若者が子供を持ちたがらない4つの現実的理由
人口警報 若者が子供を持ちたがらない4つの現実的理由
中国社会科学院世界社会保障研究センターの鄭秉文主任は、2022年清華五道口グ
ローバル金融フォーラムでスピーチを行った際、中国は今年、人口がマイナス成長
するかもしれず、今が年金を設立するのに最も有利な空白期間であると率直に指摘
した。
鄭冰文主任のこの発言は、メディアに報道されるや否や、ネットユーザーの注目
を広く集めることになった。もちろん、誰もが注目したのは、今が年金を設立する
のに最も有利な空白期間であるかどうかという話ではなく、中国は今年、人口がマ
イナス成長するかもしれないという話である。
国家統計局のデータによると、2021年の中国の出生人口はわずか1062万人であり、
2020年の1200万人と比較して138万人減少し、出生率はさらに7.52‰に低下した。
さらに特筆すべきは、2021年の中国出生人口が「飢饉の年」である1960年に比べて
も340万人減少したことである。
そこで問題であるが、最近の若者はなぜ子供を持ちたがらないのだろうか。筆者
は、「4つの理由」が非常に現実的であると考えている。
まず、出産概念の変化である。
古い世代は「子が多ければ福多し」と「大家族」という伝統的な家族の概念を信
じているが、今日の若者は、自身を中心に個人を表現することを最大の価値として
好む。古い世代の伝統的な家族の概念は既にほとんど見放されている。
関係団体のデータによると、90後の75%以上が、子供は最も多くて1人と回答して
いる。つまり、大多数の90後の出産概念において、子供を産むことは、子々孫々に
伝えるという任務を完了するためだけのもので、たくさん子供を産むという伝統的
な家族概念は全く存在しない。
若者の一部は子供をつくらない共働き夫婦になることを選んで、1人も産むこと
を望まず、多くの若者はそれが当たり前だと思っている。
次に、住宅価格の高騰の影響である。
結婚や子供の教育が住宅と連動する現代において、住宅価格の高騰は既に出生率
向上の最大の障害となっている。
国家統計局のデータによると、2021年までに、中国の平均住宅価格は1平方メー
トル当たり1万139元に達し、1998年の分譲住宅改革初頭と比較すると、平均住宅価
格の値上がり幅は5倍余となっている。人口が集中して経済が発展している一線、
二線都市では、住宅価格が10倍から20倍に達し、コア地域では30倍以上のところも
ある。
つまり、今日では、ほとんどの都市で、家を購入するために100万元以上、さら
には数百万元を費やすことが一般的な現象になっている。このような住宅価格を背
景に、自分たちの住宅ローンの圧力と、子供たちに家を購入するという将来を見越
した圧力という二重の圧力のもとで、何人の若いカップルがあえて子供をもうける
ことができるだろうか。
そして、子育てにかかる費用も高額である。
一部の専門家によると、中国で1人の子供を育てるのに、0歳から17歳までの平均
養育費用は48万5000元で、韓国に次いで世界第2位である。
2018年に関係機関が発表した「中国の家長の教育不安指数調査報告書」によると、
中国の48%の家庭では教育費が40%以上を占めている。子供を1人育てるのにかかる
経済的コストは、一線、二線都市で家を買うのと変わらないと言っても過言ではない。
最後は、子供を産んでも育てる人がいないという問題である。
高齢者に育てさせるのは心配で、若者自身にも育てる時間はなく、夫婦のどちら
かがフルタイムで子供の世話をするとしても、住宅ローン、車のローン、生活費が
もう一人の負担になる。破綻するかしないかは一旦置くとしても、家計の負担はや
はり一番の問題である。〔大川説楼市2022年8月9日〕
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