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電子マガジン《中国最新情報》 No.172 　2002年7月2日
発行： 《中国最新情報》編集部
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┏【特集：企業知名度ランキング】
●企業ブランド認知度調査

┏【相次ぐ炭鉱事故】
●今年鉱山事故で3393人死亡　

┏【国内経済】
●上海浦東に初の鉄道建設へ
●中国の国際観光収入、世界5位に
●上海に大型のショッピングモール建設へ

┏【環境】
●長江、黄河に年20億トンの土砂　13億トンは傾斜耕地から
●中国の砂漠、国土の18%

┏【文化・社会】
●上海の出産適齢女性の出産率　一層の低下傾向
●チベットで三大文化財の修復工事始まる

┏【経済データ】
●外国為替(6月28日)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集：企業知名度ランキング】……………………………………………
●企業ブランド認知度調査
　玉渓紅塔集団と北京青年報ニュース情報センターは合同で「注目の国内企業ブラ
ンド」調査を先日発表した。調査対象は5000人、全国31の省・自治区・直轄市に及
んでいる。なお、この調査の調査対象は全国人口統計の数値とはかなりの差がある。
　調査対象の内訳は、96.7%が40歳以下で、20～29歳が最も多く61.4%を占めている。
70.5%が大学、専門学校以上の学歴で、96.6%が都市居住者で、61.2%が大都市居住で
ある。また、73.8%を男性が占め、職業は国家公務員、会社員、軍人、警官、学生で、
現在中国の最も活発な成長産業に従事している。

〈調査結果概要〉
1)若者が挙げた有名企業ブランド上位5つのうち、海外企業ブランドは1つだけで、
残りの4つは中国国内企業ブランドだった。
2)76.9%の若者が商品を選ぶ際に最も重要とするのは「自分に合っているかどうか」
だった。
3)71.1%の若者が携帯電話を所有していた。2001年10月の全国携帯電話普及率は9.2
%だった。
4)3割に近い若者は「広告をしていない商品は買わない」とし、学歴が高くなるほど
広告情報に頼っている。

〈若者が選んだ10大企業ブランドとその割合〉
　15の国内外を含む有名企業ブランドから5つを選ぶ調査によると、国内企業ブラン
ドに対する認知度が海外企業ブランドを上回っていた。上位5位に選ばれた企業ブラ
ンドのうち海外企業ブランドはコカコーラだけだった。
　現在中国のある程度有名な企業ブランドは若者に相当な影響力と競争力を持って
いると言える。また、別の方面から見ると海外企業ブランドも知名度を得ることに
成功しており、若者への影響力を低く見ることはできない。これは比較的生活水準
の高い都市に住む18歳以下の少年と学生の調査から明確になっている。
　順位は以下のとおり：
　Haier海尓(79.4%)、コカコーラ(72.5%)、Hongta紅塔山(62.0%)、Legend聯想(56.
4%)、Wuliangyi五粮液(42.5%)、ノキア(40.3%)、Changhong長虹(32.5%)、マクドナ
ルド(32.3%)、TongRenTang同仁堂(18.0%)、Erdus鄂尓多斯(11.8%)
　調査によると、「コカコーラ」「ノキア」「マクドナルト」などの海外企業ブランド
の知名度は、都市の生活水準が上がるにつれて知名度も上がっているが、「Hongta紅
塔山」「Changhong長虹」「Haier海尓」などの国内企業ブランドは全く反対の状況に
なっている。事実上グローバル化している市場環境では、すべての国内企業ブラン
ドが一つの壁にぶつかっており、厳しい市場競争は大都市から始まっている。
　年齢別に見ると、年齢が若くなるほど「コカコーラ」「ノキア」「マクドナルド」
などの海外企業ブランドを選ぶ割合が高く、「Erdus鄂尓多斯」「Wuliangyi五粮液」
「TongRenTang同仁堂」などの国内企業ブランドは低くなっている。しかし、「Legend
聯想」「Haier海尓」「TCL」などのハイテク関連の企業ブランドは年齢が低くなるに
つれて知名度は高くなっている。
　職業別に見ると、学生の海外企業ブランドの選択率は他の職業よりかなり高く、
国内企業ブランドの選択率は低くなっている。この結果は、海外企業ブランドのイ
メージ戦略は成功にあると言えよう。例えば「ノキア」のCM「科学技術は人間の基
礎だ」というコピーは、科学技術と文化は表裏一体であるという非常に個性的な内
容で若者の心理を突いている。

〈消費者が企業ブランドに対して重視する要素〉
　企業ブランドが若者の心をとらえる条件は、調査結果からは、ハードの充実(商品
の品質、サービスの高さ)、企業ブランドイメージ(流行、自己個性との一致)、企業
背景(企業力、新製品開発能力)、企業ブランドの知名度(家族、友人の勧め)の順に
挙げられた。
　詳細は以下のとおり：
　1)ハードの充実――商品品質(9.6%)、サービスの高さ(8.8%)
　2)イメージ――自己個性との一致(7.7%)、流行(6.3%)
　3)企業背景――企業力(7.5%)知名度(7.4%)、中国商品(6.7%)、外国商品(6.6%)、
高級イメージ(6.4%)、頻繁な新商品発表(6.3%)、市場独占率(6.0%)、多角経営
企業(4.3%)
　4)商品の知名度――家族の意見(5.4%)、友人の勧め(5.0%)

〈若者の所持品〉
　「アメリカの文化を理解したいのなら、「マルボロ」を吸い、「マクドナルド」を
食べ、「コカコーラ」を飲めばいい」と言う人がいる。これらの企業ブランドは既
にアメリカの文化の一部になっている。
　商品購入の選択に生活パターンが隠されている。現代の若者にとってはコカコー
ラを購入するということは、飲料としてだけでなく、生活パターンと文化を選んで
いると言える。これは若者の購買に対する新しい視点であり、若者の所持品にもこ
のことがあらわれている。
　所持品調査結果は以下のとおり：
　携帯電話(71.1%)、クレジットカード・キャッシュカード(48.2%)、タバコ(34.7
%)、携帯モバイル(22.1%)、名刺(21.1%)、サングラス(15.9%)、ネックレス(10.9%)、
ブレスレット(8.8%)、PDA(8.4%)
　携帯電話は71.1%に達し1位となった。信息産業部の発表によると、2001年10月の
全国携帯電話普及率は9.2%である。2位はクレジットカード・キャッシュカードで、
約半数の若者が所持していた。
　さらに、生活水準の高い都市に住む若者ほど携帯電話とキャッシュカードの所持
率が高くなっている。注目すべきは、18歳以下の若者の携帯電話、キャッシュカー
ドのそれぞれの所持率が24.7%、32.4%ということである。この数値は全国水準には
及ばないものの、無収入の学生によればこの数字は実際より低いという。
　その他、最近流行の携帯モバイルの所持も少なくなかった。18歳以下の所持率は
42.4%で平均より20.3%上回っていた。携帯、キャッシュカード、携帯モバイルは、
成功、裕福、流行などをあらわす商品となっており、お金を惜まず保有することが
流行の最先端の証明になっている。
　調査では、半分以上の若者が商品を購入する際に色、形、包装を重要視しており、
高収入の若者ほど商品の機能以外の部分を需要視している。企業ブランドにはその
企業の文化が内在しており、ターゲットの消費者の心理をつかんだ商品が多くの企
業ブランドの中から選ばれるという結果になった。〔6月16日中国青年報〕

……【相次ぐ炭鉱事故】……………………………………………………………………
●今年鉱山事故で3393人死亡　
　このところ航空機事故、炭鉱ガス爆発事故、インターネットカフェ火災が相次ぎ、
そのたびに数十人から100人以上が死亡している。実際、中国では近年さまざまな事
故で毎日300人が死亡し、年間の経済的損失は三峡ダム2基分の建設費に相当する規
模になっている。
　国家経済貿易委主任を務めたことのある盛華仁委員は「近年の生産における安全
状況は非常に深刻なもので、重大事故が頻発し毎年事故の死亡者が10万人以上に達
している。死亡者が最も多いのは交通事故で、次が鉱山事故である。鉱山事故の中
心は炭鉱で、炭鉱の中でも小型炭鉱が多い。炭鉱事故で最も多いのはガス爆発であ
る。こうした事故はほとんどが過失事故であり、規則に違反した作業で起きており、
大多数は完全に避けることができたものである」と指摘した。
　最新統計によると、今年に入り中国の鉱山事故は2014件に達し3393人が死亡して
いる。


……【国内経済】……………………………………………………………………………
●上海浦東に初の鉄道建設へ
　上海市が鉄道省と50億元を共同出資し、浦東に長さ113キロの鉄道を建設する。洋
山深水港1期工事と並行して進められ、2005年に完成、年間輸送量は100万TEU(標準
コンテナ換算量)に達する。上海の関係者が明らかにした。
　計画によると、この鉄道は金山鉄道支線を起点に、奉賢―南匯―蘆潮新城―浦東
空港―外高橋―何家湾―張廟を経由する。浦東空港と竜陽路間には現在リニアモー
ターカーが建設中であり、新鉄道の浦東空港までのルートについてはさらに調査中
だという。
　関係者は次のように指摘している。浦東鉄道が完成すれば水陸空の協同一貫輸送
体制がさらに強化され、国際的海運センターをめざす上海の洋山深水港からの輸送
システムが整い、コンテナ中枢港としての地位が向上する。上海を国際的な経済・
金融・貿易センターにし、長江デルタと長江流域地区経済の新たな飛躍を果たす上
で有意義である。
　
●中国の国際観光収入、世界5位に
　中国の国際観光収入が初めてドイツ、英国を抜いて世界7位から5位に躍進した。
世界観光機関(WTO)が発表した2001年世界観光統計で明らかになった。
　今回発表された統計によると、中国の国際観光収入は前年比9.7%増の178億ドル
で、初めて世界5位となった。世界市場に占める割合は3.8%。中国一泊旅行者は前年
比6.2%増の3320万人で、やはり世界5位だった。
　観光収入の上位は米国、スペイン、フランス、イタリア、観光客数の上位はフラ
ンス、スペイン、米国、イタリアの順。
　香港は昨年の国際観光収入が前年比4.5%増の82億ドルで、世界13位。一泊旅行者
は前年比5.1%増の1370万人で、世界14位だった。

●上海に大型のショッピングモール建設へ
　浦東陸家嘴の大規模ショッピングモール正大広場がまだオープンしていないが、
早くも上海西部でもっと大規模な観光ショッピングセンターが建設されることにな
った。
　上海港虹実業発展有限公司が15億元を投じ、紅橋開発区に虹橋ショッピングパラ
ダイスを建設、今年冬から来年春にかけて一部開業する予定。
　近く全面着工するショッピングパラダイスは、上海でもにぎやかな金虹橋生活区
に位置する。第1期分の建築面積は33万平方メートルに上り、観光用、旅客・貨物用
を含む130基のエレベーターのほか、3500台収容の駐車場が設置される。第2期工事
では高級ホテルとビジネスマンションが建設されるほか、ショッピングセンターに
隣接する物流センターや電子商取引サイトも予定されている。
　上海閔行に登記された港虹公司はフィリピン華僑の蔡振利氏が設立した。蔡氏は、
虹橋ショッピングパラダイスはアジアで最も規模が大きく、機能のそろったショッ
ピングモールになるだろうと語った。

……【環境】………………………………………………………………………………
●長江、黄河に年20億トンの土砂　13億トンは傾斜耕地から
　国務院西部開発弁公室の調査によると、土壌流失と土地の砂漠化は中国が直面す
る最も際立った生態環境問題の一つであり、近年、河川の水害が頻発し、砂嵐の害
がひどくなっている原因であるとしている。現在、全国の土壌流失面積は360万平方
キロに達し、国土の18.2%、砂漠化した土地は174万平方キロで、国土の18.2%を占め
ている。
　土壌流失と砂漠化の重要な原因として、森林や草地を壊し、荒れ地を開墾し、傾
斜地で食糧を栽培していることが挙げられる。長年、長江、黄河上中流の地区では、
森林を壊し、荒れ地を開墾し、傾斜地で耕作をしているため、世界で土壌流失が最
も深刻な地区の一つとなっている。長江、黄河に流れ込む土砂は年間20億トン余り
に達し、うち13億トン以上が傾斜地の耕地からものである。
　土壌流失と砂漠化がひどくなり、土地の生産力が大きく後退し、生態環境が急激
に悪化し、長江、黄河中下流地区の河川、湖沼、ダムは土砂が堆積し、水害の危険
が大きくなっている。また、北部地区は雨が少なく、乾燥し、水資源の利用で地区
間の矛盾が激化し、国民経済と人々の生活に大きな害がもたらされている。国は毎
年、多数の人力、物力、財力を投入し、水害、干ばつ対策と被災者の救援を行って
いる。

●中国の砂漠、国土の18%
　中国国家林業局は17日、中国の砂漠面積が国土面積の18.2%の174万3000平方キロ
を占め、さらに毎年3436平方キロの速度で拡大していると発表した。
　国家林業局は、8回目の「世界砂漠化防止デー」を迎えた17日、中国の風砂害の現
状を発表し、引き続き大規模な砂漠化対策事業を展開し、50年をめどに砂漠地区生
態防護体系の構築を目指すと表明した。
　中国砂漠化対策協調小組組長の周生賢国家林業局長は「自然的原因と歴史的要因、
ここ数年の乾燥気候の影響で局部的に改善したものの、全体的に悪化という傾向は
根本的に改善されていない」と指摘した。
　中国は世界で風砂害が最も深刻な国家の1つで、砂漠化は利用できる土地資源の減
少、生態環境悪化の加速、砂漠地域住民の貧困加速を招くだけでなく、大きな経済
損失をもたらしている。
　周局長は「中国は現在大規模な砂漠化対策事業を実施している。うち三北(東北、
西北、華北)防護林事業と京津風砂源改良事業は中国の砂漠の85%以上をカバーして
いる。この2つの事業で、北京、天津を含む西北、華北、東北西部の砂漠化問題は解
決される」と語った。また、「これまでに中国は砂漠の10%近くを初期段階で改善さ
せている。2010年までに砂漠化拡大傾向を基本的に抑制させ、2030年までに改良で
きる砂漠の半分以上を基本的に改良する。改良できる砂漠は、現在50万平方キロ以
上に達している」と説明した。
　全国緑化委員会、国家林業局などの部門は17日、北京で全国砂漠化対策を推進す
る個人と団体を表彰した。特に砂漠化対策で大きな貢献をした陝西省定辺県の農民、
石光銀さんには、「全国砂漠化対策英雄」の称号が授与された。石さんは、過去37年
間に地元住民の先頭に立って2000万本余りの木を植え、1万3000ヘクタールの砂漠を
改良し、モウス砂漠南縁に100キロ近い緑の障壁を築き、地元の食糧生産量と1人当
たりの収入を大幅にふやした。
　新中国が建国されてからの50年余りの間に、中国では三北防護林体系建設事業、
全国砂漠化対策事業、京津風砂源改良事業、退耕還林事業(農地を森林に戻す事業)
を通じて、2690万ヘクタールの森林を造林し、1500万ヘクタール余りの砂漠を改良
した。

……【文化・社会】………………………………………………………………………
●上海の出産適齢女性の出産率　一層の低下傾向
　上海市人口計画生育委員会の統計数字によると、上海の出産適齢女性の総和出産
率はおおむね全国平均の半分であり、今後さらに一層低下する傾向にある。
　上海市人口計画生育委員会の研究者によれば、上海の総和出産率の年々低下傾向
は上海の女性の出産に対する意識の変化を反映している。上海の女性は既に「男女
の産み分けにこだわる」ではなく「男女の産み分けにこだわらとの考え方を持って
いる。
　さらに、出産の選択権を自分が持ち、出産を選択してもいいし選択しなくてもよ
いと考えている。先日の濾湾区婦人連合会のアンケートによると、約10%の出産適齢
女性が明確に子供を産まないと回答した。
　上海は女性の労働人口比率が高い。子供の出産から育児まで多くの時間が必要で
あるが、さまざまな社会競争に参加する女性も少なくない。「相夫教子」(夫を助け、
子どもを教育する)が唯一の人生目標ではなくなった今、子供を産むことは既に結婚
の必然的な目的ではなくなっている。価値観の変化、自己重視のライフスタイルへ
の志向がだんだん強くなっており、女性は一層質の高い自由な家庭生活にあこがれ
るようになっている。〔中新網上海6月11日〕

●チベットで三大文化財の修復工事始まる
　チベットのポタラ宮、ノルブリンカ離宮、サキャ寺の三大重要文化財の修復工事
が26日始まった。
　総工費3億3330万元で、内訳はポタラ宮が1億7930万元、ノルブリンカ離宮が6740
万元、サキャ寺が8660万元。必要な資金はすべて中央財政から支出される。中央政
府がポタラ宮を修復するのは今回が2回目。1回目の修復工事は1989年から94年にか
けて行われ、総工費が5500万元だった。
　今回の修復工事は5年に及ぶもので、これまでのチベットの古代建築保護・修復工
事の中で最も工費が多く、最も大規模である。ポタラ宮とノルブリンカ離宮は世界
遺産に登録されており、サキャ寺は「第二の敦煌」と呼ばれている。

……【経済データ】………………………………………………………………………　
●中国の外国為替レート(仲値)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(中国人民銀行6月28日発表)
外貨名　　１００日本円　 　１００米ドル　１００香港ドル　　１００ユーロ
人民元　　 ６.８９０５　　　８２７．７１１０６.０６　　　　８１５.３７
〔6月28日発新華社〕
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