何か別の違う目で見られてしまう。特に、広
大な農村地域では、若者たちには余りプライバシーがない。どんな個人的なことで
も、おばさんのお茶の間での話題になってしまう。
四、小都市の人の「怖さ」
 長い間、中国人には、「貧乏を嫌い、豊かさを憎む」というよくない気質がある。
この気質は小都市の人にはより顕著にあらわれる。大都市から帰郷して起業する多
くの若者は順風満帆ではないが、このとき、地元の人からの根も葉もないうわさを
され、足を引っ張られる現象が非常によく見られる。
五、低賃金と高い住宅価格
 ここ数年、中国の中小都市の住宅価格も急速に上昇している。安徽省の四線都市
では、住宅価格は最高で1平方メートル当たり1万1357元に達した。一方で、現地の
賃金標準は約2500元である。
 このような低賃金と高い住宅価格というミスマッチが、現在の中国の小さな町の
発展の深刻なゆがみとなってあらわれている。
〔十全小秀才2022年5月4日〕