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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.463 2008年10月14日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:6,267名(2008年10月13日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:世界経済停滞と中国へのインパクト】
●経済情勢に不安 上海など7省市が成長予想を下方修正
●不動産市場の「金九銀十」は既に昔の話 易憲容氏
●中国は今年初めてインドの最大貿易相手国に
●中国の輸入需要は減速 59の国の対中輸出はマイナス成長

┏【自動車】
●北京10月11日より時差通勤実施 公用車の使用を3割削減

┏【国内経済】
●2007年全国工商聯の一定規模以上の民営企業調査結果公表

┏【経済データ】
●外国為替(10月13日)

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……【特集:世界経済停滞と中国へのインパクト】…………………………………
●経済情勢に不安 上海など7省市が成長予想を下方修正
 中国経済が経済の悪化と金融不安の二重の脅威に直面している。
 当面の情勢を正確に判断するため、国家発展改革委員会総合司の石剛司長一行は
このほど南京を訪れ、江蘇省、安徽省、山東省、上海市、重慶市、南京市、杭州市
など7省市の発展改革委員会総合開発処長を招集し、経済情勢座談会を開催した。
テーマは経済運営問題の調査研究で、2008年通期の経済動向予想の根拠を検証し、
2009年の方針について検討した。
 座談会での各地の2008年通期の経済見通しに対する不安の程度はまちまちだった
が、経済成長見通しを次々と下方修正している。上海市や安徽省などはGDPの見通
しをそれぞれ上半期より0.3ポイント、0.5ポイント低い10.0%、13.7%に引き下げた。

〈上海のGDP成長率はここ数年の最低水準に〉
 発展改革委員会のウエブページ上の情報によると、2008年以来、マクロコントロ
ールの影響で、中国の多くの省の経済の成長率は程度は異なるが低下傾向にあった。
山東省、江蘇省、杭州、南京のGDP成長率はそれぞれ13.8%、13.6%、12.4%、13%で、
それぞれ0.9ポイント、1.4ポイント、2.0ポイント、2.6ポイント低下している。上
海のGDP成長率は10.3%で2.7%低下し、近年では最低水準となった。

 座談会では、江蘇省、安徽省、山東省や上海市などの7つの省市と発展改革委員
会の代表は、当面の経済情勢について「経済運営全体としては安定している」との
共通認識を持っていた。サブプライム危機の影響はまだ沈静化していないため、中
国国内の株式相場、不動産市場、自動車市場の3市場が頭打ちで、各地で相次いで
経済成長予測が下方修正されている。
 発展改革委員会の石剛総合司司長は次のように述べた。「世界情勢はおしなべて
困難な状況にあり、中国一国のみが成長を維持することは大変難しいが、経済減速
を正常範囲に保つ」石剛司長は微妙な問題であることを強調しつつ、次のように述
べた。「今後数カ月は経済予測の監視を強化する。できる限り早期に問題の兆候や
傾向を発見し、適切な経済政策を打つことで経済の安定的成長を維持する」

〈専門家 経済面のデフレの恐れ〉
 経済学界では、中国経済が二つの難問に直面していることに非常に注目している。
 「2008年下半期に、中国経済は減速局面に入ったと認識している」中国マクロ経
済学会の王建秘書はこのほどこう指摘した。中国経済は2007年下半期を転機として、
2008年上半期から経済が下降しているというのだ。

 北京大学中国経済研究中心の宋国青教授は、「石油、石炭、セメントなど多くの
コモディティー価格は最近、全面安になっている。工業企業の生産状況も低下し続
けており、こうした傾向とインフレの軟化は一致している。デフレが非常に進んで
いる」

 国家統計局の月次データでは、工業成長率が下降の一途をたどっていることがは
っきりと示されている。データによると、中国全国の一定規模以上(通年の主要事
業の収入が500万元以上の企業)の工業企業の成長率は、2008年3月に前年同期比
17.8%だったものの、5月には16.0%、7月には14.7%、8月には12.8%に低下している。
工業成長率12.8%というのは市場が予想した成長率(対前年同期比)をはるかに下
回るもので、成長率は2002年8月以来過去6年で最低の水準となった。

 宋国青教授はこの点について次のように述べた。「データによると、消費者物価
指数(CPI)は前年同期比で明らかに低下しており、既に2008年8月からデフレが始
まっているか、デフレへと向かいつつあった。2009年、2010年にはインフレ率が低
下し、一部にデフレがあらわれる可能性もある」

 JPモルガン・アジア・パシフィックのキョウ方雄マネージング・ダイレクターは
次のように話す。「商品、資源、エネルギー価格は全世界的に大きく下落しており、
2009年5、6月のCPIはマイナスになる可能性がある」

 北京航空天大学の任若恩教授は、次のように語る。「インフレは現在、既に注目
すべき問題ではなくなっている。本当に心配なのは、経済のハードランディングや
デフレだ。当面は自国通貨のデフレと貸付金の利払いによって、自国の実体経済が
損なわれる可能性がある」
 任若恩教授は、1997年と1998年の経験から、経済が減速し始めた場合に経済の活
性化が適時実施されなければ、経済減速からの救済にはより大きな力と長い時間が
必要となるとしている。経済を底上げする3つの牽引要素のうち、消費の刺激を期
待する人は多いが、所得の大幅な増加は当面は難しい状況にあり、よい方法は投資
の成長を加速させることだという。
〔毎日経済新聞2008年10月8日〕

●不動産市場の「金九銀十」は既に昔の話 易憲容氏
 今年の国慶節ゴールデンウィークが幕を閉じた。これまで、ゴールデンウィーク
は不動産業最盛の時期であり、全国不動産市場にとってカーニバルであった。よっ
て、当然「金九銀十」(9月、10月の消費最盛期)は不動産開発業者の収穫の季節
だった。
 しかし、今年、「金九」があらわれず、さらに「銀十」もない。例えば、深セン
で開かれた不動産秋季取引交流会では、不動産価格が低迷しているにもかかわらず、
1日の売り上げは2005年までとはけた違いで、2006年とは比べ物にならない状況と
なった。つまり、国内不動産市場の「金九銀十」は既に昔の話になったのである。

 前に筆者が指摘したようなことだが、不動産政策、市場環境、国内外金融市場、
住民の住宅への考え方、住宅購入対象者が変わったのに、不動産開発業者の経営戦
略と販売パターンは変わらず、不動産市場の価格も調整されておらず、市場の需給
関係においていかにして両者を結びつきを見出せるのか。

 今回の取引交流会では、開発業者が割り引き販売を推進しているにもかかわらず、
なぜ売り上げとは直結しなかったのかというような意見を言う人もあるかもしれな
い。実は、競争相手はだれか、取引相手はだれかがポイントとなる。
 深センの不動産は前年同期比24%近く急落した。これは昨年との比較である。当
時取引をするのはほとんど投資あるいは投機的売買を狙う人たちである。住宅を買
って自分がそこに住むという人たちにとって、2007年のこれ以上高くなることのな
い住宅価格はもうとっくに購入したい価格の範囲を超えていた。したがって、現下
の価格が昨年よりどれだけ低落しているかは彼らにとっては意味のない話である。
 彼らの購入意欲を引き出すには、不動産価格が彼らの購入してもよい価格の範囲
内まで下がることである。しかし、これはまたそれぞれの支払能力によって違う。

 このような状況のもとでは、開発業者が販売促進をどんなによくやっても、割引
を最大限にしても、不動産を買いたい住民は依然としてこの市場で取引しないかも
しれない。よって、現在の不動産市場では、今の商法で消費者の目を引くことを望
むのは不可能である。不動産市場の価格を平常どおりに戻して、購入可能なレベル
にするのが唯一の方法である。

 さらに、アメリカのサブプライムローン問題による不動産バブルのリスクがます
ます大きくなるにつれ、中国政府も短期的な経済振興政策を打ち出すかもしれない
が、アメリカの金融危機の二の舞を演じるわけにはいかないため、中国の不動産市
場が再び投機対象にならないようにすべく不動産転がしの制限を変えるはずがない
だろう。
 したがって、不動産開発業者にしても、地方政府、不動産投機筋にしても、再び
「金九銀十」の夢を見るのは不可能であり、「金九銀十」は早くも昔の話になるの
ではないかと思われる。〔北京晨報2008年10月8日〕

●中国は今年初めてインドの最大貿易相手国に
 今年以来、アジア経済が減速など不利な要素に直面する中ではあるが、中国とア
ジア諸国との貿易関係が良好である。

 商務部アジア司の呂克倹司長は7日、商務部ウエブサイトのインタビューに対し、
中国は今年初めてインドの最大貿易相手国になる見込みであると示した。
 昨年以来、中国と、インド、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、イラン、キ
プロス、モルディブなどの国との相互貿易が急成長し、その増加幅は30%を超えて
いる。アジア諸国における対中貿易の割合は絶えず上昇し、相互経済協力関係は一
層緊密になっている。

 呂克倹司長は、今年以来、世界経済の直面する不利な要素が増大し、アメリカの
サブプライムローンによる金融危機の影響が拡大している。アジア域内の経済成長
は長期にわたって高速に発展しているため、大量の社会矛盾及び経済リスクを蓄積
し、高インフレ及び過剰流動性は短期間内では有効的にコントロールすることがで
きないと見ている。
 原油高、食糧価格の高騰が、高インフレと相互に影響し、アジアのインフレ率は
先進諸国の2―3倍になっている。中国、日本など少数の国を除いて、アジア通貨の
米ドルに対する価値は大幅に低下している。インド、韓国、ベトナムなどの国の貿
易赤字は急拡大し、フィリピン、タイの経常収支の黒字は明らかに減少している。
 それでも、呂克倹司長は、アジア経済は基本的には依然として良好であり、各国
は積極的な対応策をとっているため、アジア経済全体は今後引き続き成長していく
だろうとしている。

 呂克倹司長によると、中国はアメリカを抜いて初めて日本の最大の貿易相手国に
なった。同時に、中国は韓国の最大の貿易相手国、最大の輸出市場の地位を維持す
るとともに、初めて韓国の最大の輸入先となった。〔中国証券報2008年10月8日〕

●中国の輸入需要は減速 59の国の対中輸出はマイナス成長
 中国の輸出増加幅ははっきりと減少し、また世界経済の激動で中国の輸入貿易へ
の悪影響が出始めた。統計によると、今年の1―7月まで、全世界59カ国の対中国輸
出は前年同期を下回るマイナス成長で、例年よりも大幅に減少した。

 7日、商務部国際貿易経済合作研究院国際市場研究部の白明副主任は記者に、次
のように話した。
 200余りの中国の貿易相手国の中で59カ国の対中輸出は減少している。例年、こ
のような広範囲にわたる減少はない。そればかりか、今回はポルトガル、ギリシャ、
ベラルーシ、フィンランドなど中国と緊密な貿易関係にある一部の国の対中輸出も
減少しており、これを重要視すべきである。

 中国の輸出入貿易の減少は一部の国の対中輸出の増加幅の低下にあらわれている。
 商務部のウエブサイト上で7日に発表されたデータによると、今年1―8月までで、
タイの対中輸出の増加幅は前年比24.7%増にまで減少している。今年の増加幅は18
―22%の見込みであり、それは前年の26.3%より低い。
 また、シンガポールの対中輸出額は221億米ドルで、前年比6.6%増加したが、増
加幅は前年同期の7.3%より低い。

 中国の輸入需要は減少しつつあり、国際社会の分業は冷却し始めている。これら
はアメリカの金融危機に起因している。泰華農民研究センターはこの間、アメリカ
の金融危機が世界経済の減速をもたらし、この打撃を受け、中国の輸入需要及び工
業生産が減速の様相を呈しているという報告を発表した。

 白明副主任は、輸出が減少し、内需が不変であるならば、輸入はおのずと減少す
るはずだと語った。その上で、世界経済の低迷によって市場の需要が弱気になり、
輸出入貿易量の減少が世界の共通の課題となっているとした。

 金融危機に直面し、多くの専門家は「内需の拡大」が中国の問題解決のよい道だ
と指摘している。白明副主任も同じ見方を示している。しかし、「内需拡大と言う
のは簡単だが、国民に消費をさせるようにするには、制度や政策の整備が欠かせな
い」
 白明副主任は例を挙げ、もし、教育、年金など制度が改善され、国民の将来の生
活に対する不安が取り除かれれば、消費者の長期的な生活不安がなくなり、短期的
に貯金を減らし、消費に多くを回すようになるだろうと語った。
〔北京商報2008年10月8日〕

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……【自動車】……………………………………………………………………………
●北京10月11日より時差通勤実施 公用車の使用を3割削減
 北京市人民政府が28日公布した公告によると、2008年10月11日より時差通勤を実
施し、北京市各レベルの党政機関は公用車使用を30%削減する。
 また、2008年10月11日から2009年4月10日までの期間中、北京市の自動車はナン
バープレートの末尾の番号によって毎週1日走行停止となる規制が試行される。

〈出勤は9時半までずらすことが可能〉
 公告によると、北京の中央国家機関、北京市の各レベルの党政機関、学校、都市
機能の正常な運営を保障する企業と事業部門及び社会団体では通勤時間の調整を行
わない。北京市行政区域内の大型デパートでは、営業開始時間を10時に調整し、夜
の営業時間を適宜延長する。
 それ以外の企業、事業と社会団体では、実情に応じて、出勤時刻を8時30分、9時、
9時30分に調整することとし、退勤時刻は8時間の就業原則に応じて繰り延べる。

〈公用車もナンバーで走行制限〉
 公告では以下のことも示された。2008年10月1日より、北京市各レベルの党政機
関は公用車の使用を30%削減する。北京市行政区域内の中央国家機関、北京市各レ
ベルの党政機関、中央及び市に属する社会団体、事業単位、国有企業の公用車は、
ナンバープレート末尾の番号によって毎週1日走行停止となる(法定の祭日と休日
を除く)。走行制限の範囲は北京市行政区域内の道路とし、制限時間は0時から24
時までとする。

〈1カ月の道路使用税を減免〉
 また、2008年10月11日―2009年4月10日まで、上述した範囲内の自動車のほか、
北京市以外の自動車(長期市区通行証を持つ省外、区外、市外から北京に入る自動
車を含む)は、ナンバープレート末尾の番号によって毎週1日走行停止とする(法
定の祭日と休日を除く)。走行制限の範囲は五環路以内の道路(五環を含む)で、
制限時間は6時―21時まで。走行停止となった自動車は1カ月の道路使用税と車船使
用税が減免される。
 プレートの末尾番号は5つのグループに分けられ、定期的に走行停止日が変わる。
具体的な情報は北京市公安交通管理部門より事前に公告される。
 初回走行停止されるナンバープレートの末尾番号は、月曜日から金曜日まで順次、
1と6、2と7、3と8、4と9、5と0(臨時ナンバーを含む。末尾ナンバーがアルファベ
ットの場合は0とする)である。
 同時にまた、上述の措置に制限されない自動車の範囲も公告の中で示された。

 同公告では、北京市政府が公共交通の優先的発展を引き続き堅持し、市区の交通
渋滞を段階的に緩和し、市民の外出に便宜を与えることを強調している。また、パ
ーキングスペースをつくって駐車料金を上げ、道路上の停車を厳しく取り締まるな
どの措置も示した。〔東方早報2008年9月29日〕

……【国内経済】…………………………………………………………………………
●2007年全国工商聯の一定規模以上の民営企業調査結果公表
 2008年10月6日、全国工商聯は北京で2007年度の一定規模以上の民営企業の調査
研究結果を発表した。
 この調査研究は、中型、大型の民営企業の経営状況、業界特性、企業管理等の状
況についての連続性のある調査を通じて、民営経済発展の趨勢を分析し、民営企業
の発展の規律を研究し、民営企業の発展における困難や問題点をデータをもとに提
供するものである。
 今年は全国工商聯の一定規模以上の民営企業調査研究の10年目の年となった。調
査企業となる基準は、当初1998年の企業の年間営業収入総額9000万元から、今年の
3億元まで上昇した。2007年に調査した一定規模以上の企業は2950社である。

 この10年間、民営経済の国民経済の中に占める地位は常に上昇し、社会的な影響
力も絶えず拡大し、社会に対する貢献も日増しに顕著となっている。民営企業は国
民経済の各分野において絶えず強大な存在となり、規模、利潤、管理等においても
巨大な飛躍を見せている。
 一定規模以上の民営企業の10年来の連続調査は、民営経済の発展状況の理解を深
め、民営経済政策法規を研究及び制定し、民営企業の健全な成長促進を図るため、
しっかりとした実践の根拠を提供するものである。

 2007年、中国経済は引き続き安定、高度成長を保持しており、年間国内総生産は
24兆6619億元で前年比11.4%増であった。
 国民経済の高度成長は、民営企業の発展に良好な経営環境を提供した。中央及び
各地方政府による「非公経済36条」実施の上に、2007年3月の第10次全国人民代表
第5回会議では「企業所得税法」及び「物権法」が通過し、民営企業の発展に積極
的な影響をもたらしている。
 2007年の一定規模以上の民営企業は良好な成長状態を保持した。全部で2950社あ
る一定規模以上の民営企業の営業収入総額は5兆4477.80億元で前年比29.37%増、資
産総額は4兆1714.83億元で前年比30.14%増、税引き後純利益は2753.57億元で前年
比47.02%、納税額は2181.78億元、従業員数669.49万人、輸出総額924.85億米ドル
である。

 そのうち民営企業上位500社の状況は、大型民営企業の発展状況を反映したもの
である。この民営企業上位500社とは、当該年度において一定規模以上の民営企業
の調査研究のうち、営業収入総額ランキング上位500社の企業である。2007年の特
徴は、以下のとおりである。

〈1 全体規模が引き続き拡大し、調査企業の基準が再度上昇、利潤能力も上昇〉
 2007年の民営企業上位500社の営業収入総額は計3兆5514.12億元で前年比31.55%
増、1社当たりの平均は71.03億元であった。2007年の上位500社企業となる基準は
2006年の18.30億元から25.80億元へと40.98%上昇した。
 上位500社のうち営業収入200億元以上は23社で、100元以上は86社あった。その
うち、聯想控ブン有限公司が1466.02億元の営業収入総額で10年連続トップとなっ
た。江蘇沙鋼集団有限公司、蘇寧電器集団がそれぞれ1155.04億元、854.75億元で、
第2位、3位となった。

 2007年の民営企業上位500社の資産総額は計2兆5143.26億元で前年比35.54%増、1
社当たりの平均は50.29億元であった。企業規模は引き続き強大になっている。上
位500社のうち資産200億元以上は13社で、100億元以上は51社あった。

 2007年の民営企業上位500社の税引き後利潤は計1643.10億元で前年比50.88%増、
1社当たりの平均は3.29億元であった。そのうち、利潤10億元以上の企業は33社で、
5億元以上は81社あった。

 民営企業上位500社の営業販売利潤率は4.63%で、前年の4.03%の基準を大きく上
回り、企業の利潤獲得の余地は増大した。総資産収益率は6.53%で、前年の5.87%と
比較して資産効率は大きく増強された。総資産回転率は141.25%で、前年の146%よ
りも減少した。

〈2 税収、雇用への貢献がさらに高まった〉
 2007年、民営企業上位500社の納税総額は計1317.26億元で、1社当たりの平均は
2.63億元だった。10億元以上の企業は21社、1億元以上は333社あった。江蘇沙鋼集
団有限公司は納税額55.56億元でトップ、上海復星高科技(集団)有限公司は49.8
億元で第2位になった。

 2007年、民営企業上位500社が提供した雇用機会は343.44万人で、1社当たりの平
均は6869人だった。
 そのうち、上位3企業の比亜迪股ブン有限公司、蘇寧電器集団、広厦控股創業投
資有限公司がそれぞれ12万人、9.8万人、6万人の雇用機会を提供した。
 全体的に言えば、雇用貢献が比較的大きかったのは、飲食・レストラン業、建設
業等の労働集約型産業だった。建設業界の従業員数は民営企業上位500社の従業員
総数の24.72%を占めた。民営企業は依然として雇用機会を提供する主要な受け皿と
なっている。

〈3 経営管理は規範化される傾向、イノベーション能力は絶えず向上〉
 2007年、民営企業上位500社のうち、海外生産拠点を持つ企業は38社、海外販売
会社を持つ企業は102社であった。融資構造が絶えず改善され、海外上場企業が43
社、国内上場企業が127社となった。

 民営企業上位500社のガバナンス、組織構造、品質管理、企業の社会的責任等は
改善しつつある。
 90%以上の企業は、重大事項の決定権を取締役会や株主総会に集中している。86%
の企業は、党委員会を設立している。84%の企業は、労働組合を設立している。
 87%の企業は、ISO9000シリーズの認証を取得している。53%の企業は、ISO14000
の認証を取得している。
 ますます多くの企業で情報化管理が採用され、OAシステムを導入した企業が77%、
さらに50%以上の企業がERPやHRMシステムを導入している。
 60%以上の企業が従業員の養老保険を納め、医療保険、失業保険の納付率は80%以
上に達している。

 民営企業上位500社のブランド構築及び自主開発は絶えず向上している。
 2007年、141社が「中国馳名商標」を持ち、139社が「中国名牌産品」と評された。
238社がハイテク企業と認定され、258社が自前の知的財産権を持ち、311社が企業
の中核技術による自主開発を行っている。民営企業上位500社が保有する特許は計2
万7390件で、そのうち2650件が発明特許である。

〈4 製造業は依然として主導的役割、業界の発展は不均衡〉
 民営企業上位500社のうち、製造業は計312社で製造業が依然として主導的役割を
果たしている。営業収入総額は2兆3587.85億元で民営企業上位500社の営業収入総
額の66.42%を占めている。業界の営業販売利潤率は4.90%で全体の平均値を大きく
上回っている。
 製造業の中でも比較的多い業種は、電気機械及び器械業(38社)、黒色金属製錬
及び圧延加工業(36社)、有色金属製錬及び圧延加工業(31社)である。紡績業は
引き続き下降傾向にあり22社にすぎなかった。

 その他の業界で多く分布していたのは、建築業65社、卸売小売販売業52社、不動
産業22社であった。金融業、リース、商業サービス業等の業界の企業は依然として
少なかった。

 2007年の国際市場及び中国国内の調整措置による影響は、業界ごとに大きな違い
があらわれた。そのうち不動産業と採鉱業では価格上昇要素のため、販売利潤率が
それぞれ9.01%、8.78%となり、その他の業界を大きく上回った。しかし、卸売小売
業の販売利潤率はわずか1.86%と低い値をさまようことになった。

〈5 地域の特徴顕著、地域間格差さらに縮小〉
 2007年の民営企業上位500社の違いは依然としてはっきりしており、東部地域の
企業数が計408社と81.6%を占めた。中部地域が63社、西部地域が29社で、中西部地
域の割合が前年より増加した。すべての調査研究に参加した省のうち、浙江、江蘇
両省は依然として調査該当企業の多くを占めた。企業数は浙江が188社、江蘇が112
社で、民営企業上位500社の60%を占めたが、前年の63%よりは減少した。地域間の
民営企業の発展はさらに均衡へと向かう傾向にある。

 民営企業上位500社のうち、東部地域の営業収入総額は全体の84.29%、中部地域
が9.26%、西部地域が6.45%を占めた。中西部地域の民営企業はまさに東部地域との
格差を急速に縮小しつつある。

〈6 中国企業上位500社の格差はさらに縮小〉
 中国企業上位500社のうち民営企業は計68社である。そのうち聯想控股有限公司
が中国企業上位500社の第26位にランクインした。

 2007年の中国企業上位500社の営業収入総額は21.9兆元で、資産総額は59.7兆元
である。そして、民営企業上位500社の資産総額はわずか中国企業上位500社の資産
総額の4.2%にすぎず、営業収入総額は中国企業上位500社の営業収入総額の16.22%
にすぎない。こう見ると、民営企業は少ない資産で多くの収入を上げていると言え
るだろう。
 同時にまた、民営企業の営業収入成長率は31.57%に達し、同期の中国企業上位500
社の25.3%を大きく上回っている。民営企業の巨大な発展潜在力を2007年において
もさらに見せつけられることになった。

 このほか、調査研究結果では、民営企業の発展プロセスにおいて直面する幾つか
の問題が反映された。
 例えば、企業資金は依然として手持ち資金か銀行からの融資が主体で、資本市場
からの直接融資の比率は相対的に低いこと。企業の自主開発及びブランド建設にお
ける人的資本の欠乏、産学官協力の困難や政府支援の不足、保護体系整備の不健全。
海外展開するプロセスにおいて、外部の経済情勢の変化と貿易障壁を企業が主に憂
慮していること。投資プロセスにおいて遭遇する主要な障壁は土地使用、融資困難、
許認可手順の複雑さであること。そして、原材料の高騰、マンパワー不足、融資コ
スト上昇、税負担の増大等が既に近年来の民営企業発展に影響を及ぼしている主要
な問題であることである。

〈付表〉
▽営業収入総額上位20社
順位 企業名 営業収入総額(万元)
1) 聯想控股有限公司 14,660,167
2) 江蘇沙鋼集団有限公司 11,550,416
3) 蘇寧電器集団 8,547,546
4) 広厦控股創業投資有限公司 4,089,150
5) 上海復星高科技(集団)有限公司 3,799,800
6) 江蘇雨潤食品産業集団有限公司 3,100,000
7) 寧波金田投資控股有限公司 3,048,101
8) 東方希望集団有限公司 2,950,000
9) 東方集団実業股ブン有限公司 2,896,215
10) 天津栄程聯合鋼鉄集団有限公司 2,850,001
11) 新希望集団有限公司 2,813,161
12) 海亮集団有限公司 2,587,043
13) 杭州娃哈哈集団有限公司 2,581,196
14) 江蘇永鋼集団有限公司 2,465,742
15) 物美控股集団有限公司 2,388,327
16) 天津天獅集団有限公司 2,308,093
17) 三胞集団有限公司 2,246,172
18) 広東格蘭仕集団有限公司 2,211,970
19) 正泰集団股ブン有限公司 2,173,501
20) 内蒙古蒙牛乳業(集団)股ブン有限公司 2,118,375

▽資産総額上位10社
順位 企業名 資産総額(万元)
1) 江蘇沙鋼集団有限公司 8,188,532
2) 海航集団有限公司 6,885,800
3) 聯想控股有限公司 6,815,765
4) 上海復星高科技(集団)有限公司 5,993,967
5) 東方集団実業股ブン有限公司 5,052,618
6) 泛海集団有限公司 4,743,090
7) 雅戈爾集団股ブン有限公司 3,940,866
8) 四川宏達集団 2,545,931
9) 新希望集団有限公司 2,494,354
10) 新奧集団股ブン有限公司 2,133,087

▽税引き後純利益上位10社
順位 企業名 税引き後純利益(万元)
1) 江蘇沙鋼集団有限公司 648,069
2) 三一集団有限公司 392,140
3) 上海復星高科技(集団)有限公司 320,223
4) 泛海集団有限公司 318,025
5) 東方希望集団有限公司 304,200
6) 杭州娃哈哈集団有限公司 298,865
7) 雅戈爾集団股ブン有限公司 285,773
8) 天津天獅集団有限公司 236,118
9) 四川宏達集団 198,247
10) 聯想控股有限公司 195,944

▽納税額上位10社
順位 企業名 納税総額(万元)
1) 江蘇沙鋼集団有限公司 555,623
2) 上海復星高科技(集団)有限公司 498,700
3) 杭州娃哈哈集団有限公司 201,191
4) 雅戈爾集団股ブン有限公司 161,285
5) 広厦控股創業投資有限公司 160,235
6) 聯想控股有限公司 156,114
7) 上海人民企業(集団)有限公司 155,685
8) 蘇寧電器集団 152,705
9) 江蘇雨潤食品産業集団有限公司 143,000
10) 内蒙古伊泰集団有限公司 137,966

▽従業員数上位10社
順位 企業名 従業員数(人)
1) 比亜迪股ブン有限公司 120,000
2) 蘇寧電器集団 97,799
3) 広厦控股創業投資有限公司 60,000
4) 江蘇南通三建集団有限公司 50,522
5) 江蘇南通二建集団有限公司 48,000
6) 広東格蘭仕集団有限公司 42,000
7) 南通四建集団有限公司 42,000
8) 新希望集団有限公司 41,000
9) 浙江中成控股集団有限公司 40,017
10) 江蘇雨潤食品産業集団有限公司 40,000
〔和訊網2008年10月7日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                       (中国人民銀行10月13日17:52)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.7789  682.87    87.98  926.83
関連ページ:http://www.boc.cn/
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《編集者コラム――宇宙》
 週末は20年前の映画「オネアミスの翼」を見ました。この手の映画は余り万人受
けする話ではないかもしれませんが、20年前とは思えないような映画の出来で、つ
くり込みのすごさに驚きますし、その当時の日本のアニメのレベルは相当高かった
なと思いました。
 見ながら、中国の宇宙関連ニュースを思い出しました。最近は経済ニュースのイ
ンパクトが強過ぎてそちらばかりに目が行ってしまい、このメールマガジンでもそ
ういう話ばかり並べてしまい、中国の宇宙計画の話を取り上げませんでした。しか
し、ネット上には宇宙のニュースがあり過ぎるほどたくさんあったので、量を考え
ると、むしろ宇宙のテーマを取り上げた方が中国のニュースを御紹介するという意
味では正しかったかもしれません。
 宇宙飛行士自身のお話とか、子供たちがそれを見てどう思ったとか、一般市民が
どう考えているかとかそういうのに関心があるので、今後は機会があればこういう
話も探したいです。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手(記事検索も行えます)
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:リン 呂君 澤田裕子 林学成 周英
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