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新しい職業の出現と若者たちの働く気力

新しい職業 月給は万元を優に超すものも

 インターネットマーケター、産業ロボットシステムオペレーター、レーザー設備
技術者など、ここ数年、産業構造の転換や高度化により分業が進み、新しい職業が
雨後のタケノコのように出現している。多くの人にはこれまで知らなかったし聞い
たこともなかったような新しい就業形態が、徐々に基準や業務がはっきりした就業
先へと変化してきている。
〈新しい職業が新しい就業先をつくる〉
 「画面の前の赤ちゃん、こんにちは!」就職して間もない周賢さんはレンズを前
にライブ配信をしていた。「ライブコマースMC」というより、みずからを「インタ
ーネットマーケター」と呼ばれたいという。この新しい職業は、デジタル化された
情報プラットフォームにおいてネットワークの双方向性と発信力で企業の商品を販
売する人を指す。
 インターネットマーケターの仕事は、よく知られているライブコマースのほか、
商品選定、動画制作、プラットフォーム運営等のプロセスも含まれる。
 広州公用事業技師学院では、学生が実際の現場を再現したライブ配信室で模擬の
ライブ配信をし、ライブ配信室の外では学生3人のチームが専門のライブ配信チー
ムさながらに監督、商品選定、記録を担当していた。
 同校では、デジタルエコノミー分野の新しい職業である新メディア・インターネ
ット応用の専攻を開設している。学生は、新メディアのデザイン、マーケティング、
文化創意、ショート動画等のインターネット技術を総合的に学ぶ。同校の電子商取
引専攻はここ3年で777人が卒業し、就職率は99.75%だった。
 インターネットマーケターは2020年3月に正式に国家が認定した16の新しい職業
の一つになり、これまで、商品選定員、ライブコマース販売員、動画制作者、プラ
ットフォーム管理員などの4つの職種へと分業化している。人社部の予測によると、
2025年には、インターネットマーケターは4000万人不足すると予想されている。
〔羊城晩報2022年11月4日〕

現代卒業生図鑑 すねかじり、卒業延期、仕事を探したくない若者

 1067万という巨大な数字が、中国の大学の今年の新卒者数である。
 就職市場に流れ込む1000万人を超える卒業生と経済の下降圧力とが対立し、大学
生の多くは社会進出の入口で出ばなをくじかれている。
 10年前、もし大学のキャンパスで4年生に卒業後に何をするかと聞いたら、きっ
と、皆、迷うことなく、働き場所を探すと答えるだろう。
 しかし、今、同じ質問をするとさまざまな答えが戻ってくるはずだ。大学院受験、
実家に帰って親のすねかじり、卒業の延期などだ。
 簡単に言えば、仕事をしなければ、何でもいいということである。
 仕事をしたくない卒業生は幾つかのカテゴリーに区分できる。
〈1 寝そべりに徹する〉
 基本的には、家にお金があって住居があることが条件である。家に少しはお金が
あるので、子供には仕事を見つける切迫感はそれほど強くなく、せいぜい実家で親
のすねをかじって、これ幸いと静かに過ごして食べていけて、それで非常に快適で
ある。
〈2 半寝そべり状態〉
 つまり、寝そべっているといっても、寝そべりに徹しているわけではないという
ことである。
 この層は主に大学院試験や公務員試験を受ける卒業生で、更に深く研究したいと
か、ある組織に入りたいと考えている。
 試験準備をしながら仕事もすることはできるのだろうかというと、それはもちろ
ん無理で、若者は仕事に専念すべきだし、職探しに影響が出るのでないかというこ
とで、とりあえず、落ちつける場所を探し、両親から生活費を受け、寝そべりなが
ら勉強するのである。
〈3 寝そべったり起き上がったり〉
 ほかに、寝そべっているとは言っても、そうなっていないようで、起き上がって
きては無理したりを繰り返している。
 この2年間で、もしも就職先もなく、公務員や大学院にも合格できなかったがキ
ャンパスからも離れたくない場合には、卒業延期を考えるという卒業年次の大学生
も多くなってきた。
 卒業を延期すれば、新卒の身分があり、もう一度秋の就職活動に参加し、公務員
試験ももう一度受けられ、学校の寮、食堂、図書館を利用できるのである。
 もちろん、卒業の延期を誰も望んで申請するわけではなく、これまでは試験や論
文が不合格の学生が迫られて申請したものである。それが、卒業延期という目標を
円滑に達成するために、試験の合否、論文の進度、先生への態度を工夫し始めるよ
うになった。
 実は、今の若者は働きたくないが、それは、全て若者のせいでもない。仕事をし
たくても史上最難の就職シーズン、試験に合格したくても史上最高の競争率、海外
に出たくても国際関係は緊張感が高まっている。卒業生が寝そべり始めたのは、多
くが環境の影響から選択を迫られているということである。
〔養料2022年11月4日〕
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