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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.344 2006年4月4日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:志向される言語と言語文化の目指す道】
●中国人の4分の1は英語を勉強するが堪能な人材は依然として不足
●中国20余の民族言語が存亡の危機 統計で判明
●2008年以降 国際連合では一律簡体字使用

┏【金融】
●政府は「他行照会手数料徴収」を無視できないはずだ

┏【国内経済】
●2005年ハイアールの家庭用冷蔵庫生産台数世界一
●「改革村第1号」の停滞 小崗村が目指す合作の道 中

┏【社会】
●中国列車トイレ100年間毎日汚物3000トン排出
●7割が医者の評判低下を認識

┏【経済データ】
●外国為替(4月3日)

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 弊誌は、1999年創刊以来7年間、340回に及ぶ中国関連の情報を送信し続け、
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編集はすべてボランティアによって運営されています。
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……【特集:志向される言語と言語文化の目指す道】………………………………
●中国人の4分の1は英語を勉強するが堪能な人材は依然として不足
 3億人!――専門家の予測では、数年後、英語を勉強する中国人の人口が英語
を母語とする国家の総人口を超える。

 中国全国では約3億人以上が英語(専攻、非専攻問わず)を勉強しており、そ
れは約総人口の約4分の1を占める。そのうち、小学校、中学校、高校、大学で英
語を勉強する学生は合計で1億人を超える。専門家の予測では、数年後、中国で
英語を勉強する人口が英語を母語とする国家の総人口を超える。
 これらの情報は、上海外国語大学で開催された「第二回中国外国語教育法国際
セミナー」で明らかにされたものである。

 教育部の呉啓迪副部長は、会議に出席し、次のように語った。
 「中国の外国語教育は1980年代中期以降、かなり大きな成果をおさめている。
2000年、中国の英語教育について「ドラゴン」計画が開始され、英語教育は小、
中、高一貫して行われ、外国語教育は小学校1年生―3年生で始まることになった。
これは、マルチリンガルの人材の育成、各学校の外国語教育大綱等の改訂実施、
中国独自の外国語教育システムの基礎となった」

 最新のデータによると、目下、中国の大学生在籍者は2300万人超で、中国の大
学生は世界最大の外国語学習グループとなった。
 呉氏は、長い間、中国の外国語教育は成果はあったものの、外国語教育におい
て「時間を費やす割に効率が悪い」という問題が依然として存在しており、多く
の学生の外国語レベルは中、低レベルである。同時通訳、翻訳といったハイレベ
ルな人材は依然として不足が深刻で、ある小規模な言語の使い手はまれにしかい
ないと強調している。〔金羊網3月28日〕

●中国20余の民族言語が存亡の危機 統計で判明
 中国で現在使用されている120余の少数民族言語のうち、使用人口が1万人以下
の言語が半数を占め、千人以下の少数民族言語が20余りに上り、存亡の危機にあ
るという。香港「文匯報」が統計データを引用し、報じた。

 報道によると、ホジェン(赫哲)語を使用しコミュニケーションをとれるのは
60歳以上の老人のみ。また、満州語を聞きとれるのは約100人、話せるのは老人
が約50人のみという。タタール語を使用しているのは1000人足らず。仙島語を使
用するアチャン族の一部の系統の人数は100人前後。消滅しかかっている言語の
多くには文字がなく、民族の歌や口承など口頭による言語で、口伝で伝承されて
いく。

 言語の多様性は人類で最も重要な遺産の一つで、それぞれの言語にはその民族
特有の文化、英知が秘められている。どの言語が失われても人類全体にとって損
失だという。世界で6000語近くの言語が加速度的に消滅しており、約3000余の言
語が失われつつある。
 雲南大学研究言語民族文化の李霽弘氏は、中国の民族の言語は、既に一部は現
時点でも救済不可能な状態で、ある言語の消失は一つの種の消失に匹敵すると語
る。

 中国社会科学院民族人類学研究所の黄行・副所長は資料を示し、中国で現在使
用されている少数民族の言語は120余。だが、それぞれの言語の使用人口はまち
まちだという。
 少数民族の言語の約90%は壮語、ウィグル語、イ語、ミャオ語、チベット語、
モンゴル語、プーイー語、朝鮮語など15種類の言語に集中している。うち、80%
以上の少数民族言語の使用人口は10種の言語に集中している。
 黄副所長は、少数民族のうち使用人口が1万人以下の言語が総数100余りの言語
の半分を占め、とりわけ使用人口1000人以下の20余の言語は存亡の危機に瀕して
いると指摘する。これらの言語を記録し、新たな主導型政策、新しい措置を実施
し、これら言語の活力を強化するのが急務である。

 ただ、資金面での制約が中国の少数民族の言語の大きな障害となっている。国
の2言語政策は、ほとんど理論上のものになっている。実際に実施するとなれば、
教育コストがふえるため、多くの地方では2言語教育が形式的なものに流れがち
だという。1年生の教材を作成すると、2年生の教材を作成する資金がないのだ。

 国際連合教育科学文化機関(UNESCO)駐中国文化局プログラム・スペシャリス
トのベアトリス・カルダン氏は取材に応じ、中国は、他国における無形文化遺産
保護の実績を検討し、取り入れるべきであると提案した。
 中国は多くの分野で進歩しているが、現地の無形文化遺産の所有権に対して、
関係者や地方の民間団体との協力体制を強化し、より有効な方針、政策を制定し
実効性を図るなど、まだ多くの努力が必要だと語る。〔中国新聞網3月25日〕

●2008年以降 国際連合では一律簡体字使用
 22日、中国応用言語学会会長で、元国家語委の陳章太氏が明らかにしたところ
によると、国際連合の決定により、2008年からは国連で使用される中国語はすべ
て簡体字中国語となる。

 国務院の「漢字簡化方案」「共通語普及に関する指示」発表50周年を記念して、
22日、教育部は著名な言語学者と記者を招いた。この席上、中国応用言語学会で、
元国家語委の陳章太氏は、国際連合の決定により、2008年からは国連で使用され
る中国語はすべて簡体字中国語となることを示した。現在、国際連合で使用され
ている言語は2種類、繁体字中国語と簡体字中国語である。

 著名な言語学者で、現在100歳という高齢の周有光氏は、現在、国際連合がす
べての中国語文書を簡体字にするよう準備していると述べた。2種類の字体は必
要ないからである。
 「仮に、簡体字が使用されるようになれば、漢字の簡略化という方向性が正し
いと証明され、全世界の大多数が同意したということである。同時に、我々の国
家が与える国際的な影響力はますます大きくなり、世界各国で中国語を勉強する
人がふえていくという状況下においては、簡略化が徐々に中国の唯一の標準にな
りつつある」

 簡体字の中国大陸部以外の華人地域での使用状況について、専門家によると、
現在、香港は共通語を推進する学校が多いが、香港政府として明確な政策を持っ
ているわけではなく、民間レベルで行われている。そのほか、台湾でも一部で簡
体字を使用されているという。

 専門家は、2005年の世界主要言語実力調査報告では、中国語は世界第2位にあ
ることを明らかにした。目下、中国は国外で中国語を広める「孔子学院」は既に
40カ所にもなった。〔北京晨報3月23日〕

……【金融】………………………………………………………………………………
●政府は「他行照会手数料徴収」を無視できないはずだ
 先日、銀聯が「国際慣習」に従ってATM機による他行照会に手数料を徴収する
ことがわかった。
 中国銀聯の責任者は、ATM機による他行照会手数料徴収は決定的になったこと
を認めた。しかし、手数料徴収対象はカードの所有者ではなく、カード発行銀行
であるという。とはいえ、銀行側はこの費用をカード所有者に転嫁することはな
いのだろうか。
 手数料基準は0.1元か0.15元かで現在まだ確定していないが、多くの専門家は
銀行業界の前例から、この費用は最終的にカードの所有者に転嫁する可能性が大
きいと分析する。

 「へえ、また料金を徴収するのか」この銀聯カードは一つの大きな落とし穴の
ように感じる。
 まずさまざまな理由をつけてカードを持たせる習慣を持たせ、それからいろい
ろな理由でカードから各料金を少しずつ引いていく。「年会費」から「他行照会
手数料」まで、金額はそんなに多くないが、消費者にとっては銀行にだまされた
気がする。照会に料金を徴収され、そのほかに料金を徴収されないものなんてあ
るのだろうか?

 ふと銀聯の創立当初の目的を思い出した。当時、中国人民銀行の頭取だった戴
相龍氏は「一枚のカードを持てば、全国どこでもOK」という触れ回しで銀聯の創
立意義をまとめた。
 すなわち、国内銀行カードのネットワーク化に寄与し、カード所有者の消費の
利便の拡大に寄与する。あるいは、多国籍企業が世界市場での独占的な優位性を
利用して中国市場に入り込み、独占的に利益を搾取し、民族企業の成長阻害とな
ることを防ぐのに役立つというものだった。

 しかし、今日の銀聯のやり方を見ていると、カード所有者は苦笑いするしかな
い。消費者は「カードのネットワーク化」という消費の利便を十分享受していな
いのに、少しずつ搾取され始めたのだ。
 便利さを求めて他行照会をしようと思って手数料を徴収されるなんて、「全国
どこでもOK」とはとんでもない話だ。
 中国の銀行業はまだ多国籍企業による「独占的に利益を搾取」に遭遇していな
いが、消費者はそれより先に「多国籍企業の搾取を防くため」につくられた「民
族銀行業」による「搾取」に遭っている。
 消費者が民族銀行業に搾取されると多国籍企業に搾取されることには一体どれ
だけ違いがあるのだろうか?

 本来、「空母」をつくり、コストダウンによって国民にさらに多くの便宜、さ
らに高い品質のサービス、安全な資金保障を提供してもらうつもりだったのに、
これらの諸機能がはっきりあらわれていないうちから、一つの「盟主」企業の独
占による弊害がまずあらわれてきた。
 銀行カードの年会費を徴収もしかり、深センで起きた銀聯と小売業者との支払
い手数料問題もしかり、今回の他行照会手数料もしかりで、利益追求を目標とす
る株式会社として、銀聯は日夜政府が与えられた独占的地位で市場利益の独占を
求めている。

 カード所有者の利益が損なわれる中、政府は「市場のことは市場で解決」との
口実で傍観しているだけだ。
 まず、これは単純な市場行為ではない。銀聯の誕生は、中国市場で自然発生し
たのではなく、至るところに政府支援の跡がある。
 政府の関与で一つの独占者が生まれ、目下この独占者がやりたい放題している
のだから、政府は当然、その監督、管理責任をとらなければならない。

 一方、カード所有者は立場的に弱い個人であることにかんがみ、政府は立ち上
がって関与を行うべきだ。
 昨年の銀行カード手数料事件で、消費者は早くも弱い立場であることが表面化
した。銀行が十数億人の巨大な預金人口を持っており、その力は見たところは非
常に強大だが、一枚岩ではないので、多くは個人個人で銀行に対抗している。そ
のため、その力はとても弱い。銀行もその預金者の抗議を相手にせず、銀行カー
ド料金の徴収を強行できるのだ。
 もし政府が関与しなければ、今回の「他銀行照会手数料」も徴収が強行され、
「払ってもいいから払う」という前提が崩れ、料金徴収は底なし沼になろう。

 他行照会手数料は、絶対に我慢できない。[北京放送網3月23日]

……【国内経済】…………………………………………………………………………
●2005年ハイアールの家庭用冷蔵庫生産台数世界一
 世界的な市場調査研究会社である富士経済は、世界の主要白物家電製品の2008
年までの生産業績を予測するべく、有名企業に広範囲の調査を行った。
 その報告によると、2005年の家庭用冷蔵庫生産台数は、ハイアールが世界一と
なった。今回の調査結果は、ハイアール冷蔵庫が世界一の規模となったことを意
味している。

 ハイアール冷蔵庫の「生産台数世界一」とは、すなわち「売上高世界一」とい
うことだ。その理由は、現在ハイアールは「在庫ゼロ」、冷蔵庫は1台1台オーダ
ーに基づいて生産されている、つまり、生産ラインに冷蔵庫があるということは、
新しい顧客を創造したことを意味しているからだ。
 よって、生産台数世界一とは、売上高世界一、世界一のシェアを持つというこ
とだ。

 もっと深い意味として、このことはハイアール冷蔵庫のシェア拡大だけでなく、
ブランドが拡張したと言えよう。21年間の発展を経て、ハイアール冷蔵庫は世界
のトップ地位まで上りつめた。
 2005年9月1日、北京の人民大会堂でハイアール冷蔵庫は国家品質検査総局によ
り001号「中国世界名牌製品」の表彰メダルを授与され、それは今までの中国企
業における最高の栄誉となった。
 名もない家電企業から世界レベルのブランドまで成長してきたのは、ハイアー
ル冷蔵庫が国際有名ブランドの100年の発展の道筋を「20年間」に短縮したとい
うことであり、その発展の軌跡は国内外の同業者に奇跡だと評価された。

 近年、エレクトロニクス産業は世界規模で競争が激しくなるとともに、成長は
緩やかになっている。ただし、ハイアール冷蔵庫は技術革新を繰り返し高速の成
長を保っており、世界有名ブランドとともに競争し、徐々にトップへと上ってい
った。富士経済の調査結果がその一番よい証であろう。
 中国企業の国際化への門戸は既に開かれているが、実力が充実している国際大
ブランドと比べ、国内企業はまだ弱く、特にコア技術と国際的ブランドを欠如し
たままだ。

 ハイアール冷蔵庫の出現は中国人にとって誇りと言える。
 「世界一の規模、世界一のブランド」として、ハイアール冷蔵庫が世界白物家
電の覇者となった。業界の専門者は「ハイアールは既に世界的なブランド戦略を
行い、世界各市場では多国籍企業との競争に直面している。世界的ブランド戦略
を発展させれば、今後の冷蔵庫市場で、ハイアール冷蔵庫は冷蔵庫業界のトップ
の地位を維持できよう」と語る。〔新浪財経3月21日〕

●「改革村第1号」の停滞 小崗村が目指す合作の道 中
(前号より続く)
〈ブランドによる利益〉
 厳徳文さんは、舗装された道を通って江蘇張家港長江村に向かった。小崗村か
ら出稼ぎに出ている人のほとんどが長江村に行っている。長江村と小崗村の関係
はこれだけではない。
 小崗村の「友誼大通」と名づけられている道は、幅22メートル、長さ数千メー
トルの簡易舗装道路で、1997年に長江村と小崗村が友好村提携を締結した際、100
万元の寄付を集めてつくられたものである。
 また、小崗村の105家庭にあるカラーテレビは、2002年に長江村から送られた
ものである。
 小崗村の80ムーの優良品質ブドウが栽培されているモデル果樹園は、2001年に
長江村からの建設扶助によってつくられたもので、長江村は村民から1ムー当た
り600元のレンタル料を得ている。ブドウを植えた後は又貸しされ、現在の村主
任である厳徳友さんが管理している。目下、小崗村ではほとんどの家がブドウを
植えている。総面積450ムー、1ムー当たりの収入は2000元である。
 2002年から、長江村は小崗村のために6期にわたる各種職業訓練を実施し、二
百数名の村民、20名の小崗村の幹部訓練を実施し、小崗村の村民に沿海部先進地
域の新観念、新思想、新知識を伝えている。

 「彼の言うように、裕福になった中国の農民は小崗村を忘れることはできない
のです。1997年から、長江村と中国農村第1号改革村である安徽鳳陽小崗村は、
相互扶助提携を結びました。8年で彼は小崗村のあらゆる場所に足跡を残し、彼
の忙しそうな姿は小崗村の皆の記憶に刻まれています」
 これは中央テレビ局の第7チャンネルで放送された長江村党委員会の郁全和書
記のことであり、昨年11月、彼は小崗村村民委員会名誉村主任に任命された。

 小崗村は余すところなく小康と文明的なモデルをつくり上げた村だ。
 「中国農民調査」という本によると、小崗村の電話は鳳陽電信局が出資して設
置され、学校は教育委員会が3カ月で建設し、給水塔は建設庁、水務局などによ
って建てられ、壁は県委員会などの6部門によって塗装され、各家庭に衛生的な
トイレがつくられた。友誼大通の両側に植えられているナナミノキの木は、5、6
月の酷暑の時期に一生懸命植えたもので、業務に熟練する労働者2人が丹精込め
て世話し、株を成育し、鳳陽県の林業局の技術員は「高温での植樹」という論文
で安徽省科学技術進歩賞を獲得した。
 これらが1998年に200数万元を投資して行われたもので、さらに多くの投資が
続けられている。

 〓州市委員会、市政府、鳳陽県委員会、県政府は300数万元を投資して、小崗
村に30ムー、建築面積の2600平方メートルの「赤色旅行(革命に関係する場所を
観光する旅行)」の名所となる全面請負制記念館を建設した。
 2003年12月21日、小崗村、長江潤発グループ、〓州通力グループ、〓州緑豊公
司、張家港中興不動産が共同で3000万元を投資して、小崗村近代農業発展株式有
限会社を起こした。
 上海三農公司は小崗村に定住して、「会社+農家」という方法で、小崗村の村
民と契約を締結することで「大明貢ブタ」の飼育基地として発展を目指している。
2005年には40軒の農家で繁殖用の種ブタを飼育した。最初の種ブタは順調に小豚
を産み、1世帯当たり養豚で平均750元の収益をふやした。

〈事業失敗で次から次へと崩壊〉
 厳徳友さんは現職の小崗村の村主任で、厳俊昌村長の4番目の息子である。2003
年に鎮党委員会副書記の職務を辞職して、小崗村村主任の選挙に立候補した。彼
は「全面請負制」の第2世代として、小崗村ブランドを絶対につぶしたくないと
思っている。
 小崗村の状態はおもしろくはないものの、現実を直視しなければならない。経
験と教訓を総括し、小崗村に存在する問題を解決する新しい方策を必ず探し当て
ると語る。

 小崗村は、一貫して模索が続いている。

 1993年、小崗村では早くも「小崗村農業実業総公司」が設立され、18の全面請
負制リーダーの1人である厳宏昌さんがこの法人の代表と社長を務めることで、
以後、プロジェクトを呼び込んで事業を立ち上げ、集体経済の拡大を図った。
 この会社の経営のもと、多くのプロジェクトや資金が導入され、「小崗村」の
名前を冠した、瓶のふた工場、電子メーター工場、製粉工場、オートバイミラー
工場、銅線工場、工芸布団工場、食用油工場などの工場が相前後して立ち上げら
れた。

 しかし、瓶のふた工場は運営してほどなく爆破され、公安局も来て調査したが、
最終的には未解決のまま棚上げにされてしまった。電子メーター工場は工場の建
物ができ上がると、共同経営者が逃げてしまった。製粉工場も準備中に破綻して
しまった。
 銅線工場はまだあるが、工場は小崗村にはない。厳徳友さんは、村の銅線工場
の株式の問題を調べた上で、「村の保有する40%以上の株式が厳宏昌さんに横領
され、個人資産になっている」と話す。

 厳宏昌さんは小崗村で1番の金持ちだ。誘致した企業が次から次へと失敗した
ことについて、厳宏昌さんに罪をなすりつけている村民も少なくない。
 厳美昌さんは数年前に製錬工場を始める際、湖南の共同経営者に渡された証明
と委託書を保管している。厳宏昌さんは自称「解放日報」駐合肥記者クラブのク
ラブ長とともに、十数万の私財をだまし取り、湖南の共同経営者は厳美昌さんに
頼んでお金を取り戻そうとしている。
 厳宏昌さんはこれを否定している。湖南の共同経営者が書いた借用証書を見せ
て、小崗村の電気代や水道代、借地料などの数千元の借金は、小崗村の工場の建
物を売り払って、そのお金で返済するように頼まれたと説明している。
 また、製錬工場の失敗については、厳宏昌さんは共同経営者が契約しなかった
ためだと話す。この共同経営者は小崗村に市場を求めたが、小崗村は市場ではな
かったのだ。
 小崗村農業実業総公司で今まだ残っている銅線工場などの企業は、厳宏昌さん
は個人に属すると認識しており、今活気がなく、流動資金がないので誰からも問
い合わせがないが、経営がうまくいけば大挙して奪い取りにくるだろうと考えて
いる。

 「小崗村はもともと貧しく環境も悪く、1990年代に企業を起こしたくても、小
崗村自身ではできないので小崗村ブランドを立ち上げたのですが、小崗村にとっ
て有利なことは一つもありませんでした」
 厳宏昌さんは、企業を起こしていなかったら、政府から小崗村への実際の補助
はとても少なかっただろうし、小崗村はただ呼び込むというだけでしかなく、管
理権も支配権もないと考えている。
 十数年このようにしてやってきて、小崗村には自前の企業がなく、集体経済が
ない。工業化の道は困難で、どういう産業を興せばいいのだろうか。

 村民によると、数年前、日本駐上海総領事館と鳳陽県農業局との間で、日本側
から1000万円の支援を受け、中国側では小崗村での農畜産業の開発を行うという
契約を交わした。
 これが始まると、小崗村の農民はアヒルを飼った。アヒルは各家庭の請負制と
し、1軒で10数匹を飼ったが、結局死んだり逃げたりして、効果も利益もないだ
けではなく、元金も回収できなかった。
 日本側の検査があるときは、鳳陽県から何匹かアヒルを連れてきて対処した。
村民は「全面請負制」の後、官僚主義、大げさに物事を言う傾向がまた始まって
いる。

 アヒルは飼わなくなってからは、村の入口に費孝通氏が書いた「鳳陽県小崗
村」の表示のそばに日本の援助で建てた小さなビルが村民委員会の事務室として
使われた。そして、その年に建てられた電子メーター工場の建物を、2004年末か
ら請け負って厳留昌さんが招待所を開いている。

 小崗村にはしょっちゅう視察する人が来ており、それが旅行ツアーにまで発展
し、招待所建設がまず必要であった。しかし、厳留昌さんが心を動かしたのは、
沈浩書記が2004年10月、2005年のプロジェクトは、自由市場、東莞の電子工場、
自由市場のそばに建てられる県1級病院だと話したことにある。
 もしこれらのプロジェクトが行われれば、招待所を始めても顧客の心配はない
し、もともと村では頻繁な接待も行われていると考えた。

 招待所のため、村はかなりの額を費やして貴重な木を購入して公園をつくった。
布団や家具を設置し、「VIPルーム」にはエアコンも入れ、接待所は2004年12月28
日に開業した。
 村の人はよく来るが、指導者は招待所へ顧客を連れてこなかった。厳留昌さん
は焦って、沈浩書記に「当時、私とあなたの関係なら、経営が悪くなるはずがな
いですよと言ったじゃないですか」と訴えた。沈浩書記は自分と厳留昌さんにど
ういう関係があるかわからないと話したという。

 経営して1年がたち、厳留昌さんは1年間の招待所の顧客リストをつくった。夏
休みの期間は大学生が延べ30人、記者が延べ10人、測量チームが延べ10数人。そ
して、○○局の労働者が延べ80人もいた。
 ○○局の労働者は食事代は払ったが、800元の宿泊料は払わなかった。この○
○局の2人の指導者は「私たちは小崗村のために無償労働しているのに、食事や
宿泊に金を取るのはひどいじゃないですか」と言う。最後の日、この2人の指導
者は厳留昌さんに1枚のメモを残した。「小崗村の招待所で27回食事をして、13
日間泊まった」
 このメモを厳留昌さんはとってあるが、招待所を経営し続けることは困難であ
ると悟った。招待所に3万数元投資したが、1年で6000元しか回収していない。
 村支部の関有江副書記は、設備が余りに悪いので、招待所はやっていけないの
だと思っている。関有江副書記は招待所に2万数元投資している。
 2005年、小崗村には招待所をやり手がいなくなったので、招待所の公園は荒れ
果てて、貴重な花や木も雑草だらけとなった。「果樹だったら実がたべられるの
だけどね」厳留昌さんは自嘲ぎみに言った。
(次号へ続く)
〔南方都市報3月7日〕
注)〓はさんずいに「除」

……【社会】………………………………………………………………………………
●中国列車トイレ100年間毎日汚物3000トン排出
 ある統計によれば、中国では毎日3000トンのふん尿の汚水が列車から線路にま
き散らかされている。列車のふん尿は深刻な生態環境の汚染となっている。専門
家は、できるだけ早い対応を呼びかけている。

 目下、中国の鉄道の総延長は既に7万キロ以上に達しており、毎年延べ10.5億
人を輸送している。しかし、中国の列車トイレは100年前と同様で、排せつした
ものをそのまま車外へ廃棄している。
 専門家は、一人当たり毎日0.5キログラムの便、1.5キログラムの尿を排出する
として、全国で毎日鉄道の両側にまき散らかされているふん尿は少なくとも3000
トン以上、大型休暇期間中に列車から毎日車外に排出されるふん尿は累積1万ト
ンを上回ってしまった。
 2006年の春節のラッシュ期間中では、1週間連続で毎日鉄道旅客数が延べ400万
人を突破し、春節期間全体で延べ1億人に達した。ふん尿の汚染は驚くべきもの
となっている。

 吉林北華大学の宋福祥・副研究員は、国家環境保護総局の潘岳副局長にあてた
手紙の中でこのように述べている。
 医学研究によれば、人及び動物の排せつ物は伝染病、よくある病気、多発病、
寄生虫病、職業病といった多くの疾病の根源となる。
 むろん、人間の排せつ物が、高速で走る列車から車外に廃棄されれば、急速な
気流と圧力によって分解され、微粒子となって空気中を漂い、人に伝播してしま
う。

 列車の排せつ物汚染については、既に国家環境総局が高く重視している。
 目下全国に4万両の列車が存在し、それぞれの列車のトイレは少なくとも30カ
所を超えている。全国で大体120万のトイレを改造する必要がある。
〔中国新聞網3月28日〕

●7割が医者の評判低下を認識
 中国社会調査所が25日発表した調査によると、67.4%の受診者が医者の評判が
下がっていると考えていることが明らかになった。

 2003年のSARS以降、医者の評判は大幅に上がった。
 今回「民衆が医者の金銭授受行為をどのように扱うか」というアンケートに対
する調査結果によると、67.4%の受診者が医者の評判が下がっていると考えてい
ることが明らかになった。評判が下がった原因として、30.2%の受診者が現在の
医者は過度な利益追求をすると考えている。

 調査によると、46.5%の受診者は医者の金銭授受は日常茶飯事のことで、病院
の「暗黙の了解」事項になっていると考えている。
 医者の金銭授受がとまらない原因として、65.1%の受診者は病院の管理が緩い
と考えている。
 金銭授受問題の解決方法としては、72.1%の受診者が責任制を実行すべきだと
考えている、それは、一たん医者の金銭授受が発覚した場合、病院の院長の責任
が問われるということである。〔京華時報3月26日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                       (中国人民銀行4月3日18:24)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.7871  802.1   103.37   970.13
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《編集者コラム――閉校》
 私の母校が閉校することになり、そのイベントに行ってきました。私が通った
学校、公立、私立、国立の中で、いずれ私立の母校は少子化とともになくなるだ
ろうとは思っていましたが、まさか真っ先になくなる母校が国立のものであろう
とは思ってもみませんでした。
 御年配のOBの方が最後に「蛍の光」をみんなで歌いましょうと音頭をとって歌
ったのですが、現実に母校がなくなるとはこんなに寂しいんだと思いました。母
校で要求された勉強量は相当なもので、大変だっただけに思い出すことは多く、
寂しさは深いです。
 校舎に入ると、そこから見える階段の踊り場に書画がかかっています。そこに
は誇らしい漢字が書かれていて、大いに励まされたものです。懐かしくそれを見
てみると、実はそれは一部簡体字で書かれていることに気がつきました。
 不思議な日本語として認識していたその文字列の意味が最後の最後になってよ
うやくわかり、実は中国の視察団が私の母校を訪問した際の記念として贈ったも
のだということに初めて気がついたのでした。(ま)
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:劉志軍 戴小芳 アヤ 郭暁楠 奥谷道弘 リン
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